訪米中の安倍首相「大戦へ深い反省」
2015年4月28日1時2分 スポーツ報知
安倍晋三首相は27日午前(日本時間同日夜)、米ボストン郊外のハーバード大で学生と意見交換し「日本は先の大戦に対する深い反省の中で、平和国家としての歩みを70年間進めてきた。中韓との関係改善にさらに努力する」と述べた。首相に対し、米国内にある歴史修正主義者との見方を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。
「深い反省」との表現は、今月下旬のインドネシアのアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議での演説でも使っている。
意見交換で首相は、従軍慰安婦問題に関し「人身売買の犠牲となって筆舌に尽くしがたい思いをされた方々のことを思うと、今でも胸が痛む。この思いは歴代首相と変わらない」と強調。1993年の河野洋平官房長官談話を継承する考えを重ねて示した。
中国の海洋進出の動きには「日本やアジアの国は懸念を持っている。地域の責任ある国として平和的台頭を求めていきたい」とけん制した。
その後、マサチューセッツ工科大(MIT)を訪れ、日本の現代政治や外交に関する研究を支援するため、MITとコロンビア大、ジョージタウン大にそれぞれ500万ドルを拠出すると表明した。知日派の育成が狙い。各大学は教授の招請や研究活動費に拠出金を充てる予定だ。(共同)