大阪都構想:橋下氏街頭演説「やっと住民投票まで来た」
毎日新聞 2015年04月27日 22時53分
「大阪都構想」の是非を問う住民投票が27日告示され、賛成派、反対派ともに、5月17日の投開票日に向け、本格的に動き出した。大阪の活性化に向けた展望を開く道筋になるのか、それとも停滞の恐れを招くのか−−。各政党・団体は戦略を再確認し、それぞれの主張を訴えた。
27日夕、大阪維新の会の橋下徹代表(大阪市長)は大阪・ミナミで告示後初の街頭演説に臨んだ。26日までの説明会(市主催)では延べ約3万2000人を相手に熱弁を振るった。松井一郎幹事長(府知事)と街宣車に上った橋下氏は「役所なんて、今の時代に合わなければ皆さんが作り直したらいいだけ」と強調。「ここまで来るには山あり、谷あり、地獄あり。やっと住民投票まで来た」と高揚感を漂わせた。
支持母体の創価学会が自主投票を決めていることもあり、公明党は積極的に街頭活動はしない方針。しかし、この日は府本部(西区)で小笹正博・市議団長が「反対」を明言した。「大阪市廃止・特別区設置に反対です」と書かれたポスターを背景に、「大阪市の廃止は市民にとって決して良くないと訴えたい」と述べた。市議団幹部も「ゴングは鳴った。とことん行く」と意気込んだ。近く24区全てで党支部の会合を開き、市内で約1万人いる党員に働きかける。
自民党はこの日午前、大阪城天守閣を望む場所で、竹本直一・府連会長(衆院議員)や柳本顕・市議団幹事長が演説。その後の会議で、19人の市議全員が1人50万円を党府連に拠出し、広報活動に充てる方針を決めた。ただ、竹本氏は「とてもじゃないが宣伝費には足りない」と受け取りを保留する一幕も。一方で「東京選出の国会議員や東京23区の区長を招き、『特別区は素晴らしくない』と知ってもらう運動をしたい」と語った。
共産党系の市民団体が5カ所で開いた街頭演説には清水忠史衆院議員や、山中智子市議団幹事長らが参加し、都構想を批判した。
昨年の衆院選で大阪市内で公認候補を立てられず、先の統一選の大阪市議選では公認候補が全員落選した民主党は「反都構想」を党勢回復の足がかりにしたい考え。尾立源幸府連代表(参院議員)の演説には元衆院議員や元市議らも集まった。