ぼくらのクローゼット

埋もれている価値観の中から新しい楽しみと
生き方をいっしょに見つけていくメディア

「ライフスタイル提案」のモヤモヤを考えてみた

【ファッションに興味のない人に響くファッショントレンドの裏側】

 

ぼくクロ編集部よりお声がけいただき、こちらで駄文を綴る運びとなりました、アラサーとアラフォーの間世代のY-COです。

ファッションにまつわる悶々モヤモヤを備忘録スタイルでアップしたいと思います。よろしくお願いします。

さて、<ファッションに興味のない人に響くファッショントレンドの裏側>ということで、第1回目は昨今の“ライフスタイル提案”について述べてみます。

近年では服単体を売るのではなく、ライフスタイル全体を打ち出すショップやブランドが増加しています。

日々いろんなショップを取材していると、猫も杓子もライフスタイルなわけです。

それこそ何十回、いや何百回聞いたことやら……。

 

それ自体をディスるつもりは毛頭なく、自分自身ときに共感することもあるけれど、『服と一緒に植物を並べているだけで』『大型雑貨店では置いていないであろう気の利いたキッチンツール(早い話が調理器具のこと)を扱っているだけで』果たして“ライフスタイル提案”と言えるのでしょうか。

 

取材に行ってこのフレーズが出てくると、「出た~~~」といった具合に自分センサーが黄色く点滅し始めます。あまりに連発された日には、黄色の点滅から赤の点灯へと変わるのは言うまでもありません。

まぁ、この辺りの話をすると永遠に続きそうなので割愛しますが、食傷気味、いや気味どころか完全に食あたりを起こしていたわけです。

 

そんなもんだから、某誌で「ライフスタイルと称して服屋が人生を提案しているけど、自分の人生、オマエらに決められたくねぇって(笑)」という、あるショップの方のコメントを見つけたときの痛快さたるや!

 

まさに最強の代弁者です。

 

前述の通り、“ライフスタイル提案”の定義があやふやなままワードだけが一人歩きしている昨今。

マーケティングという名のサンプリングに注力するのもいいけれど、それぞれのショップ“らしさ”を強引なくらいに押し出しながら、モノゴトの価値観とそれを暮らしに取り入れたときの充実感を伝えてほしい。

 

それこそが“ライフスタイル提案”の本質のはずですから。

 

いずれにせよ、人生とは言わないまでも、日々の暮らしぶりのオシャレ化を煽るばかりでなく、琴線にビビッドに触れるような新しい提案に期待したいものです。

 

「好き勝手なことばかり言いやがって! オマエは一体何様なんだよ!!」と方々からお叱りを受けそうですが(笑)。

 

 

【プロフィール】

 

Y-CO(ワイ-シーオー)

 

1979年生まれ。レペゼン南大阪。クレイジー・ドライバーズ(暴走族)全盛時代に思春期を過ごす。アーリー’00s以降、カジュアルファッションを軸足に置きつつ編集&ライターとしてハスリングし続けている。“たゆまぬ努力と絶えざるアップデート”がモットー。

ぼくらのクローゼットについて

Copyright © S SQUARED. All Rights Reserved.