NHK:「捏造なかった…過剰演出」会長ら20人処分

毎日新聞 2015年04月28日 07時30分(最終更新 04月28日 09時26分)

NHK「クローズアップ現代」のやらせ問題で、BPOに人権侵害の申し立てをしたことを記者会見で話す男性(左)=大阪市北区で2015年4月21日午後3時7分、三村政司撮影
NHK「クローズアップ現代」のやらせ問題で、BPOに人権侵害の申し立てをしたことを記者会見で話す男性(左)=大阪市北区で2015年4月21日午後3時7分、三村政司撮影

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」などでやらせが指摘されていた問題で、NHKの調査委員会(委員長、堂元光副会長)は視聴者に誤解を与える過剰演出があったとする一方、やらせによる捏造(ねつぞう)はなかったとする最終報告をまとめたことが、27日分かった。担当記者の停職など約20人の処分とあわせて28日に公表する。籾井勝人(もみい・かつと)会長を含む会長ら役員は、処分の規定がなく、報酬を自主返納する方向。

 問題の番組は、昨年5月14日に放送した「追跡“出家詐欺”〜狙われる宗教法人〜」。多重債務者がブローカーを介して、出家の儀式を受け、名前を変えて融資などをだまし取る詐欺の手口を紹介した。同様の内容は同年4月25日の関西ローカル「かんさい熱視線」でも放送されていた。いずれも大阪放送局の男性記者が担当した。

 やらせが疑われているのは、取材で突き止めたブローカーとされる男性の元に、多重債務者とされる男性が相談に訪れる場面。ブローカーとされた男性はブローカーであることを否定。同調査委の中間報告では、記者は多重債務者とされる男性と8〜9年前から知り合いで、この男性にブローカーとされた男性を紹介されていた。

 最終報告は、やらせではなく、ブローカーとされる男性と知り合った実際の過程が、放送では逆になっていたことなどから、演出が過剰だったと判断した。【望月麻紀】

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