ラタイ健康法


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「光。ご飯にするから降りてきなさい」
 母さんの声が下の部屋から聞こえる。

「了解ー。今行くから少し待って」
 俺は機嫌よく返事をして居間へと向う。
 
 家族揃っての夕飯。
 俺はこの時間が大好きだった。
 今年で中学2年になる生意気な妹、
 ちょっと変わったところがあるけど明るく楽しい母。
 高校生になると家族と飯を食べるのが億劫になる人も少なくないが、
俺にとってはこの飯の時間こそ幸せを感じる大切な時間だった。


「光も瑠璃もちょっとこっちに来て。ご飯前に頼みたいことがあるの」
 俺が居間に入るやいな、母さんはニコニコしながらそう言った。 
 楽しい食事の時間をぶち壊しかねない母の言葉に俺は眉をひそめる。
 母さんの含みがある笑顔を見て、嫌な予感がした。
 先に来ていた妹の瑠璃も同じことを思ったのか硬い表情をしている。
 母さんがこういう顔をする時はろくなことがない。
 今度は何に影響されたのか。

「話って何?」
 いつものアレではありませんようにと祈りながら俺は聞き返す。

「あのね。この本によるとラタイ健康法が凄い効果あるんだって。だから皆でやろうと思うの」
 相変わらずの笑みを浮かべながら母は語る。
 キョトンとする俺と瑠璃。

「お母さん。また変な健康本を買ったの? もういい加減にしてよね」
 妹の芽瑠は大きなため息を付きながら文句を言う。
 かなり強い口調で相当怒っている。
 瑠璃が不機嫌になるのは、もっともだった。
 母が妙な健康法にハマるのは、これが初めてではない。
 先月はペイント健康法とかいうわけわからん民間療法にハマり、俺たち兄妹は身体に文字を書いての生活を余儀なくされた。
 その前に至っては、あの悪名高き飲尿健康法だ。
 一ヶ月程度で飽きてくれるのは助かるけど、こうたびたび変な健康法を押し付けられては溜まったものじゃない。

「本当だよ。もうやめようぜ」
 俺も瑠璃に同意した。
 もちろん母さんは大好きだ。一人息子としてどんなことでもしてあげようと思う。
 その気持ちは瑠璃だって同じのはず。
 しかし、こればかりは勘弁して欲しかった。

「今回が最期。一ヶ月だけでいいからお願い」
 出た。母さんのお願い。俺たちはこの母さんの目に弱い。
 何といっても女手一つで兄妹二人をここまで育ててくれた大切な母親だ。
 この異常な健康ヲタクだって、父を早く病で亡くしたせいであり、俺たちの身体を心配するあまりの行動だ。
 そんな母の細やかなわがままを聞いてあげたいと思うのは子供として当然だった。

 母の真剣な顔を見た瑠璃は呆れたような表情を浮かべながら口を開く。
「はぁ、わかったわよ」
 早、もう瑠璃が折れた。この裏切り者が。
 これで二対一。どう考えても勝ち目はない。
 そもそも妹がやって兄の俺がやらないわけにはいかなかった。

「わかった。おれもやるよ。そんで何をすればいいの?。この前みたいに毎朝ションベンを飲むみたいなものは勘弁してくれよ」
 あのオシッコの味は一生忘れない。そのぐらい酷い健康法だった。

「今回は簡単。新陳代謝を促し身体を休めるために家にいる時はずっと全裸でいること。食事中も寝る時も衣服は下着も含めて一切付けない。これだけよ」
 笑みを浮かべながら母はとんでもないことをいう。

「裸?」
 俺と瑠璃は同時に声を上げた。
 そう言えばさっきラタイ健康法とか言ってたような。
 ってラタイとは裸体のことかよ。

「そうそう。昔は二人とも裸で家中を走り回っていたじゃない。あんな感じでお願いね」
 母さん。それは幼稚園頃の話です。
 俺は高2。瑠璃だって中学2年。もう昔とは色々違うんです。

「うぅー」
 ふと、瑠璃を見ると怖い目つきで俺を睨んでいる。
 妹よ。文句を言う相手が違うぞ。俺は悪くない。

「さぁ、さっそく始めましょう。みんなも早く脱いで」
 母は上機嫌で上着に手を掛けた。
 俺達が止める間もなく、母さんはみるみるうちに服を脱いでいく。
 え、母さんってこんなに胸が大きかったっけ。うわ、黒のパンツ。

「ほら、あなた達も脱いで」
 あっさりと全裸になった母は何処も隠さずそう言った。
 母の黒い茂みを見て俺は視線を逸らす。
 子供の頃はよく見ていた母の全裸。昔はなんとも思わなかったのに、今見せられるとなんか卑猥な感じがした。
 やはり無理だ。いくら家族とはいえ裸のまま生活なんて出来るはずがない。

 ガタ。

 ただ黙って母の裸をじっと見ていた瑠璃が立ち上がる。
 そうだ。がつんと言ってやれ。今回ばかりは出来ないと。
 瑠璃はなにやら難しい顔をしながら母の前に行く。
 無言で見つめ合う二人。予想に反して瑠璃は何も語らない。母も何も言わない。

「あー、もう。わかったわよ」
 全裸のまま見つめてくる母さんの圧力に負けたのか、瑠璃は叫ぶように言った。
 そして自分のスカートに手を掛ける。

「え?、なにを」
 妹の思いがけない行動に驚き俺は思わず声を出した。
 瑠璃は俺のほうを全く見ずにスカートのファスナーを下げ、ストンと床に落とす。
 俺は白いパンツに包まれた妹のお尻を間近で見せられて思わず生唾を飲み込む。
 

「兄貴も早く脱いで。あとこっち見るな!」
「は、はい」
 瑠璃の鬼気迫る声に押されて急いで立ち上がり反対方向を向く。
 俺は服を脱ぎながら先ほどのパンツの残像を思い出してた。
 シンプルな無地のパンツからはみ出したシミ一つない尻肉。付け根から太ももにかけたあの曲線。
 まだまだ子供でしか無いと思っていた瑠璃がまさかあそこまで女の尻になっていたとは。
 つまり胸やあそこはもっと……
 
 そんな邪なこと考えてあるうちに脱ぐものが無くなる。
 ふむ。男の俺でも居間での全裸は結構恥ずかしい。
 照明も明るすぎるし、遮蔽物がなさすぎる。
 常に何処からか見られているような妙な緊張感まである。
 男ですらそう感じるんだから、女の瑠璃の心境は考えるまでもない。
 瑠璃の裸に興味がないといえば嘘になるが、ここは良き兄としてなるべく見ないでやるかね。

for / 2015年03月01日
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