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ネパール大地震 地盤の影響で揺れ増幅も
4月26日 17時24分

25日ネパールで発生したマグニチュード7.8の地震で、震源からおよそ80キロ離れた首都カトマンズで大きな被害が出ていることについて、専門家は、地震の規模の大きさや建物の構造などに加えて、地盤の影響で揺れが強まった可能性があると指摘しています。
地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の古村孝志教授によりますと、カトマンズはかつては湖だった場所で、固い地盤の上に厚さ数百メートルにわたって粘土のようなやわらかい層があるということです。
このため、地震が起きると揺れが増幅されて強まるうえ、揺れが長く続くという特徴があり、今回の地震でも揺れが強まった可能性があるということです。
カトマンズでは多くの人々が集まっていたうえ、細い柱の間にレンガを積んだような耐震性の低い家が多かったため、倒壊した可能性があるということです。
また、震源地周辺の山岳地帯については、強い揺れによってがけ崩れが起きているおそれがあり、川をせき止めれば、決壊して洪水につながる可能性もあるということです。
古村教授は「今後は救援や応急対応などが必要な時期にさしかかるが、今後も数週間くらいはマグニチュード7クラスの地震が発生する可能性があり、二次災害に十分注意が必要だ」と指摘しています。

「カトマンズには耐震性の低い建物密集」

去年4月にネパールの首都カトマンズの防災体制の現地調査を行うなど、現地の建物の構造にも詳しいコンサルタント会社の井上雅志さんは、「カトマンズではれんが積みなどの耐震性の低い建物が多いうえ、最近は人口増加に伴って建物が密集し、災害によるリスクが高まっている状況だった」と話しています。
井上さんによりますと、カトマンズの建物はれんが積みのものが多いうえ、住民がみずから建てるケースもあり、耐震性の低いこうした建物を中心に今回の地震で倒壊が起きているのではないかとしています。
井上さんは「カトマンズではこの10年で人口が1.5倍から2倍に増えるなど、急激な人口増加に伴って住宅が密集し、災害のリスクが高まっている状況だった。場所によっては非常に狭い道路に5階建てほどの建物が密集していて、倒壊した建物が道を塞ぎ、救助活動の遅れにつながらないか懸念される」と話しています。
また、最近は10階建て以上の高い建物が増えてきているものの、そうした建物の耐震基準や規制は追いついていないということで「映像からは高層建物でもヒビが入っているものが見て取れるため、余震で倒壊のおそれがある」としています。
井上さんは「特にこの時期は乾季で水が不足しがちで、今後、復旧も遅れると深刻な水不足が懸念される。また、燃料などの補給も海外に頼っていて、山岳地域では土砂災害などが起きて外部からの補給路が塞がれていると救援物資が届かなくなることも心配だ」と話しています。

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