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【大リーグ】

田中、0・5℃でも熱投

2015年4月25日 紙面から

◇ヤンキース2−1タイガース

 【デトロイト穐村賢】“三重苦”なんの、チームに勝利を呼び込んだ!! ヤンキースの田中将大投手(26)は23日(日本時間24日)、敵地でのタイガース戦に先発。6イニング1/3を3安打1失点、6三振2四球で勝ち負けはつかなかった。気温0・5度と冷え込んだ敵地で、登板間隔は実質「中3・5日」。相手はメジャー最強打線と悪条件が並んだが、最速93マイル(約150キロ)の直球とスプリットを軸に2戦連続のクオリティースタート(QS=6イニング以上を自責3以下)をマーク。昨年痛めた右肘への影響も懸念されたが、2戦連続の好投で周囲の不安を完全に払拭(ふっしょく)して見せた。試合はヤ軍が2−1で競り勝ち、タ軍に3連勝した。

 試合開始時の気温は0・5度。小雪がちらつき、体感気温は氷点下でも、田中の集中力が切れることはなかった。

 初回こそ「こういう天候ですし、(試合の)入りが慎重になった」と、23球を費やし1失点。極寒に「体全体の動き方は難しかった」と、マウンドでは意識的に上体を動かすなど硬くならないように工夫した。それでも、2回以降は「大胆にストライクを投げていけた」と、抜群の制球力でスコアボードに0を並べ、「試合を崩さずにつくれたことは良かった」と満足そうに話した。

 初顔合わせの相手は強敵だった。ア中地区5連覇に向けて11勝4敗と快走するタ軍は、2012年の三冠王カブレラや通算189本塁打のマルティネスを擁し、チーム打率2割9分7厘はメジャー全体で2位。田中は「メジャー屈指の打線。いいバッターなんで神経使って投げました」と警戒した中で、94球中60球がストライク。ストライク率64%と理想的な数字をたたき出した。

 7回1死二塁の場面では、6番セスペデスへの4球目が狙った内角ではなく外角への逆球になると、大声を上げていら立ちを表すなど気合も十分。結局、走者2人を残しての降板に表情は硬かったが、打者のタイプを見極めてスプリットを連投したかと思えば、直球で押すなど配球もバリエーション豊富で、完成度の高さをあらためて証明して見せた。

 ロスチャイルド投手コーチは「2回からスプリットがいい状態になり、初回の1失点だけでよく切り抜けてくれた」と修正能力の高さに感服。マスクをかぶったマキャン捕手も「全ての球にキレがあった。ボールを受けていて『打たれないだろうな』と感じていた」と、エースの投球を称賛した。開幕から2試合こそふがいない投球で周囲を心配させたが、課題でもあった中4日の登板も一発“快投”でクリア。エースとしての信頼を確固たるものにした。

 

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