「その女性がどんな妻になるか知りたかったら、彼女の母親を見ろ」
そんな言葉を聞きました。娘は母親に似る、という意味らしいです。私は母親のようになりたくないです。
彼女は仕事と家事と子育てをこなしてきた、すごい人です。感謝と尊敬の念があります。
ただ、ヒステリックなところ、つっかかる言い方、尋問のようなしゃべり方をするところ、批判と詮索好きで、人を見下すところ、があります。
彼女をそんな風にしたのは私や周りの人かもしれません。彼女も自分を守るためだったんだろうし、申し訳ないです。
それとは別にして、私もそういう性格になるのかな?と思うと、怖いです。なるべく寛容にほがらかになりたくて、意識してきたけど、その意志や積み重ねもムダなのかな?と。
こんなこと考えること自体、呪いです(母にも申し訳ないし、私もはたから見れば既にそんな性格かもしれません。気づいていないだけで)。
できれば村上さんに、「そんなことはない」と言ってほしいです。
もっと深刻な相談が来ているでしょうから、答えられなければ、心のなかでそっと呟いてください。そうして頂ければ、勝手にこちらでくみとります。お願いします。
(成実、女性、26歳)
僕も父親みたいにはなりたくないと思って生きてきましたが、ときどき「こういうところ父親に似てるかもな」と思ってしまうことがあります。これはもうしょうがないことみたいです。小さい頃からそういう因子が、良くも悪くも、無意識に染みこんでしまっていますから、ある程度あきらめるしかありません。
そういう「刷り込み」みたいなのを呪いと考えないで、これからそこに自分で上書きしていくんだとお考えになるといいと思います。そうしようと思えば、いくらでもしっかり上書きできます。あなたはまだ若いし、先の人生は長いんだから。がんばってください。
村上春樹拝<<