高木勇、4連勝!月間MVP堂々本命!金刃以来チーム新人4人目快挙
◆ヤクルト1―4巨人(26日・神宮)
サンデー勇人は負けませ~ん。巨人先発の高木勇が7回3安打1失点の好投で、チームの3連敗を阻止した。頼りになるルーキーはプロ初登板から4連勝。ハーラー単独トップに立ち、3、4月の月間MVPに当確ランプをともした。試合は初回に橋本の適時二塁打で先制すると、3回には片岡が3号ソロ。8回も小林の適時打などで2点を追加し、ヤクルトを突き放した。
高木勇は徹底して相手の懐を攻めた。1点リードの7回1死一塁。打席には5回にソロを浴びた畠山を迎えた。一発を食えば逆転の場面。カウント1―1から内角直球を果敢に2球続けた。「いい打者なので、しっかりインコースを攻めようと思った」。フルスイングすらさせず、どん詰まりの三飛。涼しい顔でグラブをたたいた。
連敗で迎えた東京ダービー第3戦。「絶対に負けないと思って臨みました」。初回から球を低めに集め、3回までは無安打。4回、上田に初安打を許すも素早いけん制球で刺した。
7回を89球3安打1失点。巨人の新人では07年の金刃以来の開幕4連勝だ。2リーグ制以降、4月までに4勝は55年ぶり4人目となる。20勝した上原(2勝)でも果たせなかった快挙。3、4月の月間MVPも当確と言っていい。
今年のオープン戦。試合前のミーティングに松井秀喜氏が姿を見せたことに感激した。「プロに入るまで生の松井さんは見たことがなかった。4回りくらい体が大きい感じだった。ジャイアンツにいるからこそできることですよね」と憧れのプロ入りを果たした喜びをかみしめた。今でも、その初心を忘れない。「気持ちは入った頃から一緒です」
謙虚さは変わらないが、余計な遠慮はしない。同い年の小林だけでなく、阿部、相川のサインにも臆することなく首を振る。「それって普通じゃないんですか」。買い物や外食先では、初対面の店員ともすぐに仲良くなる「外交力」の持ち主でもある。
「自分らしく」が口グセで個性派ぶりはサインにも。「高木(京)さんも(坂本)勇人さんも同じチームにいる。社会人時代の同僚と話して、個性的なサインを書こうと思ったんです。僕のは落書きみたい。解析したら難解ですよ」と、独自のサインを編み出した。
すっかりお楽しみとなったお立ち台では「勝ったら(大好物の)オムハヤシを作ってくれると寮長が言っていたので、明日はオムハヤシを食べます」と無邪気に声を張り上げた。天然キャラが定着しつつある状況に「僕は一生懸命やっているだけなので…」と困惑するルーキー。でも、快進撃は止まらない。(片岡 優帆)
◆セの4月新人MVPは過去1人 月間MVPは1975年セ・リーグがスタート(89年から投打1人ずつ)。新人選手が4月MVPに輝いたのは98年に4勝1敗1セーブ、防御率1・16の小林幹英投手(広島)ただ1人。79年スタートのパ・リーグでは、投手が80年木田勇(日本ハム)、87年阿波野秀幸(近鉄)、92年河本育之(ロッテ)。野手でも97年小坂誠内野手(ロッテ)が受賞している。