フランシスコ、鮮烈デビュー!虎党ヤジ「デブ」「ザビエル」「曙」がなんの!
◆イースタン 巨人2―3阪神(26日・ジャイアンツ)
巨人の新助っ人、ホアン・フランシスコ内野手(27)が26日、鮮烈デビューを飾った。阪神とのファーム交流戦(G球場)に「3番・一塁」で来日初出場。3回1死一塁で左前安打を放ち、3度の守備機会も無難にこなした。111キロの巨体に恐れをなした?阪神ファンからの激しいブーイングにも「不動心」を発揮。27日のG球場での練習から1軍に合流する。
鋭いライナーがレフトで弾むのを見て、フランシスコはようやく走り出した。ドスドスと地響きを立て、まるで本塁打を打ったかのようにゆっくりと一塁に到達。「初めての試合で一本出て、ホッとしているよ」
3回1死一塁から秋山の内寄りの直球を捉えた痛烈な左前安打。111キロの巨体から突き出た腹を鋭く回転させ、来日初ヒットをたたき出した。
22日夜に来日。まだ時差ボケが残る中でのデビュー戦だった。初回は四球、そして5回には痛烈な二ゴロ。テレビで試合を見た原監督は「いいヒットを打ったね」と評価した。27日から1軍に合流することが決定。外国人枠の関係で28日の中日戦(東京D)での1軍昇格は見送られるが、アピールする機会を得た。
広めに開いた両足をほとんど動かさないで打つノーステップ打法。目線と軸がぶれない。フリー打撃では36スイング中6本のサク越え。打球はピンポン球のように飛んでいった。「打撃は柔らかいし、力もある。あの体格だし、打球は飛ぶでしょう」と、岡崎2軍監督は太鼓判を押した。
111キロのボディーも圧巻の迫力だ。「横じゃない。腹がすごい前に出ているんだ」と球団関係者。上下のユニホームはピチピチ。試合直前には本人も無理やり両手でシャツとズボンを引っ張って伸ばし、何とか余裕を出そうと必死だった。
異様な存在感に早くも警戒感をあらわにしたのは、三塁側の阪神ファンだ。打席に向かうたびに激しいブーイングが飛んだ。「デブ!」という身も蓋もないモノ。似ているのか「曙~っ」との声も。さらにはフランシスコつながりから「ザビエル、ザビ」と歴史的なヤジも浴びせられた。だが、本人はどこ吹く風だったのが頼もしい。
一塁も三塁も守れるメジャー通算48発男。この試合は一塁で軽快なミットさばきを披露。走塁後に塁審とジェスチャーを交えて話す場面も見られた。原監督は「サードも得意らしいけど、最初はファーストがベストという気がしている」と語った。規格外の助っ人が攻守にカンフル剤となる予感大だ。(中村 大悟)
◆ホアン・フランシスコあらかると
☆プロフィル 1987年6月24日、ドミニカ共和国生まれ。27歳。188センチ、111キロ。右投左打。年俸1億2000万円
☆球歴 06年にレッズと契約し、09年にメジャーデビュー。ブレーブス―ブルワーズ―ブルージェイズを経て、2015年4月にレイズからFA。メジャー通算404試合で打率2割3分6厘、48本塁打、152打点。
☆愛称 10年にドミニカ共和国で行われたウィンターリーグで、中堅411フィート(約125メートル)のバックスクリーンのはるか上へ一撃。それから「411=クアトロシエント・オンセ」と呼ばれている
☆ワイルドだぜぇ? この日のデビュー戦では守備の時にあくびが出る場面も。原監督は「時差ボケが治ってないんだろう。いい意味で野性味がある」
☆ピアス 私服の時には両耳に巨大なダイヤモンドピアスを入れる。
☆似ている 元楽天のA・ジョーンズ、大相撲の元横綱・曙に顔がそっくり―と評判
☆好物 恵まれた体格をつくり上げたのは「ライスと豆と鶏肉」
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