限界はたいてい自分で設定している
by 古川健介 (起業家)
この前、会社のメンバーと話していたのですが、キャリアに関して悩みがある、ということでした。
聞いてみると、要は
- 将来のキャリアに役に立たない仕事はモチベーションがあがらない
- しかし、将来のキャリアが見えない
- キャリアを考えても、やりたいことが見つからない
ということでした。すごいわかる。
で、キャリアうんぬんはおいといて、僕の主張的には「それを仕事にすることができて、暮らしていけるような”やりたいこと”がある人なんて2割くらいじゃないか」です。ミュージシャンがやりたい!といっても食べていけるのは才能や運に恵まれた一部の人なわけで、やりたいことを見つけてそれが仕事に直結するなんてラッキーな人はそんなにいないんじゃないかな、と思っています。
なので、まずは、キャリアを考えるときに、やりたい
しかし、「こういう状態がベストだ」というのは考えられるんじゃないかと思っていたりもします。たとえば
- 5年後には、年収xxxx万もらいたい
- 週にx回は必ず休みをとり趣味に費やしたい
みたいな感じです。
なので、そのメンバーに対して、セミナーとかでよくある「5年後(or 10年後 or 死ぬとき)にベストな状況を5分間で書きだしてください」みたいなのをやったのですね。このポイントは、「何の制限もないとして、願いが全て叶うとして(ただしもちろん、物理的に無理なものは入れない)」
その結果を見たのですが、たとえば以下みたいな書き方をしてたんです。
- 仕事のストレスが0である
- 生活に困らないお金がある
うーん、やっぱり難しい。
「何の制限もないんだよ!」というのを強調しまくったのですが、やはりこうなります。
たとえば
- 仕事のストレスが0なのと、毎日仕事をするのが楽しみで仕方ない、という状態だとどっちがいい?
- 生活に困らないお金があるのと、毎月100万円、好きに使えるお金があるのはどっちがいい?
と聞くと、「あ、後者です」となります。しかし、何の制限もない状態だよ、というのを何度聞いても、5年後のベストな自分像というのは、ブレーキをかけまくったものになっているわけですね。
僕らは無意識にブレーキをかける
僕らはどうしても無意識にブレーキをかけているのではないかと思うのですね。
起業するにあたって「5年後は、100億の営業利益を出しているんだ!」と思うのは、実はなかなか難しかったりします。だって今0円なのだもの。想像ができない。
で、こういう話をすると、必ず「いやいや、俺は10年後には、100兆円の企業を作るのを目標としていますぜ」みたいな人が現れます。
これはこれで志が大きくておもしろくていいんですが、想像ができていないのに言っているパターンもあったりするなぁ、というのは感じます。
要は、目標に対して想像ができないというのは以下の2パターンがあるのですね。
- 目標を想像できるラインに設定する(1年後には黒字になるぞ!とか)
- 想像できないけど適当にでかい数字を言う
孫正義さんとか、三木谷浩史さんが偉大なのは、想像した上で大きな目標を言っていることなのですね。想像できないけどデカイ数字を言うのは実は簡単で、僕も「100兆円の時価総額の企業をつくります!」とかは言えるわけです。ただし想像できていないんで、適当なんですよね。でも孫さんが「100兆円の時価総額」といっているのは、たぶん想像できている。
この差はでかいなぁと。
想像できないけどでかい目標をいっていれば、なんとなく収まりがいいので安心しちゃうんですが、これはもう言っていないのと同じなので問題なんですね。
というわけで、どの道、想像できていないものは、達成できないのは当たり前なので、大きな目標を想像できるようにするのが、起業家としては大事なのかなぁ、と思っているこの頃です。