フランスはロシアへミストラル級ヘリ空母を引き渡さず、ロシアへ金銭補償を行なう

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『タス通信』より
2015年4月26日13時09分配信
【メディア:フランスはロシアへ「ミストラル」の費用を補償する意向である】
パリ、4月26日/タス通信特派員ミハイル・チモフェーエフ

フランスは、ロシアプロジェクト「ミストラル」ヘリコプター空母の費用を補償する意向であり、それ(ミストラル級)はロシア海軍へ引き渡される事は無い。
『ル・ジャーナル・デュ・ディマンシュ』(Le Journal du Dimanche)紙は報じた。

「法的には、未だこの決定は正式に下されていないが、ロシアとフランスの双方は、この1ヶ月以内にロシア連邦への軍艦ミストラル級の供給契約の解約の正確な条件を定める事で合意した事が知られた」
同紙は記した。

同紙によると、「既に決定は事実上下されており、パリはロシアへ支払い済みの8億ユーロを返し、そして更に3億ユーロになる同プロジェクトの他の費用を補償する」
新聞は、「ミストラル」に関する交渉に精通しているフランス大統領府のスタッフのデータを引用した。
そのデータによると、この為に必要な共和国の資金は、総額20億ユーロになるポーランドへのヘリコプター供給契約から受け取る事になるだろう。

同紙が報じたように「フランスは、完成した2隻のヘリコプター空母を転売する権利をロシアから取得する」
複数のNATO諸国が、これらの購入への関心を示している事を『ル・ジャーナル・デュ・ディマンシュ』は明らかにした。

[「ミストラル」の運命]
ロシア
の為に建造され、「ウラジオストク」と命名された「ミストラル」級1番艦は2013年10月に進水し、2014年11月にロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階でパリウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。

以前、外交筋が伝えたように、ロシア「許容できるオプション」として、フランスが、ほぼ15億ユーロの前払い金をロシアへ返す事を考慮している。
従って「フランスは、その面子を保つでしょう」
彼は付け加え、艦の為の金銭を返すというパリの決断をモスクワ「高く評価」した事を指摘した。

[フランスのポジション]
以前、西側のメディアは、ロシア連邦の為に建造された2隻のヘリコプター空母ミストラルの供給契約が破棄された場合、フランスロシアへ10億ポンド(15億ドル)を支払わなければならないと報じた。
メディアの報道によると、ヘリコプター空母の取り引きの停止の結果、フランス側は毎月300万ユーロの費用が生じている。

水曜日にフランス大統領フランソワ・オランドパリで表明したように、フランスは未だロシアへのヘリコプター空母「ミストラル」の引き渡しが可能であるとは考えていない。
「(ミストラル級の)引き渡しについてですが、今、既知の情勢(ウクライナの)を考えますと、それは不可能です」
フランス
の指導者は話した。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金(約11億ユーロ)を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用(約10億ユーロ)は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金(約10億ユーロ)の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]

そして4月24日、アルメニアエレバンプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。
[フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った]

この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。

そして今回、フランスのメディア『ル・ジャーナル・デュ・ディマンシュ』(Le Journal du Dimanche)紙は、フランスロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母2隻の引き渡しを中止し、代わりに合計11億ユーロをロシア側へ補償するという方向で双方が合意していると報じました。



ロシアは以前から「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]


2:57からロシア独自設計のヘリコプター揚陸ドック艦の模型が出てきます。
この動画では、艦の中央部分しか写されていませんが・・・

ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦
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この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。

搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。

フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月24日17時51分配信
【オランド:「ミストラル」をロシアへ引き渡す決定は採択されない】
パリ、4月24日-ロシア通信社ノーボスチ

フランス大統領フランソワ・オランドは、ロシアの国家指導者ウラジーミル・プーチンとの会談後、ロシア「ミストラル」型ヘリコプター空母を引き渡す決定は未だ採択されないと表明した。

大統領同士の会合は、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺から100年目の追悼行事が開催されたエレバンで金曜日に行なわれた。

「ミストラルについてですが、それを(ロシアへ)引き渡すか、今日、私共は、そのような決定は下しておりません。
その費用の返還は、私共が合意する形で実現するでしょう」
『ロイター』紙
オランドの談話を引用して報じた。

その前夜、パリフランス大統領「ミストラル」型ヘリコプター空母の資金について、もしもそれがロシアへ引き渡されない場合には、順当に返却すると考えていると表明した。

以前、オランドパリ「ミストラル」に関する状況から抜け出す方法​​を模索していると述べた。
引き渡しに関しては、彼によると、ウクライナ危機の展開に依存する。

2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスDCNS/STXロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
フランスは、昨年11月に1番艦「ウラジオストク」を引き渡さなければならず、その日時を11月14日と発表したが、それは実行されなかった。
ロシアフランスに対し、艦の引き渡し、或いは返金を求めている。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月24日22時17分配信
【ペスコフ:ロシアとフランスは「ミストラル」の問題に関してはノープロブレムである】
モスクワ、4月24日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアの指導者ウラジーミル・プーチンフランスの指導者フランソワ・オランド「ミストラル」引き渡し問題について話し合った。
ロシア連邦大統領広報秘書官ドミトリー・ペスコフは発表した。

「ミストラルについても触れられました。
この場合、何ら問題は有りません」

エレバンにおけるプーチンオランドの会談の詳細に関する質問に答え、こう話した。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金(約11億ユーロ)を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用(約10億ユーロ)は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金(約10億ユーロ)の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]

そして4月24日、アルメニアエレバンプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。

この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。


なお、この会談と同時期、ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏は、ロシア「ミストラル」級の件でフランスと裁判を起こすべきではないと明言しています。
以前には「ミストラル級を引き渡さないのなら金を返せ」としつこく公言し、裁判も辞さない態度だったロゴージン氏が。
『タス通信』より
2015年4月24日14時34分配信
【ロゴージン:ロシアとフランスはミストラルの裁判を起こすべきではない】


つまり、フランス「ミストラル」級ヘリ空母ロシアへ引き渡す事は無いが、にも関わらず、ロシアが満足できる(少なくとも不満が無い)方向で話が進められているという事でしょう。
具体的には、ロシアが支払った金を返すという形で。


ロシアは以前から「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]


2:57からロシア独自設計のヘリコプター揚陸ドック艦の模型が出てきます。
この動画では、艦の中央部分しか写されていませんが・・・

ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦
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この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。

搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは長期航海を終えて母港へ戻った

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月25日13時59分配信
【対潜艦「セヴェロモルスク」は演習から北方艦隊基地へ戻ってきた】
モスクワ、4月25日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」は遠距離航海を完了し、艦隊主要基地セヴェロモルスク市へ戻ってきた。
土曜日、北方艦隊広報サービスは発表した。

同艦の154日間に及ぶ航海は2014年11月20日から始まった。
その大半は、地中海ロシア海軍作戦連合部隊の一員として過ごした。

「北方艦隊将兵は20500海里以上を航行し、対空防衛の提供や潜水艦の探知、発見、追跡を含む数十回の戦闘演習を実施しました。
大型対潜艦セヴェロモルスクは黒海艦隊及びバルト艦隊の艦と共同で幾つかの戦闘射撃の合同演習へ参加し、帰路においてはバレンツ海の北方艦隊対潜部隊の抜き打ち検査へ参加しました」
北方艦隊
広報サービスは発表した。

「セヴェロモルスク」航海の枠組においてサラーラ港(オマーン)セウタ港(スペイン)へ寄港し、更にはアデン湾及び紅海エリアで民間船舶航行の安全を保障したと広報サービスは付け加えた。


[大型対潜艦セヴェロモルスク遠距離航海(2014年11月-2015年4月)]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」を中核とする北方艦隊艦船支隊は2014年11月20日にセヴェロモルスクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊は北東大西洋へ向かった]

その後、ノルウェー海から北海へと南下し、ここで演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は北海で演習を行なった]

そしてラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した際、セーヌ湾(つまりフランス沖)に停泊し、ここでも演習を実施しました。
[ロシア海軍の軍艦は英仏海峡で演習を行なう]

12月1日、英仏海峡を抜け、ビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入った]

12月5日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

12月23日、スエズ運河へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過し、アデン湾へ向かう]

2015年1月1日は紅海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラーコフは大西洋上で新年を迎えた]

1月12日、オマーンサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはオマーンを訪れた]

1月15日にサラーラを出航し、民間船護衛任務へと向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海で民間船を護衛する]

その後、アラビア海で同じく海賊対処任務に就いている日本海上自衛隊護衛艦「はるさめ」と会合しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海で日本の護衛艦と出会った]

「はるさめ」との会合を終えた後、アラビア海から紅海へ向かうパナマの貨物船の護衛を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパナマの貨物船を護衛する]

2015年1月25日に紅海で就役記念日(海軍旗初掲揚27周年)を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは紅海で就役記念日を迎える]

1月27日未明にスエズ運河を通過して地中海へ入り、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日設立)へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海へ入った]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊の旗艦となりました。

1月30日に地中海東部で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部で砲撃訓練を行なった]

2月16日には黒海艦隊警備艦「ラードヌイ」と合同演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部で演習を行なった]

その後も、ずっと地中海東部へ滞在していました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

3月27日、「セヴェロモルスク」地中海西部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海西部へ向かった]

3月末から4月初頭に掛けては、嵐の為に地中海中部シチリア島南東沖で待機しつつ艦内訓練を行なっていました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはシチリア島沖で艦内訓練を実施した]

4月3日、シチリア海峡(ロシア側名称:チュニジア海峡)を通過しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはシチリア海峡を通過した]

4月7日、地中海西端のスペイン領セウタへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスペイン領セウタへ寄港した]

4月10日、セウタを出航し、ジブラルタル海峡へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去る]

その後、ジブラルタル海峡を通過して北上し、ビスケー湾で戦闘訓練を行ない、4月14日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍の軍艦はビスケー湾で対空・対潜軍事訓練を実施した]
[ロシア海軍の軍艦はイギリス海峡で軍事訓練など行なっていない]

北海を抜け、4月17日にはノルウェー海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海へ入った]

「セヴェロモルスク」支隊の帰港予定は4月22日~24日でした。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは4月22-24日に帰港する]

しかし4月22日、北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、バレンツ海へ侵入してきた敵潜水艦を撃退するという想定下の「抜き打ち演習」を命じ、母港を目前にした「セヴェロモルスク」も、この演習へ参加させられることになりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海の抜き打ち演習へ参加した]


結局、母港セヴェロモルスクへの帰港は、抜き打ち演習が終わった後の4月25日になりました。

ロシア海軍の為の4隻目のラーダ級潜水艦建造契約の準備が進められている

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月25日12時39分配信
【チルコフ:第3のプロジェクト「ラーダ」潜水艦の潜水艦の契約が準備される】
サンクトペテルブルク、4月25日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト677「ラーダ」潜水艦の第3の生産艦建造の為の契約が準備される。
ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフは記者団へ伝えた。

「現在、同プロジェクト潜水艦サンクトペテルブルクの他に、2隻の潜水艦の契約が締結されております。
そして3番目の契約締結の準備が進められています」

彼は伝えた。

試験運航の結果により、トップ潜水艦「サンクトペテルブルク」の駐留地に関する最終決定が下される。
バルト艦隊か、或いは北方艦隊か。

チルコフは更に、2020年以降もプロジェクト「ラーダ」潜水艦のシリーズの建造は続けられると伝えた。

「サンクトペテルブルク」と命名されたプロジェクト677潜水艦の1隻目は、北方艦隊で試験運航中である。
第2の潜水艦「クロンシュタット」の建造再開契約は2013年に署名された。
「ヴェリーキエ・ルーキ」と命名された第3のプロジェクト677ディーゼルエレクトリック潜水艦「アドミラルティ造船所」で3月下旬に(再)起工された。

プロジェクト「ラーダ」潜水艦の設計者は中央設計局「ルビーン」である。
今日において、プロジェクト677潜水艦は、最も現代的な非核動力潜水艦である。
将来の同プロジェクト潜水艦には非大気依存発電装置の装備が計画されている。


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]

ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。
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しかし、就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

2番艦「クロンシュタット」は2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。
「クロンシュタット」は2017年にロシア海軍へ引き渡されます。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。
「ヴェリーキエ・ルーキ」は2018年にロシア海軍へ引き渡されます。
[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

これに続く4番艦も今年中に発注されます。
[ロシア海軍は4隻目のラーダ級潜水艦を発注する]

今回、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督「3番目のラーダ級」と言っていますが、これは、就役中の「サンクトペテルブルク」を除いた「クロンシュタット」、「ヴェリーキエ・ルーキ」に続く3番目という意味です。
(つまり通算で4隻目)

更にチルコフ提督は、2020年代にも「ラーダ」級の建造は継続されると述べました。

現在、「ラーダ」級を建造している「アドミラルティ造船所」とは別に、ロシア極東部コムソモリスクナアムーレ市に在る「アムール造船所」では、2024年までに最大で6隻の「ラーダ」級潜水艦を建造する計画が有ります。
[コムソモリスクナアムーレ造船所はロシア海軍の為の新世代艦艇を建造する]


現在、ロシアでは、通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置(AIP機関)リチウムイオン電池の開発が進められています。

[ロシアは潜水艦用のリチウムイオン電池の試験に成功した]
[ロシア海軍の新世代潜水艦の為のAIP機関の試験は進んでいる]

「ラーダ」級潜水艦の2番艦と3番艦には、リチウムイオン電池が搭載される可能性が高いようですが、4番艦には非大気依存発電装置(AIP機関)が搭載されるかもしれません。

ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは進水した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月25日10時46分配信
【第4のプロジェクト「ワルシャワンカ」潜水艦はサンクトペテルブルクで進水した】
サンクトペテルブルク、4月25日-ロシア通信社ノーボスチ

「クラスノダール」と命名された第4のプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」ディーゼルエレクトリック潜水艦は、サンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で進水した。
ロシア通信社ノーボスチ特派員は現地より伝えた。

「今日、偉大なる祭日である戦勝70周年の前に、私共は、黒海艦隊の為のシリーズの4隻目となる新たな潜水艦クラスノダールを進水させました」
ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ
は式典で話した。

彼は、「アドミラルティ造船所」が与えられた課題全てに対処している事を指摘した。

「昨晩、潜水艦スタールイ・オスコルは国家受領試験を完了し、現在、文書が作成されています。
黒海艦隊の為の先の2隻の潜水艦シリーズに続き、それは素晴らしい仕事ぶりでした。
そして更に、最新のプロジェクト677潜水艦の建造が始まります」

総司令官は話した。

式典で公開株式会社「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフが述べたように、潜水艦「クラスノダール」は期日通りに引き渡されるだろう。

ロシア連邦海軍総司令部の計画によると、2016年までに6隻のプロジェクト636「ワルシャワンカ」潜水艦が建造され、海軍へ引き渡されなければならない。
これらは全て黒海艦隊の潜水艦部隊の一員として加わる。

このシリーズの艦は合計6隻が公開株式会社「アドミラルティ造船所」で建造されており、「軍事栄光都市」の名誉称号を有する市の名前が付けられている。
最初の潜水艦シリーズ-「ノヴォロシースク」は2014年8月22日、2隻目の「ロストフ・ナ・ドヌー」は12月末にロシア海軍へ引き渡された。
第3の受注品-「スタールイ・オスコル」の進水は2014年8月28日に実施された。
第4のシリーズ艦-「クラスノダール」は昨年(2014年)2月に起工され、10月30日には潜水艦の最後のシリーズ2隻-「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」が起工された。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は11月に海軍への引き渡しが計画されている。

プロジェクト「ワルシャワンカ」潜水艦は第3世代に属しており、満載排水量3100トン、速力20ノット、潜航深度300メートル、乗組員52名である。
兵装として533mm口径の魚雷(6門の発射管)、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」が有る。
それは、敵に探知されるよりも3-4倍の距離で目標を発見する事が出来る。
その隠密性により、同プロジェクト潜水艦はNATOから「ブラックホール」の呼び名を貰った。


[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

「クラスノダール」の進水は2015年4月下旬に予定されていました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦4番艦クラスノダールは2015年4月28日に進水する]
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦4番艦クラスノダールは2015年4月25日に進水する]

そして2015年4月25日、予定通りに進水しました。



ロシア海軍向けのプロジェクト06363非核動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の2隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で建造されています。
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現在の所、6隻が建造される計画です。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年6月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年11月就役予定
黒海艦隊に配備予定


プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]