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[FT]タイ、「父親が一番分かっている」政府目指す

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2015/4/27 6:30
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 政治家の評価は世界の多くの地域でかなり低いが、タイの議会のメンバー候補について少し考えてみてほしい。

 タイの軍事指導者たちが現在検討している憲法草案では、新設される国民道徳議会は、行いの悪い人間と見なされた議員を職務から追放することができる。議会入りを果たした人は、許可制の下で働くことになる。「政治的な人気を築く」が、結局、「長期的に国民経済(の利益)や公共に害を及ぼす」可能性のある法律を可決することを議員は禁じられる。

軍政6カ月の総括をするプラユット暫定首相(17日、バンコク)=ロイター
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軍政6カ月の総括をするプラユット暫定首相(17日、バンコク)=ロイター

 東南アジア第2の経済大国の未来に関する全315項目の青写真で提案された民選の国民代表の権限に対するこうした制限は、おかしいように聞こえるかもしれない。

 だが、ある評論家が名づけた「父親が一番分かっている」(家父長的な)政府を確立しようとする軍事政権とその仲間の取り組みについて、愉快なところは何もない。社会的、政治的、経済的な代償がどんなものであれ、将校とその官吏らが昨年5月のクーデターで掌握した国をつくり変えようとする大きな努力の一環だ。

 現在流布されているリークされた文書は、憲法起草委員会がまとめたものだ。同委員会は、軍事政権が自分たちの抱くタイのビジョンを実現するために利用する多くの組織の一つだ。この草案は過去1週間で、軍部が選んだ国家改革評議会に提出された。草案は国民投票にかけられるかもしれないし、かけられないかもしれない。いずれにせよ、軍部はこれ(あるいはこの草案に近いもの)を法制化する決意を固めているように見える。

■首相、選挙で選ばれなくてもよい

 一連の提案は各方面の政治家と一部のアナリストから控えめな批判を呼んだが、抗議運動と表現の自由に対し軍事政権が取り締まり、反対意見と議論を封じ込めた。草案は大規模政党を犠牲にして、官僚と軍部、政治任用官の権限を確立、拡大するための徹底した措置を提案している。

 10年前は全面的に民選だった上院は、全200議席のうち77議席だけを有権者に選ばせることになる。しかも、その議席でさえ、選抜された候補によって埋められる。首相は今後、選挙で選ばれた政治家である必要はなくなる。一方、過去7年間で3人の首相を解任し、最も人気のある政党を二度非合法化することで、すでに国民の望みを踏みにじってきた裁判所は、従来以上に大きな権力を謳歌することになる。

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