バス運転手失神、乗客がブレーキ 京都、あわや大事故
京都市バスで今年3月、運行中に運転手(33)が突然意識を失い、乗客の男性がサイドブレーキをかけて停止させていたことが27日分かった。乗客約10人にけがはなかったが、バスは交差点に進入しており、大きな事故に至る可能性もあった。市交通局は「事故ではない」として、公表していなかった。
市交通局によると、市バスは四条烏丸行き55系統。3月19日午前9時11分ごろ上京区の千本中立売交差点で赤信号のため停車していたが、信号が青になった頃に運転手がけいれんを起こして意識を失い、のけぞる状態になった。
バスはオートマチック車で、ブレーキから足を離すと自動的に前進し、中立売通を越え千本通を20メートル進んだ。異変に気付いた乗客の男性が運転席左側にあるサイドブレーキをかけ、停車させた。乗客が救急車を呼び、運転手は病院に搬送された。ブレーキをかけた男性は名乗らず立ち去ったという。
同局によると、運転手は通常通りこの日の業務前に健康チェックを受け、年2回の健康診断でも異常はなく、意識を失った原因は分かっていないという。加藤讓自動車部長は「危険な状態だったが事故にならなくてよかった。運転手の健康管理をさらに徹底したい」とする一方、「ブレーキをかけてくれた男性が分かれば感謝の意を伝えたい」としている。
【 2015年04月27日 23時33分 】