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 核軍縮や核不拡散の現状や方向性を点検するため、5年に1度開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議が、27日午前(日本時間27日深夜)に米ニューヨークの国連本部で開幕した。初日は一般討論演説があり、米国やロシアなどの核兵器保有国と、核軍縮を強く求めてきた非核国の有志国グループなどが登壇する予定だ。

 一般討論演説は国連幹部らの演説に続いて行われ、核兵器国と軍事同盟を結んでいない国々で構成される非同盟運動(NAM)が最初に登壇する。NAMは核保有国に期限を設けた核廃絶を求め、非核国に対する不拡散目的の義務を増やす流れにも反発しており、演説内容が注目される。「中東非核地帯構想」に進展がないことにいらだつ中東からは、強硬な立場で知られるエジプトが登壇する。

 核保有国からは米英中とロシアが初日に演説する。ウクライナ問題を巡り、痛烈な批判合戦を繰り広げる米ロは、NPTでは、非核国からの批判を警戒して核保有国として足並みをそろえ、軍縮の成果を訴えるとみられる。核保有国は会期中に共同声明を出す予定だ。

 日本の外相として10年ぶりにNPTに出席する岸田文雄外相も登壇し、加盟国の政治指導者に広島・長崎訪問を呼びかける予定だ。(ニューヨーク=金成隆一)