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 小渕優子・前経済産業相の政治団体をめぐる不明朗な資金処理問題で、東京地検特捜部が27日までに、小渕氏本人から任意で事情聴取したことが関係者の話でわかった。一連の問題では政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)容疑などで告発状が出されており、小渕氏に説明を求め、事実関係に対する認識などを確認したとみられる。

 小渕氏をめぐっては、地元・群馬の支援者らが参加した東京・明治座での「観劇会」に関し、四つの政治団体の収支報告書で、収入より支出が大きく上回り、差額が計6千万円を超えていた。また、政治団体間で「寄付」として申告されていた計8800万円の資金移動の大半が、実際は架空だった疑いがあることも明らかになった。

 特捜部は昨年秋以降、小渕氏の複数の関係先を家宅捜索するとともに、元秘書で前群馬県中之条町長の折田謙一郎氏(66)から事情を聴くなど、詰めの捜査を進めている。

 小渕氏は昨年10月、この問題の責任をとって経産相を辞任。収支のずれについて「大きな疑念がある。税理士や弁護士を入れて調査してもらう」と話した。一方、折田氏は政治団体の一部の会計について「私が全部チェックして報告書を作成した」と説明。「小渕氏は何も知らないし、悪くない」と話していた。