2009-03-16
中田健太郎「言語の過剰と詩の抒情」+にかにかブログ
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2008/03/27
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僕は詩があまり得意ではない。特に、ユリイカに載っている詩とか、さっぱり分からない。むしろネットとかをよく読んでいて、そっちの言語の方が面白いとか思う人間である。中田の論文は、そのようなネットと現代詩の影響関係を論じていて、非常に面白い。「ゼロ年代の詩」論として、溶けている主体性などを発見している部分は示唆深く、面白かった(僕はこの号に載っていた詩では和合亮一さんのと中村美恵さんのが面白かった)。中田さんとは以前、詩の伝統/ネットにおける過剰な言語 のどちらかにつくかというような話をしたこともあるのだが、ネットの出現における表現の変化という点において彼と僕の問題意識は近い(さらに、『ゼロアカ同人誌本』に載っている佐々木寛太郎さんの論考も共鳴している)。
僕は昔、「WEB環境の文学」という、ネット上でモニタの中で読むのを前提とした文学のありかたについて走り書きをしたことがあった。(http://texpo.jp/texpo/disp/10473)これを掲載している『クリスタルの加工の仕方大辞典』は、2ちゃんねる創作文芸板のコテハン小くんが、WEBならではの表現を探求するという目的で創刊したWEB雑誌で、僕も少し編集に関わっているのだけれど、メンバーと喧嘩して0から2まで出して、あとは細々と作品を増やしている(もう妥協しない路線に切り替えたらしい) ここで読めます。http://texpo.jp/texpo_author/profile/nprLIgRXygE=/&fwd=/texpo_book/toc/1856/
この「ニコニコ動画」とのコラボ作品「niconico novel」http://texpo.jp/texpo/disp/5989とか、絵を使ってgoogle.docのような形態で集団創作した「仮想戦争で欲望を満たしましょう」http://texpo.jp/texpo/disp/9639などなど、いくつかの見るべき試みはあると思う。先日、とある出版社の若い社員の方とお話していたら、はやくWEBに移行すべきで、その課金方法を考えるべきだとしきりにいらだっていた。そしてなかなか動かないことに業を煮やしていた。
確かに紙とモニタは全然違う。自分の論文ですらWORDのときと紙のときは違う。しかし、その「違う」ところを逆手にとって表現メディアの特性を生かせば何か面白いことができるのではないか。そんなことをあちこちで言っていると、多少呼応してくれる人も現れた。それは僕の身内なので、身内びいき紹介めくのだけど、詩人のにかさんが最近ブログ「にかにかブログ」で面白いことをしている。http://yaplog.jp/tipotipo/ 僕が、ユリイカとかの詩を見せると、彼女は「白黒がよくない」「カラフルにポップに」「ピンクの紙に」と結構ラジカルな提案をする。それは僕は面白いので、雑誌に載らなくてもいいからWEBでやったら、と薦めていたら、とうとう表現が随分見たことがない地点にまで来ている。色と絵文字を使った独創的な、「モニタ」性を存分に生かした動く詩である。絵と文字の中間である「絵文字」が動く詩の気持ち悪さに、僕は「これはなかなかいいんじゃないのか」と思った。ラカン的に言えば、象徴界と想像界の中間のような領域で、奇妙に動いている謎のエクリチュール(?)がメディア自体も含めて表現されているんじゃないかと思った。ガーリーポップさと、メンヘル系と、モダニズムの詩のような配置と、絵文字などの表現などなどが絡まり、結構面白い境地にまで来ていると思う。
彼女はこのブログやtwitterではかなり意図的に崩したバブリングに近い言語を操っているが、元々はちゃんと小説も書けるようで、お願いして僕が実質編集権ももらった『クリスタルの加工の仕方大辞典』に載せさせていただいた。これも結構いいと思います。「空っぽ劇」http://texpo.jp/texpo/disp/20897 「小麦の小さい御話」http://texpo.jp/texpo/disp/20896 前者は作家の向井豊昭さんにお褒めをいただいた作品のようです。僕もかなりいいと思っておりまして、合わせてご覧になっていただくといいかと思われます。しかし、最近のブログの詩の過剰性は、かなりのところにまできている気がします。
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