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【主張】
川内差し止め却下 説得力ある理性的判断だ
立地地域の経済活性化にとどまらず、国のエネルギーの安定供給回復や、年間4兆円に迫る国富の流出抑制、地球温暖化防止への取り組み促進などの道筋が見えてきたことを評価したい。
これに対し、福井地裁は先週、仮処分で関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じたが、その論拠として、新規制基準の合理性欠如を挙げていた。
鹿児島地裁の判断と正反対であるだけでなく、規制委や地震学者から事実関係の誤りを指摘する声が出ている。関電も仮処分の取り消しを求めて福井地裁に保全異議を申し立てている。
事実誤認に基づく仮処分であれば論外だ。福井地裁には速やかな対応を求めたい。
東京電力福島第1原発の大事故以来、国内には原子力発電に否定的な評価が根を張っている。しかし、原発に背を向け続けるだけでよいのだろうか。
日本がエネルギー資源の貧国である現実を忘れると問題の解決は遠ざかる。原発の適正活用は、日本に限らず、将来の世界のエネルギー安全保障に資する道でもある。鹿児島地裁の決定を確かな第一歩としたい。