記事詳細
【主張】
川内差し止め却下 説得力ある理性的判断だ
鹿児島地方裁判所は、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転差し止めを求めて、周辺住民から出されていた仮処分の申請を却下した。
原子力規制委員会が定めた原発安全のための新規制基準にも、またそれに照らして適合性が認められた川内原発の安全対策にも不合理な点はないという理由に基づく決定だ。再稼働を大きく近づけた。
具体的な争点となっていた基準地震動や火山活動、避難計画のいずれについても鹿児島地裁は、住民らの主張を退けた。
その上で、運転差し止めを求めた住民らの「人格権が侵害され又はそのおそれがあると認めることはできない」と述べている。
極めて当然で理性的な決定である。現在、規制委による審査の最終段階に当たる使用前検査中の1号機は、順調に進めば、7月上旬の再稼働、8月の営業運転開始が可能になろう。
2号機も約1カ月遅れで1号機に続く途上にあり、平成25年9月以来の「原発ゼロ」状態に終止符が打たれる見通しだ。