豊かな水に恵まれた栃木県。
水はさまざまな命を育みます。
森を巡り彩りを与える清らかな水。
動物たちもその恵みを受け取ります。
水は姿を変え季節ごとに美しい情景を生み出します。
最高ですね。
水と共にさまざまな物語を描き出すとちぎの自然。
表情豊かな一年を見つめます。
遅い春を迎えた奥日光…雪解け水の音を合図に春が訪れます。
(鳴き声)この時期南から来た夏鳥と北へ向かう冬鳥が一緒に見られます。
ニホンザルです。
木の芽はまだ出ていないため地面に落ちた木の皮や実などを探しています。
20年近く訪れる人に奥日光の自然を案内しています。
(鳴き声)湿地からにぎやかな鳴き声が響いてきました。
(鳴き声)
(仲田)すごく軽やかな声なんですけどもこれはヤマアカガエルというカエルのオスの声ですね。
メスを呼んでいます。
うまくこれからペアが作れればそこで産卵ですね。
深夜。
つがいのカエルを見つけました。
雪解け水の中で産卵が始まります。
産卵はまだ水の冷たい4月上旬からひとつき近く続きます。
卵は直径2ミリほど。
ヤマアカガエルは奥日光で最も早く卵を産みます。
(仲田)まだ雪が残る時期なかなか他の生き物が動かない時期に早々に卵を産んでしまって大きくなってしまうという作戦だと思うんですが。
天敵から身を守る小さなヤマアカガエルの知恵です。
春風と共にやって来る生き物もいます。
奥日光の春は急ぎ足で過ぎていきます。
男体山の頂上から見る奥日光。
山肌は濃い緑。
夏本番です。
湯滝の水が流れ込む池にサルの群れが涼みにやって来ました。
サルたちが食べているのは水草。
この時期のごちそうです。
大きな葉っぱを必死に丸めている虫を見つけました。
巧みに丸めた葉の中に卵を産み付けます。
手作りの揺りかごです。
完成すると自分で枝から落としてしまいます。
敵から身を隠し乾燥から守るためと言われています。
落とした葉が丸めた手紙文に見える事からその名が付きました。
標高2,000mを超える…日本でも有数の高さにあるこの湿原池塘と呼ばれる大小数多くの沼があり年間を通して水がかれる事はありません。
真夏でも涼しく小さな花たちの楽園です。
地元で旅館を経営している…湿原の植物を見続けています。
これなんかモウセンゴケですよね。
表面がネバネバしてるんですよ。
分かりますか?食虫植物の…触手のように伸びた葉の大きさは1センチほど。
先端から粘液を出して虫をくっつけ養分を吸い取ります。
晴れ間の僅かな時間に姿を現す花もあります。
(小松)タテヤマリンドウって花も雨降ると閉じちゃうんです。
でまた開くんで。
こちらは…白い花びらが散ったあともさまざまな表情を見せます。
(小松)同じ花と思えないんですよ。
これが季節の移り変わりを表しているんですよね。
別な世界ですよね。
短い夏小さな花や生き物たちは懸命に生きる姿を私たちに見せてくれます。
VTRにもご登場頂いた日光自然博物館の仲田桂祐さんにお話を伺います。
よろしくお願いします。
お願いします。
仲田さんとちぎの自然を楽しむ上で春から夏の季節ってどんな印象をお持ちですか?四季それぞれいいとこはあると思うんですけどもやっぱり春から夏っていうと生き物がウワーッて動きだす季節なんですね。
やっぱり彼らにとっても待ちわびた春というかそういう季節なんでしょうね。
(仲田)とにかく生き物たちは自分の子孫を残す事がとにかく重要だと思うんですね。
ここからが本番だってそんな感じなのかなというふうに見えますね。
水辺の環境の事なんですけども栃木県は当然海がないという環境下ではありますけれども水の豊かさとか恵みを感じられる事っていっぱいありますよね。
そうですね。
やはり水っていうのは人間にとってもそうですけども生き物にとってもとても重要なんですね。
水辺の周りというのはやはり生き物の影が多い。
で水辺の環境もまたいろいろあってカラカラに乾いてる場所ほんのり湿った場所しっかり湿ってる場所ちゃんとした水辺。
生き物ごとに好む環境が変わりますのでいろんな水辺環境がある事でよりそこで暮らす生き物の幅が広がっていくと。
海がなくても栃木の水辺面白いよねというのは思いますね。
小田代原を赤く染めるのは草紅葉。
奥日光では一足早く秋が深まります。
山から流れてくる水と冷たい空気。
紅葉はより鮮やかに色づきます。
昼がどんどん短くなっていく秋。
サルたちは日だまりを見つけて毛繕いです。
(鳴き声)この季節山に響く動物の鳴き声。
オスジカがメスジカを求める声で秋のもの悲しさを表すものとして百人一首にも詠まれています。
栃木県東部茂木町を流れる那珂川です。
冷え込みが厳しい朝にだけ現れる景色があります。
早朝水温が気温よりも高くなる事で発生する川霧。
川霧は周囲の山々にせき止められて雲海へと変わります。
すごくいいですね。
初めて来たんですよ。
こんなに霧が出るとは思わなかったですね。
那珂川の支流では海から戻ってきたサケが浅瀬で産卵の準備。
体を使って川底をならします。
最後の力を振り絞って行う産卵です。
サケの産卵が終わると川は静けさを取り戻します。
動物たちは冬支度。
餌が少なくなる季節に備えます。
鮮やかに染まった秋の色に冬の気配が降り立ちました。
厳冬の奥日光。
湯ノ湖は冬の海を思わせます。
木々の枝が白い衣装をまといます。
湖岸に打ちつけられた波がはじけ霧氷をつくり出すのです。
氷点下15℃。
美しい雪の結晶も舞い降ります。
標高およそ1,400mに位置する…この時期渓谷は大きく表情を変えます。
登山口からおよそ7キロ。
目の前に現れた氷の壁が訪れた人たちを驚かせます。
岩からしみ出した水が凍って出来た自然の彫刻です。
更に登っていくと…。
「雲竜瀑」と呼ばれる落差120mの滝。
まるで時の流れが止まったかのような氷の世界です。
奥日光雪と氷に包まれた風景。
水がつくり出した自然の芸術です。
秋から冬にかけてなんですけれどもまたこう全然春や夏とは違った様子が見られますよね。
やっぱ紅葉ですね。
最後にひと花というか山全体がワーッと模様替えをして一気に冬に向かっていく姿っていうのはやっぱり秋ですね。
一方で那珂川のサケの映像もありましたけれどもあれもまた水がもたらす季節の変化というか大事な風物詩ですよね。
栃木県と海っていうのは川を介してつながってるんですね。
こちらから流れていくものもあれば逆に上がってくるものもあってほんとに一つの自然として生き物が使ってるんだなというのは感じますね。
そうですよね。
最後にありました滝ですよね。
ああいった風景をご覧になるとそれはそれでまた水の一つの形ですよねあれも。
(仲田)夏に出会う滝も爽やかで涼しげでいいんですけども冬は更にそこに栃木の冬の厳しさというんですかねそれが相まってああいう姿をつくりますのでこれすごいとちぎの自然を特徴づけているのかなそういうのを見せてくれてるのかなって感じがしますね。
やはりこうして1年間を通して自然の様子を見ているとほんとにいろんな表情があるというか実感するなと思うんですけれども。
栃木は水を育む森があり水が湧いてる場所があり流れる川がありたまる湖が…。
そういう非常に環境のバリエーションが多い。
出会えるものが非常に多いんですね。
で四季を通じてまたいろんな変化をしてきますので見てて飽きない。
そういう豊かな感じがとてもすばらしいと思ってます。
表情豊かなとちぎの自然。
時に優しく時に厳しく私たちを迎えてくれます。
沢を旅する水は命を育みまた次の季節を運んできます。
2015/04/27(月) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 とちぎの自然〜水が織りなす四季〜[字]
豊かな水に恵まれた栃木県。水は時にやさしく、時に厳しく表情を変える。水が織りなす美しい風景の中で生きる動物たちの命の輝きを迫力ある映像と音で取材した一年の記録
詳細情報
番組内容
栃木県の季節の移り変わりをカメラマンの視点でとらえた「とちぎの自然」。県内に生息する貴重な動植物の営みや普段見ることのできない水中の様子、珍しい自然現象などを、内視鏡カメラや、水中カメラなど多彩なカメラを駆使して撮影してきた。豊かな水に恵まれた栃木県。水が織りなす美しい風景の中でたくましく生きる動物たちの命の輝きを迫力ある映像と音で取材した一年の記録
出演者
【出演】日光自然博物館業務部主任…仲田桂祐,【ナレーター】大沢幸広,高賀茂沙緒里
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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