強盗殺人:「首絞めて暗証番号聞き出し」無期懲役判決
毎日新聞 2015年04月27日 20時31分
兵庫県西宮市の竹林で2014年4月、富山県射水市の無職、石黒絢(あや)さん(当時26歳)の遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた無職、上田友良被告(28)=兵庫県尼崎市=の裁判員裁判の判決が27日、神戸地裁であった。佐茂(さも)剛裁判長は「殺意は強固で被害者の遺体を無残な姿にしている。反省の言葉も信用できない」として求刑通り無期懲役を言い渡した。
弁護側は「被告に預金を引き下ろす目的はなかった」と窃盗未遂では無罪を主張したが、判決は上田被告が石黒さんの首を絞めて暗証番号の一部を聞き出したと認定。佐茂裁判長は「被告の弁解内容は不自然かつ不合理で信用できない」と退けた。
判決によると、上田被告は昨年1月31日、大阪府池田市の駐車場に止めた車の中で、スマートフォンのアプリで知り合った石黒さんから「見下された」と逆上。石黒さんの首を両手で絞めて殺害し、キャッシュカードや現金約8000円が入った財布を奪い、銀行ATM(現金自動受払機)から現金を引き出そうとしたが未遂に終わり、2月3日未明に遺体を西宮市の竹林に遺棄した。【神足俊輔】