美の京都遺産 2015.04.26


(ナレーション)
7月1日
上賀茂神社で御戸代会神事が行われた
「御戸代」とは神にささげる稲を作る神田のこと
夏の到来を前に害虫を退け秋に豊かな実りが得られるよう祈願する
(素謡「神歌」)
観世流能楽師による「神歌」
神への感謝五穀豊穣の願いを込め歌う
(素謡「神歌」)
(素謡「神歌」)
午後6時
細殿を舞台に「賀茂御戸代能」が開演した
(素謡「神歌」)
(素謡「神歌」)
やがて篝に火が入れられた
(謡と囃子)
害虫除けを願うこの日焔を伴う薪能を神にささげる
(謡と囃子)
神と共に人々が能を楽しむ
(井上さん)孝謙天皇の時代で西暦750年随分昔の話ですけども田んぼを上賀茂神社にご寄進なさった。
いわゆるそのころから結局田植えが無事に済む稲作が無事に…稲穂がちゃんと実って神前にお供えできるというそのために田植えをなさる方とかを鼓舞するためにいわゆる田楽とか猿楽っていうもので神様にもお祈りをささげつつまた仕事をする人の労をねぎらうというふうなことからどうも始まったみたいです。
(謡と囃子)
(井上さん)やっぱり世阿弥さんも「花伝書」やいろんなものに人々のいわゆる寿福長命を願うことがやっぱり能のいちばん大事なことなんやと。
(謡と囃子)
祈り。
そして癒やし
神と共に人々と共に能がある

着物と一緒に生きていたい
田中由美子さんは京都で和裁教室を開いている
能装束に興味を持ちある日能を鑑賞した
もっと知りたいと謡の稽古場を訪ねた
独特の声の出し方に圧倒され自分でも習い始めた

(謡)
舞台に上がる傍ら小学校に出かけたりワークショップを開いたりしながら能の魅力を伝えている
(謡)
(田中さん)何百年も前からやられてるのが今でも残ってるっていうことでやっぱりそれがなくならないってことはやっぱりどこかにそういうねなんか奥深いものがあってなんかこうお客さんをちゃんと引き寄せるものがある。
実際舞台行ったときもやっぱり心がなんかこうきれいになるというか…。
(謡)
(ユキさん)自転車圏内に能楽堂がね大きいものから小さいものからいくつもあるのでお休みの日とかにちょっとスケジュール…お能のスケジュールをインターネットで調べて「あっここでなんかやってはるわ」っていうので自転車でパッと行けたりするのでそういうのがすごい…京都ってすごいな面白いなって思いますね。
(謡)
(桐本さん)もともと古典文学が好きで「源氏物語」とか「平家物語」とかお能の演目はそういうのが多いので…。
それでたまたまテレビで能をやってましてでちょっと舞台見に行ってみようかっていうところから面白いなっていうので…。
(吉田さん)京都っていう所の土地っていうのはお稽古事がものすごく皆盛んやった場所なんですけれども自分の父親とかお母さんとかが習ってられてそれを子供のときに見ていてものすごく苦痛やったって言われるのが私よりちょっと上の方々の年代の方やと思うんです。
でそれを見てられたものやから能楽っていうものにはよくおっしゃる言葉が「高尚や」という言葉をお使いになられて全く見にも行かれないしお稽古事として選択されることもものすごく少ない。
それからもう一世代下がった人らになると親がそういうふうにやってられないから全く能楽自体を知らなくてワークショップで出合って「あっこれはちょっと…」っていうふうに思ってもらってお稽古場に足を運んでくれはるようになってるっていうのがあると思います。
能楽だけにかぎらずなんでしょうけれども茶道にしても華道にしても一般の方々…民衆の方々が盛んにお稽古事として行うと。
それによって支えるっていうお気持ちをお持ちいただいているからこそこうやって何百年も続いてくることができたと思ってます。

古都に花の便りが届いた

八坂神社に桜が咲く頃無料で催されている能がある

能楽師分林道治さんが神社の協力を得て続けている「初桜能」である
(謡と囃子)
もっと多くの人に能を知ってほしい
そんな思いで始めて今年で14回目を迎えた
最初の5回は分林さんが運営費を負担していたため有料開催であった
(分林さん)最初はこの周りに幕を張ってそして他の人と見えない…他の人とちょっと区切りをつけてお金を頂いて催しをしてたんです。
今の宮司さんが経済的な面でもサポートをしていただけるようになりましてどうせやるからには幕を張らずに大勢の人に見ていただけるようなそんな催しにしてほしいということをおっしゃってくださいましたのでもう幕は取り払いまして自然の状態でできるだけ大勢の方に見ていただくと。
やっぱり能になかなか…来てくださいって言いましてもねお客様まだまだ敷居が高いと…芸能ですから。
ですからとにかくいろんな人に見てもらってそして面白いか面白くないかはお客様に判断していただいて面白かったら能楽堂へ見に行こうとそういう人が1人でも増えるようにと思いましてこの催しを続けさせていただいております。
(謡)
(謡と囃子「熊坂」)
能に深い理解を示す宮司の思いを受け止め分林さんは満開の桜の下力強く舞う
(謡と囃子「熊坂」)
その姿に大勢の人々が見入っていた
(謡と囃子「熊坂」)
(拍手)
能を楽しんだ一日を皆で祝い寿福長命を願う「附祝言」
その歌声を春風が運んでいった

古都京都
今日もこの町のどこかで誰かが能にふれている

桃山時代豪商角倉了以によって造られ明治の元勲山形有朋も別邸にしていた「高瀬川二条苑」をお送りします
2015/04/26(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「町衆の能・3」

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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