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大阪都構想の賛否問う住民投票告示
4月27日 19時17分

大阪都構想の賛否問う住民投票告示
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今の大阪市を廃止して5つの特別区を設ける、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が告示され、来月17日の投票日に向けて、賛成派と反対派の運動が本格的に始まりました。
いわゆる「大阪都構想」は、平成29年4月に、今の大阪市を廃止して、現在ある24区に代わる、「北区」「湾岸区」「東区」「南区」「中央区」という5つの特別区を設置しようというものです。
この賛否を問う住民投票が27日告示され、大阪市役所では、午前8時15分に、市の選挙管理委員会の職員が、来月17日に投票を行うことを記した文書を掲示板に貼り出しました。
賛成派と反対派は、それぞれ街頭で支持を呼びかけるなど、本格的に運動をスタートさせました。今回の住民投票は、3年前に成立した「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づいて、全国で初めて行われるもので、大阪市の有権者、およそ211万人が対象です。
そして、投票率にかかわらず、賛成が反対を上回れば、平成29年4月に今の大阪市を廃止して、5つの特別区を設置することが決まりますが、「大阪都」に名称を変更するには、さらに法改正などが必要となります。
一方、反対が賛成を上回るか同数ならば、今の大阪市が存続することになり、来月17日の投票まで、賛成派と反対派による激しい運動が繰り広げられる見通しです。

都構想巡る政治の構図は

いわゆる「大阪都構想」を巡り、先の大阪市議会議員選挙で議席を獲得した政党では、第1党の大阪維新の会が、大阪市と大阪府の二重行政を解消し、税金のむだづかいをなくして、住民サービスを充実させることができるとして、5年前の結成以来、大阪都構想を推進してきました。
一方、自民党、公明党、共産党は、二重行政は、大阪市と大阪府との連携で解消できるうえ、特別区を設けるコストもかかり、住民サービスも今より低下するなどとして、大阪都構想に反対しています。このほか、民主党も、大阪都構想に反対しています。

各党の考えは

自民党の茂木選挙対策委員長は「大阪市を廃止し、区に分割することの賛否を問う住民投票は、まさに当該地域の判断を尊重すべき問題であり、党の大阪府連を中心にしっかり対応することを期待したい」というコメントを出しました。

民主党の枝野幹事長は国会内で記者団に対し「民主党は地域主権を掲げており、これが党の一丁目一番地だ。われわれも賛成して決めた法律の仕組みの中で、それぞれの自治体がどのような選択をするのかは、まさに、その自治体の住民自治に委ねられている。この問題は、住民自治の責任を負っている党の大阪府連が判断することだ」と述べました。

公明党の山口代表は記者会見で「今回の住民投票は、大阪市民がみずからの今後を選ぶものなので、わが党としては、まずは党大阪市会議員団にしっかり対応を判断してもらい、その判断を尊重したい。そのうえで市会議員団や党の大阪府本部とも連携して対応したい」と述べました。

維新の党の松野幹事長は国会内で記者団に対し「統治機構改革の第一歩である、二重行政の解消という歴史的な試みがスタートしたので、党としても全力で応援していく。過去最大の住民投票なので、どのような結果が出るかは分からないが、大阪市民の賢明な選択を望んでいる。結果は、党勢にも当然影響する」と述べました。

共産党の山下書記局長は記者会見で「いわゆる『大阪都構想』の本質は、大阪市を廃止し解体する構想であり、大阪市民の自治と暮らしを破壊するものだ。この構想に対して、政治的な立場の違いを超えた共同が急速に広がっているので、その一翼を担って大阪の党組織ができることをすべてやる構えで臨んでいる。ぜひ、阻止したい」と述べました。

次世代の党の松沢幹事長は記者会見で「大きな行政機構改革なので、大阪市民の生活や市の財政にとって、どのようなメリット、デメリットがあるのかを市民の前に明らかにして、市民の議論を促すことが必要だ。最終的には市民の判断に委ねられる」と述べました。

社民党の吉田党首は記者会見で「いわゆる『大阪都構想』には反対だ。橋下市長は大阪府と大阪市の二重行政を解消すると言っているが、大阪市を区に分解することで、今度は区が一体的に行政を行うための新たな組織を作らなければならなくなる。二重行政の解消は、府と市が真摯(しんし)に話し合って行うべきで、『大阪都構想』はメリットよりもデメリットのほうが大きい」と述べました。

菅官房長官「市民が決めること」

菅官房長官は「最終的な判断は市民が決めることであり、活発な議論が行われ、その内容を市民の皆さんが理解したうえで決められるようになればいいなと思う。いずれにせよ二重行政というのは、どこであっても是正されるべき話だろう。そのなかで法的拘束力のある選挙が行われるのは初めてであり、どういう結果が出るのかということだ」と述べました。

住民投票 ほかにはどんな種類が?

住民投票には、議会の解散など、地方自治法に基づくものや、合併特例法に基づくもののほか、各自治体が住民投票条例を設けて個別のテーマを問うものがあります。
ことし2月には、埼玉県所沢市で、小中学校にエアコンを設置するかどうかを問う住民投票が行われたほか、沖縄県の与那国島では、陸上自衛隊の配備計画への賛否を問う住民投票が行われました。
ただ、条例に基づく住民投票は、投票結果がその後の自治体の対応に必ずしも直結するわけではありません。
一方、今回の「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は、3年前の平成24年に制定された「大都市地域特別区設置法」に基づいて実施されるものです。
この法律に基づいて住民投票が行われるのは、今回が初めてで、投票結果は法的な拘束力を持ちます。

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