地球ドラマチック「蒸気機関車の“お引っ越し”!?」 2015.04.25


年代ものの蒸気機関車。
(ミッチェル)蒸気機関車の象徴です。
技師たちが巨大な機関車を南アフリカから生まれ故郷のイギリスまで運ぶ事になりました。
しかし蒸気機関車の引っ越しは行くさきざきでトラブルだらけ…。
(グッドマン)道が塞がれてる。
予報では5mの高波です。
(スティンカンプ)下手をすれば凍え死にですよ。
100tの機関車を生まれ故郷に帰す事に挑んだ男たち。
引っ越しは果たして成功するのでしょうか?南アフリカ中部のブルームフォンテインはかつて鉄道輸送の拠点として栄えた街です。
しかし現在は古い蒸気機関車が最期を迎える場所となっています。
この車庫では機関車を週に1台ずつ解体しくず鉄として売っています。
ところが1台だけ例外がありました。
製造からおよそ60年たった機関車。
「クラス15F」と呼ばれるモデルで蒸気機関車の黄金時代を物語る傑作です。
製造したのはイギリススコットランドのグラスゴーにあった会社です。
1903年に設立され最盛期には年間400両もの機関車を世界各地に輸出しました。
南アフリカには合計2,000両以上が輸出されました。
蒸気機関車の生まれ故郷であるグラスゴーの博物館が貴重な機関車を保存するため重量物運搬の専門家を南アフリカに派遣しました。
イギリスまで運ぶつもりです。
赤ん坊の頃から両親に連れられて蒸気機関車に乗っていました。
その影響かどうかは分かりませんが昔から鉄道が大好きです。
仕事というよりも人生そのもの恋人のようなものです。
グッドマンに協力するのは同じく蒸気機関車を愛する技師ジム・ミッチェルです。
長年走り続けたこの機関車は南アフリカの蒸気機関車の象徴です。
この機関車は40年間活躍。
豪華な寝台列車を引いて片道1,600kmの区間を走っていました。
グラスゴーの人々が忘れ去っている遺産ですから是非連れて帰りたいですね。
しかし長さ15mの機関車をおよそ1万kmも運ぶのは容易な事ではありません。
最初の課題は南アフリカの港ダーバンまで650kmを1週間で運ぶ事です。
予定に遅れれば別の貨物船が到着するまで長い間待たなくてはなりません。
しかもその後大西洋をおよそ1か月航海してようやくイギリスにたどりつけるのです。
かっこいいなあ。
全くだ。
機関車を7日以内にダーバンの港まで運びます。
まず運搬手段を決めなくてはなりません。
機関車の運搬方法には3つの選択肢があります。
1つ目は機関車自体の動力を使ってダーバンに向かう。
南アフリカの原野を走る蒸気機関車…最高の旅になるでしょう。
しかし機関車のボイラーは老朽化しています。
20年以上使われた事がなくうかつに動かせば爆発する危険性があります。
ディーゼル機関車で牽引する事もできますがルートの確保が難しく予算もオーバーしてしまいます。
2つ目の方法は機関車を分解して運ぶ事。
ボイラー車輪のついたシャーシー運転室などに分ける事ができます。
ただし非常に時間がかかります。
もともとイギリスのグラスゴーから分解した状態で運ばれ南アフリカで組み立てられました。
1940年代の南アフリカには100tもの重量を持ち上げられるクレーンが無かったからです。
しかし老朽化した車体を傷つけずに分解するには何週間もかかってしまいます。
残る手段は一つ。
機関車をそのままトレーラーに載せて運ぶのです。
しかし重量物運搬の専門家であるグッドマンも100tの蒸気機関車を運ぶのは初めてです。
車での運搬にはトラブルが付き物です。
道路事情もよく分かりません。
最初の作業は機関車を巻き揚げ機で引っ張り上げ大型のトレーラーに載せる事です。
問題はトレーラーが機関車の重さに耐えられるかどうかです。
積み荷のバランスが悪いとデコボコ道では事故につながります。
橋を無事に渡れるかどうかも問題です。
トレーラーは機関車の重さを分散させるため車軸が6本あるものが必要です。
また走行中の揺れを防ぐため機関車を鎖でしっかり固定しなくてはなりません。
機関車をトレーラーに載せるスロープの設置が始まりました。
(現場監督)レールをしっかりと固定し幅を一定に保っておかないと機関車が倒れてしまいます。
機関車を載せると車高が高くなりすぎて門をくぐるのも一苦労です。
ちょっと無理だなあ。
つかえるよ。
門の高さが14cmほど低いのでこのままでは運び出す事ができません。
出口はここだけなんです。
看板を外すんだよ。
出発の前から難問続出です。
道路の状態も確認していないためどんなトラブルが待ち構えているか分かりません。
予期せぬ事態が起きました。
交通警察官がやって来てトレーラーの強度に懸念を示したのです。
(警官)許可は出したがこの状態じゃ問題があるねえ。
トレーラーでの運搬を禁止されてしまいました。
もっと大型で強度のあるトレーラーをすぐに用意する事は不可能です。
船の出港まであと7日。
急いで別の運搬方法を考えなければグラスゴーへの到着が何か月も遅れる事になります。
前日に出発の予定がトレーラーによる運搬が禁止されたため機関車はまだブルームフォンテインの車庫にあります。
車での運搬ができない以上鉄道を利用して運ぶしかありません。
南アフリカの鉄道輸送を取りしきっている事務所に向かうところです。
頼んでみるしかありません。
蒸気機関車を牽引するディーゼル機関車を提供してもらおうというのです。
ご担当の方は…。
今回のように危険な作業の承認を得るには通常は数か月かかります。
しかし船の出港は6日後。
今日担当者を説得できなければ絶望的です。
6日後にダーバンに到着しなければいけないんです。
なんとかならないでしょうか。
最善を尽くしますよ。
お願いします。
通常は貨物輸送用の線路を使いますがこの線路を走る列車はどれも時速90kmで走っています。
同じ速度で蒸気機関車を引っ張り続ければ車軸の一部が熱を帯びて動かなくなり線路を塞いでしまうかもしれません。
もう一つの案はほとんど使われていない別の線路を走る事です。
無理をせずゆっくり走る事ができますが人里離れた場所にあるため何かトラブルがあった場合素早い救援は期待できません。
何日間も立往生してしまうおそれがあります。
引っ越しする蒸気機関車は20年以上もレールの上を動いた事がありません。
もし線路が確保できたとしても安全に移動するためには徹底的に点検し修理する必要があります。
今の状態では線路の上をちゃんと走ってくれるかどうか分かりません。
全てが確実に動くように必死で作業を進めているところです。
技師たちがあらゆる可動部分にオイルをさします。
全部で60以上になりました。
(作業員1)すごい量ですよ。
線路を使うための条件は蒸気機関車の運転士を1名付ける事でした。
ヨハネスブルクから運転士が来て私たちと一緒にダーバンまで行ってくれる事になりました。
運転室の床も修理しなくてはなりません。
木の床がひどく傷んでいます。
新しい板で補強できるかどうかやってみましょう。
運転士が床を踏み抜いて落ちたりしたら大変ですからね。
機械的な部分に問題が見つかりました。
ブレーキが利かないんです。
とてもシンプルなブレーキですがただぶら下がっているだけです。
ブレーキとしての機能は完全に失われています。
蒸気機関車のブレーキは全く役に立たない状態でした。
蒸気機関車を牽引するディーゼル機関車にブレーキがありますが蒸気機関車を止めるには不十分です。
起伏のある場所でスピードが出れば重大な事故を起こしかねません。
事故を防ぐため蒸気機関車の後ろに何も載せていない台車をつなげる事にしました。
台車の車輪全てにブレーキをかければ蒸気機関車も止める事ができます。
ただし安全に止めるには台車を10台連結しなくてはなりません。
ブレーキのテストが行われる事になりました。
大切なのは真空状態のパイプです。
パイプに空気を一気に流し込むとブレーキが働いて車輪を止める仕組みです。
台車10台のパイプと蒸気機関車のパイプを先頭のディーゼル機関車のパイプにつなぎます。
運転士の操作が真空のパイプを通じて台車にも伝わりブレーキをかけたり解除したりできます。
しかしパイプに穴があいていて空気が漏れ出すとブレーキは利かず事故につながります。
昔ながらの方法で真空のパイプの点検が行われました。
パイプに穴があいていると炎が吸い込まれるんです。
あっ今消えましたね。
穴があります。
ちゃんと修理しておかないとブレーキが利かなくなります。
一方グッドマンは運転室の床板を探していました。
いい匂いだ。
うんこの幅ならいける。
この板を1束下さい。
さあ行こう。
運転室の修理中にグッドマンに連絡が入りました。
大至急来てくれと言われたんです。
ふだん使われていない線路の使用許可が下りディーゼル機関車も提供してもらえる事になりました。
すばらしい。
本当にありがとうございました。
ようやく出発のめどが立ったものの土壇場になって別の問題が発生しました。
蒸気機関車の運転士がヨハネスブルクからの飛行機に乗り遅れたそうです。
機関車の出発時刻は明日の朝6時45分。
それまでに到着してくれるといいんですが…。
なんてこった。
5日目の朝。
蒸気機関車は60年ぶりにイギリススコットランドのグラスゴーに帰るため1万kmの旅に出ます。
運転士はギリギリで間に合いました。
みんなが最後の点検を行う様子を見ていたら何とも言えない感動を覚えました。
かなりグッときましたよ。
大げさに思われるかもしれませんが。
いよいよ出発です。
滑り出しは順調です。
グラスゴーから輸出された機関車が60年もたって故郷に戻ってくるなんて誰も想像しなかったでしょうね。
運転士のピーター・スティンカンプは車輪が熱を帯びて傷む事を心配しています。
特に最初の25kmは注意していないと危険です。
最初の25kmを走るのに1時間以上かかりました。
そんな遅いスピードでも問題が起きました。
少し熱いな。
運転士にチェックしてもらいます。
特に1か所熱くなりすぎている部分があるようです。
古い潤滑油がベアリングを詰まらせているのかもしれません。
長年車庫に放置されていたため潤滑油がホコリなどと混ざり合い塊になっているのです。
潤滑油が役目を果たさなければ摩擦によって熱が生じベアリングの内部が溶けてしまうおそれがあります。
そうなれば車輪が動かなくなり機関車は走れなくなってしまいます。
新しい潤滑油をさし続ける事が唯一の解決策です。
全てのベアリングに固形の潤滑油を押し込みます。
溶けるに従って固まった古い潤滑油を押し流してくれるはずです。
港があるダーバンまでの距離は650km。
25kmごとに油をさすため停車しなくてはなりませんが今のペースを維持できれば間に合いそうです。
このまま何のトラブルもなければ大丈夫ですが次に何が起きるか分かりませんからねえ。
季節は冬ですが日中の気温は30℃になります。
機関車にも悪影響が出そうです。
奇妙な音がしてきました。
左側からカチッカチッという聞き慣れない音がするんです。
列車を止めて車体を確認する事にしました。
ブレーキの一部に古い亀裂があるな。
この部分だよ。
引っ掛かって割れるかもしれない。
町から離れているため手元にあるもので可能な限りの修理をする事にしました。
(ミッチェル)応急処置だな。
(汽笛)みんな手を振ってくれます。
どこの国のどんな人も列車には手を振ってくれるんですよ。
トラブルで遅れた時間を取り戻すため夜通し走り続ける事になりました。
寒いな〜。
昼間とは大違いだ。
これから走る山間部は夜になると気温が氷点下まで下がります。
極端な温度差が技師たちを苦しめます。
今夜はかなり冷え込みそうなので夜通し走るために暖房設備を積み込んだところです。
これが無かったら凍え死にですよ。
52時間走り続けています。
これからどんな状況になるかは分かりません。
ただ祈るしかありませんよ。
厚さ5cmの霜が降りています。
息をのむほど美しい夜明けでしたよ。
丸2日かけて機関車はついにダーバンに到着しました。
今夜はとりあえず休みます。
冷えたビールを飲んでね。
やっとベッドで寝られる。
タクシー!最初の難関を乗り越えた技師たちは安心しきっています。
翌朝どんなトラブルが待ち構えているかまだ誰も知りません。
8日目の朝をダーバンで迎えました。
機関車はこの日出港する船になんとか間に合いそうです。
しかし埠頭までの800mの距離をディーゼル機関車で牽引する計画が崩れました。
ディーゼル機関車が故障してしまったんです。
代わりの列車を待っています。
いつになるかと尋ねたら「今日中には」と言われました。
更に悪い事に船の目的地が変更されるという連絡が来ました。
今はとにかく機関車を船に載せる事で頭がいっぱいです。
北半球にさえ到着できればあとはなんとかなります。
でもできれば目的地は変えないでほしいですね。
ハンブルクに変更です。
当初の目的地はグラスゴーから500km離れたイギリスのイミンガムという町でした。
機関車を持ち上げられるクレーンがあるからです。
ところが船はイギリスではなくドイツのハンブルクへ向かう事になってしまいました。
一旦ドイツで機関車を降ろし別の船でイギリスに渡ります。
しかしまずはダーバンで機関車を船に載せなくてはなりません。
2時間後ようやく別のディーゼル機関車が到着しました。
しかし埠頭の近くの線路はめったに使われていないためボロボロです。
こんなにいらついた事はないよ。
まあ落ち着けって。
今なら素手でコンクリートでもブチ割れそうな気分さ。
レールが土に深く埋まっているので脱線の危険性があります。
レールがほとんどないに等しい状態です。
あと数百メートルのところでまたもや思いがけない障害。
乗り捨てられたトラックが道を塞いでいたのです。
今日我々がここを通る事は分かっていたはずですよね?早くクレーンのところまで行かないと困るんです。
船の出港まであと4時間。
何としてでもトラックを移動させないといけません。
トラックのバッテリーがあがっているのでケーブルをつないで電流を流しエンジンを動かします。
うまくいくかどうかは分かりません。
さっきはケーブルを間違ったところにつないでいたし…。
あと5〜6人いれば人力で動かせるのに。
ようやく港の責任者が到着しました。
(港湾責任者)すぐに解決しますから2〜3分待って下さい。
二度とこんな事が起きないよう気をつけます。
お願いします。
おい!ここに止めていいと許可したのは一体誰だ!
(作業員2)いつも止めてますよ。
責任者はフォークリフトを手配しました。
おおこりゃいい。
きっといけるぞ。
頼むよ。
トラックを動かす事ができました。
やっとね。
3時間も無駄にした。
もうとっくに積み込み作業にかかっていたはずなのに。
悪夢だね。
こんな事ありえないよ。
着いたぞ。
次はいよいよ100tの蒸気機関車を船に積み込む作業です。
船に搭載されているクレーンで持ち上げる予定でした。
輸送会社は大丈夫だと言っていたんです。
ところが実物を見てみるととても無理だと分かりました。
当初の予定を変更し巨大なクレーン船の助けを借りる事になりました。
(クレーン操縦士)蒸気機関車を持ち上げられるチャンスはめったにありませんから光栄ですよ。
機関車をつり上げて一旦クレーン船に載せ対岸で待っている輸送船まで運ぶという計画です。
老朽化した機関車にとってはリスクの高い運搬方法です。
機関車を絶対傷つけたくありません。
ワイヤーのかけ方を間違うと機関車自体の重みで車体が傷ついてしまう危険性があります。
細心の注意を払わないといけません。
車体を保護するには機関車をつり上げる際天秤を使う必要があります。
しかし機関車には天秤のケーブルを付ける金具がありません。
ボルトを打ち込めば車体を傷つけてしまいます。
機関車の下に棒を入れてケーブルをつなぐ事になりましたが棒をしっかりと固定できる位置は限られています。
幸い後方には水平な部分が1か所ありました。
前方はつりひもで対応するしかありません。
もし2か所のバランスが崩れたら機関車は天秤からずり落ちてしまいます。
棒を機関車の下に入れる時点でトラブルが発生しました。
地面が水平ではないため棒をうまく押し込めないんです。
車体を少し持ち上げて隙間をつくるしかありません。
油圧ジャッキが使われる事になりましたが100tの車体を持ち上げるには心もとない大きさです。
もうちょっと大きいのは無かったのかい。
(ミッチェル)うまくいったらいいがな。
全くだ。
持ち上がってるよ。
こんな小さなジャッキで機関車が持ち上がるとは驚きだなあ。
ようやく棒が入りクレーン用の天秤につながれます。
出港まであと2時間です。
午後2時に出港です。
いよいよクレーン船が機関車をつり上げます。
いいぞその調子だ。
(ミッチェル)先頭の車輪が浮き上がった!
(ミッチェル)後ろはまだか。
こりゃまずいな。
頼む上がってくれ。
前方は持ち上がりますが重い後方はビクともしません。
天秤に根本的な問題がある事が分かりました。
天秤の棒が機関車の車体に対して長すぎたためケーブルが外側に引っ張られ後ろの棒が適切な位置からずれてしまったのです。
このまま続ければ悲惨な結果を招く事でしょう。
解決するには天秤の棒を短いものに交換するしかありません。
機関車の下に差し込んだ棒を適切な位置に配置できれば水平につり上げられるはずです。
作業に入りましたが時間があまり残されていません。
間に合うかなあ。
船は出港時間を遅らせてくれましたが埠頭の作業員たちはあと30分で終業時刻となり家に帰ってしまいます。
4時で帰るそうだ。
まいったなあ。
悪夢だよ全く…。
風が出て作業条件は更に悪化しました。
風があると機関車の車体がブラブラ揺れてしまいます。
100tもの重さがありますから少しでも安定した状態でつり上げないと。
これ以上遅れる事はできないため失敗を恐れずつり上げを開始する事にしました。
頼むぞ。
うまくいってくれよ。
3度目の挑戦でようやく機関車がクレーン船のデッキに下ろされました。
あとは対岸で待っている輸送船まで運び移し替えるだけです。
船が待ちくたびれてるな。
喜望峰の周辺は5mの高波だそうです。
しっかり固定しておかないと。
固定が不十分だと荒海で機関車が船の壁に衝突し傷ついてしまいます。
機関車を確実に固定するには下に敷いた木材の間に車輪をはめ込み更に鎖でしっかりとつなぎ止める必要があります。
夜遅くまで作業が続けられました。
機関車を確実に固定できる位置を探っているところです。
適切なポイントが見つかったら床に印を付けていきます。
出港は朝8時だ。
そうか。
手を振って見送ろう。
しばらくお別れだな。
翌朝早く船は南アフリカを後にしました。
行く手に待つ嵐にも耐えられるよう機関車はしっかりと固定されています。
ダーバンを出て4週間後船はドイツのハンブルクに到着しました。
蒸気機関車は別の小さな船に乗り換えイギリスに向かいます。
一足先にドイツに着いていたミッチェルは機関車が無傷かどうかを心配していました。
船がダーバンを出る時船長は喜望峰周辺の天気をかなり気にしていました。
早く確認しないと安心できません。
見事な固定のしかただ。
芸術的ですよ。
編み物みたいだ。
完璧だ。
ハンブルクでは全てが順調に進みました。
上出来です。
あとは北海を渡りイギリスに到着しさえすればもう何も問題は無い。
誰もがそう思っていました。
蒸気機関車はついにイギリスに到着しました。
今日はこの蒸気機関車が60年ぶりにイギリスの土を踏む特別な日です。
無事祖国に連れて帰る事ができてうれしいですよ。
しかし機関車を船から降ろす際に思いがけない問題が発覚しました。
100tのものを持ち上げられる埠頭のクレーンを使うつもりでした。
ところがつり具を含めると102tだったんです。
蒸気機関車を安全につり上げるための用具の重さを計算に入れるのを忘れていたのです。
200t用のクレーンはアームの長さが足りず機関車まで届きません。
更に巨大な1,000t用のクレーンを使う事になりました。
まずは大型トラックで運ばれてくるクレーンを組み立てるところから始めます。
(ミッチェル)次に機関車を安全に運べるよう設計された特殊トレーラーに載せます。
問題はトレーラーの荷台に設置されたレールがイギリス用なので南アフリカのものよりも幅が広いという事です。
荷台のレールは機関車の車輪を固定し運搬中の横ずれを防ぐためのものです。
しかしレールはイギリス用なので南アフリカを走っていた機関車とは幅が合わずそのままでは機関車の横ずれを防ぐ事ができません。
そこでトレーラーの荷台に新しいレールを敷き更に車輪を鎖で固定する事にしました。
この状態でグラスゴーまで運びます。
車輪をレールにのせる際には重い後部から自然に下ろしていく必要があります。
車輪をレールにのせる作業は細心の注意が必要です。
あと少しで完了という時機関車が突然トレーラーの上を滑り始めました。
素早く対処したので大事には至りませんでした。
500km近いドライブです。
長い旅はようやく最後の行程に入りました。
しかし渋滞が激しい道路もありまだ油断はできません。
橋の下をくぐる時車高が高すぎてぶつかるおそれもあります。
高速道路に架かっている橋の高さは5m5cmです。
数センチしか余裕がありません。
なんとか通る事ができました。
急ぐぞ。
南アフリカで60年間を過ごした蒸気機関車が生まれ故郷のグラスゴーに展示され余生を過ごそうとしています。
行けるかい?ああちょっと待って。
それじゃ駄目だ。
少し戻れる?厳しいなあ。
あそこの後ろにつけたいんだ。
一晩のうちにこんなものが出現して明日の朝みんなびっくりしますよ。
生涯の思い出になる旅でした。
よくやり遂げましたよ。
やったな。
ありがとう。
2015/04/25(土) 19:00〜19:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「蒸気機関車の“お引っ越し”!?」[二][字]

南アフリカの車庫に眠っていた古い蒸気機関車を、1万キロ離れたイギリスまで運んで展示することに!もはや自力で走れない100トンの機関車を傷つけずにどう運ぶのか?

詳細情報
番組内容
“お引っ越し”するのは、60年ほど前に製造された蒸気機関車15F。機関車の黄金期を代表する傑作とされる。南アフリカで40年間、豪華列車として活躍した後、放置されていたものを、保存して展示するためイギリスまで運ぶ。自力で走れない機関車を、まずは内陸の倉庫から港まで運ぶ。重量オーバーでトラック輸送できないため、ある秘策が!港では100トンの車体を釣り上げて船に乗せようとするが…(2008年米国)再放送
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:20534(0x5036)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: