大阪都構想:橋下市長、告示前に強気崩さず
毎日新聞 2015年04月26日 14時00分(最終更新 04月26日 15時47分)
大阪都構想の協定書(設計図)の内容を市民に伝える大阪市主催の説明会は、住民投票の告示前日の26日に終わる。大阪維新の会代表の橋下徹市長は、今月14日から始まった1日3回の説明会全てに出席。話した時間の合計は、質疑に応じた時間、26日の予定分も含めると、39回で計60時間近くになる。会場で質問した市民には「重要なご指摘です」などと笑顔で応じる一方、反対意見には「納得できなければ反対して」と語気を強める場面も見られた。
説明会は1回2時間。冒頭30分は市職員が協定書のパンフレットを解説し、その後、橋下市長が1時間以上マイクを握った。
説明会では、「都構想のデメリットの部分も聞きたい」という質問が多く出た。橋下市長は街頭演説などでは「ない」と明言していたが、23日の住之江区での説明会では「あえて言うなら、(特別区設置の際の)平成29年4月にコンピューターのシステムがうまくいくか。市の優秀な人間が府に行った場合、残りの人だけで行政がうまくいくのか」などと語った。
ただ強気の姿勢は変わらない。「制度上のデメリットはない。実務上の考えられるリスクを言っただけ」。24日、報道陣にこう語った。この日の東淀川区の会場では「都構想は制度ですから100点満点なんてない」とも話し、問題が出てくれば改善すればいい、との考え方を示した。25日の中央区の会場では「(初期費用としてかかる)600億円は、デメリットでなく経費だ」と強調した。
公明、自民などの市議会野党4会派は「大阪都構想」という名称は「大阪維新が使用する政治用語」と指摘。住民投票で賛成多数となっても名称は「大阪府」のままだとして、今回の住民投票を「大阪市における特別区の設置についての住民投票」と呼ぶべきだと主張している。
大阪市選管は25日、5月17日の住民投票での投票を呼びかける啓発用の垂れ幕(縦16メートル、横2・3メートル)を市役所正面の壁面に掲げた。「自分のまちのことやから、自分で決めなアカン」と記している。【大久保昂、寺岡俊】