テレ旬ワード:自民党「情報通信戦略調査会」 NHKとテレ朝聴取に24番組が危機感

2015年04月24日

(左端手前から)NHKの堂元光副会長とテレビ朝日の福田俊男専務を呼んで、看板番組についての説明を聴いた自民党情報通信戦略調査会=東京都千代田区の自民党本部で2015年4月17日、宮間俊樹撮影
(左端手前から)NHKの堂元光副会長とテレビ朝日の福田俊男専務を呼んで、看板番組についての説明を聴いた自民党情報通信戦略調査会=東京都千代田区の自民党本部で2015年4月17日、宮間俊樹撮影

 「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」(放送法4条)−−。そうした法律上の規定を持ち出し、永田町はテレビ局にしばしば“物申し”てきた。今月17日にも、自民党情報通信戦略調査会がNHKとテレビ朝日の幹部を聴取。両社の看板番組「クローズアップ現代」「報道ステーション」について、「事実関係を聞いた」(自民党幹部)という。

 テレビ局はしかし、5年ごとに総務相からの放送免許を受けなければならない立場。自民党の聴取は報道機関への圧力ではないか−−。そんな危惧の声は当然、テレビマンたちも抱いた。「情報通信戦略調査会」で検索すると、聴取の予定が伝えられた14日から20日にかけて、計24番組(計50分31秒)がヒットした。

 放送時間が長かった上位3コーナーは(1)Nスタ=TBS8分34秒(2)news every.=日本テレビ5分25秒(3)あさチャン!サタデー=TBS5分15秒−−。

 他の番組も、「自民党『異例の聴取』」(LIVE2015あしたのニュース&すぽると!=フジテレビ)「与党内からも懸念の声」(NEWS23=TBS)などと批判的な見出しが躍った。視聴率競争という垣根を越えた連帯は、報道の自由に対する危機感の強さの表れなのだろう。(山)

(注)対象は4月10〜23日の2週間に放送されたNHKと在京民放5局の番組。放送時間は全録レコーダー「SPIDER」(PTP社)で調べた。

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