都構想住民投票告示:最終審判、熟考の春 賛否両派が気勢
毎日新聞 2015年04月27日 12時24分(最終更新 04月27日 12時41分)
「大阪市分割か存続か」。大阪都構想の賛否を問う大阪市民対象の住民投票が27日、告示され、各党や政治団体は街頭で賛成・反対を訴えた。橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)が掲げる構想に対し、市民の最終審判に向けてスタートが切られた。【林由紀子、松井聡、大久保昂、寺岡俊】
「大阪の役所の仕組みを皆様の一人一人の意思で変えたい。究極の民主主義で大阪は変わっていける」。大阪市中央区・なんばの街頭で午前10時、大阪維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)が、そう訴えた。「CHANGE OSAKA!5・17」とプリントされたTシャツ姿で、「東京都に負けない大阪をつくる」と力を込めた。住民投票に政治生命をかける橋下代表は、前夜まで市主催の住民説明会を延べ39回こなし、この日は夕方から演説に加わる。
自民党も同時刻の午前10時、中央区の大阪城公園に大阪市議や府議、国会議員ら約40人が集まり「第一声」を上げた。「We Say NO!」のタスキを掛けた市議団の柳本顕幹事長が「市民一人一人の闘いだ。大阪市の発展が関西全体を発展させてきた。負けるわけにはいかない」と反対を呼びかけた。街宣車24台も近くに集結し、第一声の後、市内24区に散って行った。
共産党系の市民団体「大阪市をよくする会」と「明るい民主大阪府政をつくる会」は午前9時、北区の市役所前で出発式を開いた。「『都』構想アカン」と書かれたプラカードを掲げ、清水忠史衆院議員が「都構想の正体は、市の権限や財源を府が吸い上げて無駄な開発を進めることだ。百害あって一利なし」と声を張り上げた。
民主党は午前8時から中央区のJR森ノ宮駅周辺で、「維新政治と行政の混乱に終止符を!」と書かれたのぼりを立て、反対ビラを配った。尾立源幸府連代表(参院議員)は都構想で住民サービスが低下すると主張し、「良いことだけが宣伝されている。慎重に判断した方がいいという人は反対票を投じてほしい」と呼びかけた。
都構想反対の首長らでつくる政治団体「府民のちから2015」も午前9時から北区の天神橋筋商店街前で出発式を開き、弁護士の岩本洋子幹事長が「運動を盛り上げよう」と呼びかけ、都構想反対のガンバローコールで気勢を上げた。
一方、公明党は午前中は街頭に出なかった。党関係者によると、自主投票を決めた支持母体の創価学会に一定の配慮をした。