吉沢英将
2015年4月27日12時19分
明治後期から1世紀にわたる歴史がある駅弁会社「小郡駅弁当」(山口市小郡下郷)が、今月末で弁当事業から退くことを決断した。県内で唯一、駅弁を製造販売し、「山口の味」を届けてきたが、需要低迷の波に抗しきれず、やむなく撤退することになった。
同社は小郡駅(現在の新山口駅)開業から10年後の1910(明治43)年に創業。これまでに県産鶏肉を使った「かしわめし」や「ふく寿司」などを販売してきた。
55年には駅構内でうどん店を始め、65年には仕出し弁当事業にも乗り出した。山陽新幹線が開業した75年当初から、新幹線の車内販売を開始。90年ごろの「駅弁ブーム」に最盛期を迎え、年間約8億円の売り上げを記録した。
だが、鉄道の高速化による所要時間の短縮やコンビニ弁当の台頭、目的地に着いてから食事する観光客が増えたことなどの影響を受け、売り上げは下降線をたどる。93年には防府市にあった支店を畳んだ。
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