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 広島・長崎の被爆者や世界各地のNGOが26日、米ニューヨークで核兵器廃絶を訴えるデモ行進をした。核不拡散条約(NPT)再検討会議の開幕(27日)に合わせた取り組みで、約7500人が約3キロ歩いた。国連本部前では、核兵器禁止条約を求めて原水爆禁止日本協議会と「平和首長会議」がそれぞれ集めた署名を、再検討会議議長でアルジェリア外相顧問のタウス・フェルキ氏に渡した。

 行進前、広島で被爆した中村雄子さん(83)=神奈川県平塚市=が「私はみなさんが写真で見るキノコ雲の下にいました」。参加者は横断幕を掲げて歩き、佐久間邦彦さん(70)=広島市=は「核兵器禁止条約につながる一歩にしたい」、末永浩さん(79)=長崎市=は「人種や国が違っても戦争や核兵器は嫌だという気持ちは一つ」と話した。

 5200個のブロックで作った原爆ドームを持って歩くグループも。ブロックには子どもらの平和のメッセージが書かれ、設計した坂本敏彦さん(50)=名古屋市職員=は「小さな力を集めれば大きな力になる」と話していた。

 行進を見た広告会社勤務のアダム・ケイさん(27)は「核兵器は原発を考えるうえで重要だ」とし、映画製作に携わるパール・リバーマンさん(50)は「約30年前に核兵器反対のデモに参加したが、もっと人が多かった」。同じように感じた田中安次郎さん(72)=長崎市=は「だからこそ、もっと知ってもらわないと」と力を込めていた。(ニューヨーク=大隈崇、岡田将平)