krns-linkのブログ

緊急仮公開です。本公開までドタバタします。コメント欄は有りません。

机上の空論

twilogを見ると、mortan様が非常に熱心にツイートをしています。例えば次に示すものです。


このツイートの注目点は、化学物質過敏症心因性だと机上の空論」及び化学物質過敏症心因性、という独特の持論」です。

このように仰る方にとっては、例えば、①「化学物質過敏を訴える患者の80%以上は、何らかの精神疾患を合併する」(別の拙エントリの引用参照) ②「多くの人々がMCSを行動又は生化学的にメディエイトされた不安障害として解釈している。」(これは※1に示す講演予稿からの引用の一部記述の拙訳です) とのご主張にはそれぞれどのような評価をお下しになるのでしょうか? ちなみに、主張者はそれぞれ ①日本臨床環境医学会の理事長を務める坂部医師 ②MCSの名付け親のMark R Cullen, M.D.(例えば、資料「化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査(平成20年1月、公害等調整委員会事務局)」の P5 参照) です。


※1:Mark R Cullen, M.D. の講演予稿「The Perplexing Problem of Multiple Chemical Sensitivities: A Perspective for Toxicologists (Invited lecture)日衛誌(Jpn J. Hyg.)第64巻 第2号 2009年3月」の一部を次に引用します。

Alternatively, many have construed MCS as an anxiety disorder, either behavior or biochemically mediated. The DSM IV system classifies MCS in this category (Of note there is no ICD-10 code for MCS).


[拙訳]
代わりに、多くの人々が MCS を行動又は生化学的にメディエイト(訳注1)された不安障害として解釈している。DSM-IV(訳注2)において MCS はこのカテゴリー(訳注3)に分類される[注:MCS に対する ICD-10 のコードは無い(訳注4)]。

訳注1:漢字を使うと「媒介」と翻訳されるようです。
訳注2:DSM は Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders の略語で、「アメリカ精神医学会が定めた精神障害の診断と統計の手引き」とのこと。
訳注3:DSM-IV における不安障害のカテゴリーは、ここを参照。
訳注4:日本において化学物質過敏症は、ICD-10 の T65 その他及び詳細不明の物質の毒作用 T65.9 詳細不明の物質の毒作用 に分類されている。


注:本エントリは仮公開です。予告のない改訂(削除、修正、追加、公開日の変更等)を行うことがあります。

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