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 25日午前11時56分(日本時間同日午後3時11分)ごろ、ネパールの首都カトマンズ北西約80キロを震源とする地震があった。米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はマグニチュード7・8で、震源の深さは約15キロ。ロイター通信は警察当局の話として、ネパール国内で1130人が死亡したと伝えた。

 被害は周辺国にも広がっており、各国政府などによると、インドでは東部ビハール州などで少なくとも41人が死亡し、バングラデシュでも2人が死亡した。中国の国営新華社通信によると、中国・チベット自治区でも死者13人が出た。

 カトマンズでは、観光名所となっている9層構造の白い塔「ダラハラ塔」など多くの建物が倒壊。がれきの下に生き埋めになった人々を市民らが救出しようとしている。市内の世界遺産ダルバール広場でも建物に被害が出た。カトマンズ空港は同日、閉鎖された。

 ネパール政府は非常事態を宣言し、各国に支援を求めた。それに応じてインドは同日、医療スタッフや医薬品などを乗せた空軍輸送機をカトマンズに送った。

 日本政府は、26日にも国際緊急援助隊を現地に派遣する方向で検討に入った。

 インドCNN―IBNテレビによると、地震の影響で、ネパール北部の世界最高峰エベレスト付近で雪崩も発生。外国人登山者ら18人が死亡した。ヒマラヤは春の登山シーズンを迎え、登山者やトレッキング客が集まっている。

 日本の外務省によると、ネパール国内に在留邦人は約1千人いる。カトマンズの在ネパール日本大使館によると、日本時間の26日午前0時45分現在で日本人の被害情報はないが、安否確認を急いでいる。

 ネパールは地震の頻発地帯。カトマンズでは、1934年にM8・4の地震が起きて8千人を超える死者が出ている。(ニューデリー=貫洞欣寛)