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 26年という時を経て、「幻の決勝」が実現した。

 1989年1月7日。昭和天皇逝去のため、同日午後1時から予定されていた第68回全国高校ラグビー決勝「大阪工大(大阪第3、現常翔学園)―茗渓(めいけい)学園(茨城)」が中止になり、両校優勝となった。当時のメンバーらが26日、大阪・東大阪市花園ラグビー場に集まり、交流戦という形で体をぶつけ合った。

 優勝候補筆頭だった大工大はパワフルな突進、勝ち上がるごとに強さを増してきた茗渓は展開ラグビー。対照的なチームカラーで注目を集めた決勝だった。

 この日、大工大には当時2年生のCTBで、のちに日本代表で大活躍した元木由記雄さん(43)、茗渓には準決勝の天理(奈良)戦で伝説の「3人飛ばしパス」でトライにつなげたSO赤羽俊孝さん(44)ら、当時のレギュラーがほとんど参加した。とはいえ彼らも40代、あちこちで負傷者が出るドタバタ劇の中、序盤から試合を優位に進めた大工大が64―19と快勝した。

 茗渓OBは2月から、大工大OBは3月から準備を重ねてきた。試合後は感慨深げに握手したり、抱き合ったり。あちこちに笑顔があふれた。