2015年04月27日

地元の人も知らない「平塚漁港」はいかに知名度を上げたか No4

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漁協ではオリジナルブランドとして、地魚の干物などの加工品を販売しているが、じつは“食べられない“人気商品がある。「お魚まな板シート」だ。これも、きっかけは伏黒さんが、平塚市商工会議所が主催、ビジネスマッチングの機会を提供する『ひらつかテクノフェア』に「『テクノ』だけど『漁業』で出展してみた」ことからだ。たくさんの種類の魚が平塚で獲れることを知ってほしいと、組合では職員や漁師たちが水揚げされた魚の写真を撮りためて掲載したパンフレットを作っていた。

「出展していた地元の印刷加工メーカーのブースで、これをプラスチックのシートにできることがわかったんです。」(伏黒さん)。台所における実用的なアイテムになるかも、とコラボして作成。「平塚漁港に集まる愉快な魚たち〜No Fish No
Life〜」をタイトルに、109種類の魚と名前をずらりと並べ、魚の三枚おろしの流れも掲載した。発売してみたところ、簡易なまな板としての使い方ばかりか、「マウスパッドにも使える」「下敷きにもいい」、釣り客からは「ミニ図鑑としてクーラーボックスに入って便利」と大好評。

さらには「孫に見せたい」「子どもたちに魚の名前を教える教材として便利」と食育にも貢献するアイテムとして購入する人も多く、またたく間に600枚を販売。反響の大きさに「またまたテクノフェアで新たな技術を見つけた」伏黒さんは、さらに「平塚漁協のグッズシリーズ」第2弾として「お魚ファイル-お魚名前言えるかな?-」を開発。A4サイズのクリアファイルにまな板シート同様のビジュアルを掲載。中に入れた書類を出し入れすることで、魚たちの名前が見えたり隠れたりと、楽しく魚の名前もおぼえられる商品は、またまた好評を博している。

さらに、職員は「大学へも向かう」。昨年から漁協のイベントなどに出没している平塚漁協PRキャラクターの「ひらつかタマ三郎」は、地元・東海大学教養学部芸術学科とのコラボ企画で誕生した。そもそも平塚農産物PRキャラクターである犬の「ベジ太」に対して、最初は、かなりかわいらしい「リボンをつけて魚を持ったネコ」だったが、漁師たちの「漁師はもっとワイルドだろ」「漁師はやっぱり長靴だろ」「はちまきもマストだろ」という意見を反映しているうち、ワイルドどころか「ねじりはちまきにサングラス、口ひげはタコ」という原型をまったくとどめぬ姿に。

漁協キャラクター「ひらつかタマ三郎」。いちおう「ネコ」。サングラスをとると「つぶらな瞳」らしい…… さらに着ぐるみを作る予算がなかったため、学生たちが作った頭部
の張子だけをかぶって動く姿が、微妙すぎて大人気。なんでもタマ三郎さんは「趣味は川柳」「大酒飲みで奥さんと娘に逃げられたバツイチ」らしい(?)と盛り上がり、タマ三郎と川柳をコラボしたイラストを展示した「ひらつかタマ三郎展」まで開催され話題となった。

「何かが動き出せば、浜は変わる。食べる人、使う人が盛り上がれば、浜も盛り上がる。いつか回り回って、平塚の魚の価値が高まれば」と伏黒さんは意欲を燃やす。いまや港に上がるさまざまな「魚種」並みに、すっかり「ネタ」も豊富になった平塚の魚。そこにさらなる「ビッグなネタ」が登場することになったのだ。

 

 

posted by タマラオ at 04:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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