いつもお世話になっております。

DTM速報管理人の「ロケットえんぴつ3号」です。

バンドではベース兼、レコーディング・ミックスダウン・マスタリングを担当しています。
今回は2015年4月に楽曲「Myosotis」が完成したので、ミキシング(ミックス)方法を情報展開致します。
あくまで私の好み、考え方による個人的な方法なのでご承知おき下さい。

まずはミックス/マスタリング前後の音源をご試聴頂き、参考に値するか判断をお願いします。
音源(ミックス/マスタリング)



※ストリーミング再生だと低音質です。ダウンロードして頂くと高音質でお聴き頂けます。
ダウンロードして原音に近い音質での聴き比べをおすすめします。
音源(ミックス/マスタリング)







以下の5記事に分けてミックス前の音源から
ミックス後の音源に仕上げていく過程を解説していきます。

1. ギター編

【メタルコア曲】ミキシング方法 「ギター編」 : DTM速報【メタルコア曲】ミキシング方法 「ギター編」 : DTM速報

2. ドラム編
3. ベース編
4. ボーカル編
5. マスタリング編


スポンサード リンク




それでは今回は音作り・ミキシング方法「ドラム」です。

↓ミックス処理前の音源


順番に各楽器(バスドラム、スネア、シンバル系)を処理していきます。

バスドラム(キック)のミックス
バスドラム

メタルコア/ポストハードコアというジャンルではドラム、特にバスドラム、
スネアドラムが現実離れしたような過激な音作りになっています。
そのためイコライザー等のエフェクターを派手に掛けることになります。

【低域処理】
まずはバスドラムで最も重要な低音を処理します。

超低域(~30Hz) :
 不要な帯域。ばっさりカットするため、30Hzにハイパスフィルターを入れます。
 30Hz以下の帯域はほぼ聴き取れないことに加えてコンプレッサー等の
 影響を受けやすいため、カットしてしまいます。

超低域(40~70Hz) :
 ベースとの棲み分けのため強調。
 モコモコしないようにピーキングで狭い範囲でブーストします。

中低域(200~400Hz) :
 ベースとの棲み分けのためカット。 
 薄っぺらい音にならないように、カットし過ぎに注意

【高域処理】
メタル等、ラウド系特有のバスドラの「バチバチ」、「ベチベチ」というアタック音を強調します。
2kHz~10kHzを広い範囲でブースト、特に3kHz~4kHzを狭い範囲でブーストします。

↓処理後のバスドラム(キック)の帯域 (リバーブ成分含む)
キック・バスドラム

楽曲全体で聴くと、バスドラムはベチベチした音という印象が強いですが、
実は低域もしっかり出ています。低域と高域の両方で楽曲のリズムをリードしています。

強調している音域の役割のまとめ
40-70Hz辺り→超低音域。バスドラムでほぼ占有する帯域。
2k-10Hz辺り→高音域。ラウド系特有のバチバチ、ベチベチしたアタック音。

スネアのミックス
スネア

【イコライザー処理】
ラウド系の中でもジャンルによっては、スネアがカンカンした軽い音の場合があります。
一方メタルコアではバスドラム同様、太くて硬い音が求められるので、派手な処理を行います。

超低域(~100Hz):
 バスドラ、ベースに譲るため100Hz以下をハイパスフィルターでばっさりカット

低域(200Hz):
 低域の太いアタック感を強調

中域(500Hz):
 ギター、ボーカルと被る帯域。出過ぎないよう調整。

高域(4kHz):
 スネアの高域の鋭いアタック感を強調


↓処理後のスネアの帯域 (リバーブ成分含む)
スネア帯域

※タムもほぼ同様の処理

シンバル系のミックス
シンバル系

【イコライザー処理】

低域処理(~400Hz):
 ロック・ポップス・メタル系にはシンバルの低域は不要です。
 400Hz以下をハイパスフィルターでばっさりカット
 ただ、存在感がなくなるようであれば少し低域を残すよう調整します。

高域処理(8k~):
 派手さを付加し、音抜けを良くするためブースト


↓処理後のシンバル系の帯域 (リバーブ成分含む)
シンバル系帯域






…ということで。
以上の処理を行った打ち込みドラムのプリセットを次の記事で配布しています。
↓ご興味のある方はご閲覧下さい。

【おすすめドラム音源】 Superior Drummer 2.0 【メタルコア・ポストハードコア用途】 : DTM速報【おすすめドラム音源】 Superior Drummer 2.0 【メタルコア・ポストハードコア用途】 : DTM速報 





ドラムセット全体のミックス(トータル処理)

Suprerior Drummer Metal Foundry


1. エキサイターで高域を強調

  倍音を付加することでスネアのアタック感、バスドラムの高域、シンバルを強調します。
  音が派手に、音抜けが良くなります。

2. マルチバンドコンプ
  曲によって他楽器と被る帯域の天井を決め、出過ぎないように。
  ただし、ほとんど掛かってない状態です。
  
3. 空間系処理(リバーブ)
  【リバーブ】
  空気感を出すために短いルームリバーブを掛けます。
  ただし、ギターのリバーブと被らないようにパンは狭めます。
 
4. マキシマイザー
  スレッショルド -2.0dbで持ち上げてます。

5. 飛び道具的なエフェクト
  今回の曲ではイントロでこもった音から徐々に普通の音にフェードインするエフェクトを掛けています。
  フィルターのカットオフ周波数をオートメーションで徐々に開いています。(詳しくは別記事で解説)
  

↓以上のミックス処理を行った音源がこちら







こちらのコンピレーションアルバムの11曲目(トリ)に本記事でミックス素材として
使用している楽曲「Myosotis」が収録されています。
iTunesでのダウンロード販売で250円です。
売上があると創作意欲が増し、また、機材代に費用を割くことができます。

↓もし気になった方はダウンロードして聴いて頂けると嬉しいです。
嘘。
¥2,400
(2015.04.11時点)
posted with ポチレバ

以上です。