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 安倍晋三首相は20日夜のBSフジの報道番組で、戦後70年の節目に出す「安倍談話」をめぐり、戦後50年の「村山談話」などにある「植民地支配と侵略」「心からのおわび」などの文言を使うかどうかについて、「同じことを入れるのであれば談話を出す必要はない」と述べた。

 番組は生放送で、約50分間出演した。首相は村山談話や戦後60年の「小泉談話」について、「村山総理は村山総理として語られ、閣議決定した。小泉総理の時には村山総理の談話を下敷きにしているという感じはある」とした上で、「(同じものを出すなら)名前だけ書き換えればいいだけの話になる」と語った。

 また、「(村山、小泉両談話の)基本的な考え方を継いでいくということはもう申し上げている」と言及。「引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はないだろうと思う」と強調した。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)については、「まずしっかりとしたガバナンスがあるということ。そうしたものを見ていくことが大切だ」と指摘。「いわば悪い高利貸からお金を借りた企業は、その場しのぎではあっても未来を失ってしまう。そういうものになってはならない」とし、「前提条件が満たされるかどうか、慎重に考えていくのは当然。米国はもちろん、参加を表明しているG7の国々も基本的に同じ懸念を持っている」と語った。

 21日からのインドネシア訪問にあわせ中国の習近平(シーチンピン)国家主席と首脳会談を行う可能性については「まだ何も決まっていないが、自然な形で機会が設けられるなら、お目にかかる用意はもちろんある。意思疎通していくことは、両国にとって必要ではないか」と意欲を示した。