スポーツのしおり
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【社会】13日間放置 官邸、空の警備「穴」「遅せーよ職員! 二週間放置て…」。首相官邸の屋上でドローンが見つかった二十二日、ブログにこう記した山本泰雄容疑者。供述によると、ドローンを飛ばしたのは九日未明で、発見まで十三日間も気付かれなかったことになる。警備の「穴」が浮き彫りになり、専門家は「ドローンは化学兵器や生物兵器も積めるのに、対策が遅れた結果だ」と批判した。 (北川成史、菊谷隆文) 「長い…」。微量の放射性セシウムを積んだドローンが約二週間、国政の中枢施設に放置された可能性が高まり、警視庁幹部がつぶやいた。他の幹部も「こういう手法は想定しなかった」と口々に悔やんだ。 警視庁の官邸警備隊は外周を担当。バリケードを設けるなどして二十四時間、厳戒態勢を敷いている。一方、地上五階建ての建物内の警備は官邸職員が担う。入り口では警備員が金属探知機などで入館者のボディーチェックをするが、ヘリポートを兼ねる屋上には防犯カメラもなく、巡回の対象になっていなかった。 このため、発見されたドローンがいつ飛んできたのかは、写真や映像でさかのぼるしかなかった。麹町署捜査本部は、屋上が十五日に撮影された写真を入手し、ドローンのような物体があるのを確認したが、山本容疑者の供述では、さらに六日前に飛来したことになる。 元内閣安全保障室長の佐々淳行(さっさあつゆき)さんは「まさに警備の意表を突かれた。化学・生物兵器だったら大変なことになった。教訓にすべきだ」と話す。事件後、官邸警備隊員は地上から上空を目視で警戒し、警察官が官邸屋上を巡回するようになった。 佐々さんは「重要施設周辺では電波を遮断し、ドローンを飛ばせないようにする措置が早急に必要だ」と強調した。 PR情報
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