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【統一地方選】
橋下氏ら「都構想拡大」思惑外れる 周辺市長選で大阪維新系落選
統一地方選後半戦で維新の党傘下の政治団体「大阪維新の会」は、大阪府内の4市長選で現職や新人を推薦したが、自民党などとの対決型となった3市長選をいずれも落とした。代表の橋下徹大阪市長らは大阪市を廃止し特別区を新設する「大阪都構想」に周辺市を巻き込み特別区域を広げたい意向で、首長とのパイプを確保しておきたいとの思惑もあったが、空振りに終わった形だ。
大阪市と隣接する堺市など府内10市は、5月17日の住民投票で大阪市から5特別区への制度移行が決まれば、議会承認などを経て新たな特別区となることが可能だ。大阪維新が市長選候補を推薦した4市のうち吹田、八尾の2市が該当する。
大阪市と10市を合わせれば東京23区の面積とほぼ同等で、大阪維新はこのエリアを「グレーター大阪」と呼び、将来的に「特別区への仲間入り」(幹事長の松井一郎府知事)を促したい考えだ。
ただ都構想に加わるかどうかが争点となった2013年の堺市長選は、加入反対を掲げた現職が大阪維新候補を破った。
松井氏はこうした経緯から今回の各市長選で都構想を争点とすることには「一気に飛躍しすぎ。まずは大阪市だ」として慎重姿勢を示していた。