【鳥栖】経営赤字&首位浮上逃す二重の苦難
2015年4月26日6時0分 スポーツ報知
◆J1第1ステージ第7節 鳥栖1―1柏(25日・ベストアメニティスタジアム)
経営が“火の車”の鳥栖が、首位浮上のチャンスも逃す二重の苦難に見舞われた。試合前は勝ち点14の浦和と同差2の3位。勝てば昨年8月11日の広島戦以来となるJ1トップの可能性もあったが、幻に終わった。シュート数では14対4と圧倒しながらの引き分けに、森下仁志監督(42)も「正直勝ちたかった」と悔しさを募らせた。
クラブ側は試合前、第11期(2014年3月~15年2月)の収支決算で約3億6000万円の純損失を計上して2期連続赤字になったことを発表。15年シーズンのクラブライセンス発行条件である5億7000万円の債務超過は昨年7月と今年1月の増資で解消し債務はないが現状は変わらずピンチのままだ。
赤字の原因は選手の年俸高騰や背中スポンサーの売上債権回収不能が発生したため。竹原稔社長(54)は「チームと一緒に頑張るだけ」と話した。チームの起死回生へ、後半36分に頭で同点ゴールを決めた主砲の元日本代表FWの豊田は悲壮な決意。「(次は)勝つゴールを決めたい」。3戦連続の今季5得点目をV字回復の起爆剤にすることを誓った。(網野 大一郎)