ユワイアと俺

 

 湯WIRE15-春- 

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 くつろぎに行くのにがんばって朝早起きなんてばかげている。私はみやびやかに10時に起き、12時に出かけ、新宿で少し迷って綱島に着いたのは2時半過ぎであった。

 宴会に途中から加わるのは実際あまりいいものではない。酔っぱらいはそこここに転がり、すべてのテーブルは酒瓶とつまみと食器類で埋め尽くされていて、部屋に一歩足を踏み入れるのを躊躇させる。参加者が会を追うごとに増えているのは明らかだが、東京園にここより広い宴会場はない。

 あったとしても、もう利用する機会はない。東京園は地下鉄工事のために一旦閉園となるのだという。とてもかなしい知らせだった。わずかな利便性のために歴史ある温泉場をつぶして家族連れと年寄りとコミュニケーションに飢えたオタク達の憩いの場をなくしてしまうことにどれほどの価値があるものだろうか。あの爺様たちはこれから一人で自宅の無色透明な風呂に入るんだろうか。

 

 音楽について、私は相変わらずただ聴いているだけで詳しいことは何もわからない。伴奏の映像は突飛で面白くて見飽きない。ただDJ陣は皆楽しそうだということだけが感じられた。とても大事なことだ。ノートPCに湯WIREのロゴマークシールが貼ってある。私はあれがほしかったんだ。来場者に配られたもののはずだが、もらっていない。たぶん先着順だったとして、午前中にはなくなっていたんだろう。予測していたことだ。でもシールを貰うために朝早くから来るべきだったろうか。そうは思わない。それはなんだかユワイアのリラクゼーション・アトモスフィアの精神に反するように思われた。湯WIREのロゴマークシールの横には、NoNoWIREのシールだ。私は自分の不手際で入手しそこねたノノワイアオンフロアTシャツのことを思った。春香の横目顔から始まってこんなことになるなんて、不思議な話だ。フロアならぬ風呂屋は暖かく、終始快適だった。

 

 ユワイアの次回開催は未定だという。しかたがない。東京園あってのユワイアであったのは間違いない。このままなくなっても、それでもいいかもしれない。都会の蜃気楼めいた伝説の催しとして語り継がれるのもひとつ価値のあることのように思う。「まあなに、また次回もありますよ」酔いの回った私にlimelightPがそう言った。聞き違いだったかもしれない。そうですね、と私はあいまいに応えた。

 

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