■江別市 32年ぶり三つどもえ、現職に2新人挑む
三好 昇 66 無現《2》
鈴木 誠 61 無新
岡 英彦 42 無新
3選を目指す現職の三好氏に、前市企画政策部長の鈴木氏、市議の岡氏の新人が2人挑む。前回まで2回連続無投票だったが、12年ぶりの選挙戦となる見通しだ。三つどもえの選挙戦は32年ぶりとなる。
元石狩支庁(現振興局)長の三好氏は、市立病院の再建など精通する保健医療分野での実績や、地元企業の成長を柱にした経済活性化への取り組みの成果を強調している。昨年度からスタートした市の新総合計画を軌道に乗せるため、市政運営の継続を訴える。
保守系市議らを中心に支持層を固めながらも、政党色は前面に出さず、幅広い層への浸透を図る戦略。政策効果を説明する懇談会をこまめに開き、企業回りにも力を入れる。
鈴木氏は昨年11月、三好氏への対抗馬の動きがなく、3回連続無投票となることを疑問視し、出馬を表明。子育て支援の充実や除排雪の改善、市民との対話促進などを掲げ、現職への批判票の取り込みを狙う。
新総合計画の策定にも関わるなど、35年間に及ぶ行政経験を強調。江別で生まれ育った地域に根差したリーダーを目指すと訴える。市職員労組委員長を務めたこともあるが、民主党や連合は表だった支援はせず自主投票となる見通しだ。
市議2期目の岡氏も江別市出身で、40代の若さと世代交代をアピールしている。昨年8月まで全国若手市議会議員の会会長を務めた経験で培った独自の人脈を活用し、若い世代や子育て世代への浸透を図る。
人口減少問題への対応を主要課題に位置付け、子どもの医療費助成の拡大などを掲げる。前回の市議選ではトップ当選しており、市政報告会や街頭活動に加え、インターネットも積極的に活用しながら、無党派層の支持拡大に努める。
■小樽市 現・新、前哨戦激しく
中松 義治 68 無現《1》[自][民][公]
森井 秀明 42 無新
再選を目指す中松氏と、市長選に3回連続の挑戦となる元市議の森井氏が激しい前哨戦を繰り広げている。
中松氏は人口減少対策を最重要課題とするほか、観光客を年間1千万人に引き上げることや市民プール整備などを掲げた。誘致に積極的だった、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)は再選しても任期中は誘致活動をしないと明言。市議会の自民党、公明党、民主党の各会派と小樽商工会議所、連合小樽の主要5団体が支持拡大を図る。
森井氏は前回、中松氏に3118票差まで迫った。その市長選での中松氏の後援会のパーティー券販売をめぐる政治資金規正法違反事件と、その素地とされた主要5団体の相乗り体制を批判。カジノ誘致反対や小学生までの医療費無料化、除雪態勢の強化、北海道電力泊原発の再稼働反対などを掲げ、無党派層への浸透に力を入れる。
■室蘭市 現・新の一騎打ち
青山 剛 37 無現《1》
大西 武俊 46 無新
再選を目指す青山氏に、新人の大西氏が挑む。
青山氏は前回に続き日本商工連盟室蘭地区連盟と連合室蘭の推薦を受けた。3月には「4年間で300人の雇用創出」など数値目標を盛り込んだ公約を発表。公務の合間を縫って、企業の朝礼や商店街へのあいさつ回りを積極的に行っている。今月15日の決起集会には支持者700人が集結。「4年間の実績と確かな戦略で、誇れる室蘭をつくりたい」と決意を述べた。
元スーパー店長の大西氏は政党や組織に頼らず、草の根の支持拡大を目指す。個人、企業へのあいさつ回りに加え、住民との懇談会を50回以上開催。知名度向上に全力を注ぐ。2月に発表した公約では、医療費助成の拡充や観光振興などを柱に据えた。今月14日に行われた立候補予定者の公開討論会で「室蘭市政に一石を投じたい。開かれた市役所をつくる」と訴えた。
■芦別市 市議出馬、選挙戦に
清沢 茂宏 52 無現《1》
今野 宏 67 無新
無風とみられていたが、市議の今野氏が「市民に選択肢を与えたい」と3月下旬に出馬表明し、現職の清沢氏に挑む構図が固まった。
三つどもえとなった前回市長選で清沢氏に敗れた候補の支援者らが今野氏を勝手連的に支持。今野氏は「市政の流れを変えなければ芦別は駄目になる」と現職への批判票取り込みを狙う。
清沢氏は、日本商工連盟芦別地区連盟会長を後援会に迎え入れるなど支持基盤固めを進める。給付型奨学金の創設や新規就農支援を掲げ「正々堂々と政策をぶつけ合いたい」と意気込む。
■空知管内雨竜町 多選への評価焦点
藤本 悟 64 無現《4》
西野 尚志 54 無新
5選を目指す藤本氏と、前町住民課長の西野氏の一騎打ち。西野氏は同世代の農業者らの支持を受け「対話重視のマチづくり」を掲げて世代交代を迫る。
藤本氏は商業者などの支持基盤固めを進め、子育て支援を公約の柱にすえる。役場庁舎建て替えをめぐる対立点はあるが、農業振興策などで両者に大きな違いはなく、藤本氏の多選への評価が焦点になりそうだ。
■檜山管内今金町 4選狙う現職、前町議と対決
外崎 秀人 65 無現《3》
村本 照光 65 無新
4選を目指す現職の外崎氏は、商工・建設業界を中心にした組織的な運動を展開。4期目を「町政の総仕上げ」と訴え、支持拡大を図る。前町議の村本氏は農業振興を政策の柱に、若手農家らに浸透。「町民とともに歩む町政」をスローガンに、現職への批判票取り込みも図る。