統一地方選後半戦の街頭運動最終日となった25日、函館市長選や室蘭市長選など、道内主要都市の激戦区では各候補者が終日まちを駆け回った。それぞれが掲げる公約を強調するなど「最後の訴え」に声をからした。

 函館市長選では、電源開発大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟の是非を争点に、元衆院議員秘書の新人が再選を目指す現職に挑んだ。最終日は両候補とも市内を選挙カーで回った後、事務所前での演説で選挙戦を締めくくった。

 国との意思疎通が悪くなっているとして訴訟によらない解決を訴えた新人の広田知朗氏(54)は「いろいろな方が家や工場の中から飛び出してきて、握手を求められた」と強調し、「恥ずかしくない結果が出ると確信している」と勝利を誓った。

 選挙戦を通じ訴訟の意義を強調し「大間原発凍結は市民の総意だ」と訴えた現職の工藤寿樹氏(65)は、最後の演説で「市民の声を聞き、初心に帰ってまちづくりに励む決意を固めるための選挙戦だった」と振り返り、再選に自信をのぞかせた。

 室蘭市長選は、共に無所属の新人と現職による一騎打ちになった。

 スーパー元店長の大西武俊氏(46)は「必勝」の鉢巻き姿で最後の遊説。JR東室蘭駅の周辺で、市民一人一人と握手して回った。演説では「人生最大の決断をしてスーパーを辞めた。室蘭を変えるのは今しかない」と強調。観光振興や子育て支援の強化などの政策を訴え、支持を求めた。

 「誇れる室蘭」を掲げる現職の青山剛氏(37)は市内10カ所以上で演説。若さと実績をアピール、「将来に責任のあるまちづくりを進めたい」と訴えた。今季の営業開始でにぎわう市立室蘭水族館の近辺では「子供の好奇心を育むことが大切。子育て支援にしっかり取り組む」と力を込めた。

 小樽市長選はいずれも無所属の現職、新人の計3氏による争いとなった。

 3度目の挑戦となった元市議の新人森井秀明氏(42)は中心街を練り歩き、世代交代を呼び掛けた。夜は総決起大会で現職の相乗り体制を批判。「しがらみを断ち切り、小樽の再生に向けて頑張る」と訴えた。

 再選を目指す現職の中松義治氏(68)は市内全域を遊説した後、商店街で支持者に最後の街頭演説を行った。「人口減少対策などやり残したことに全力を尽くさせてほしい」と声を張り上げた。

 元市議の新人吹田友三郎氏(65)は自家用車で市内を回り、1人でマイクを握る独自の選挙運動を貫き「今度は行政の立場から問題に取り組み、人口減少や経済の縮小を食い止めたい」と支持を訴えた。