欧州中銀:量的緩和1カ月、国債購入6.8兆円

毎日新聞 2015年04月08日 09時59分

 【ロンドン坂井隆之】欧州中央銀行(ECB)は7日、3月9日に開始した量的緩和政策の最初の1カ月の実施状況を発表した。ECBが今月3日までに金融市場から買い取ったユーロ圏諸国の国債の金額は525億2200万ユーロ(約6兆8280億円)で、計画通りの滑り出しとなった。ECBは政策効果に自信を示しており、引き続き同じペースでの資産購入を実施する方針だ。

 ECBは、経済活動が停滞して物価が継続的に下落する「デフレ不況」を回避するため、国債などの金融資産を毎月600億ユーロ買い取って大量のお金を金融市場に流し込む量的緩和政策を1月に決定。購入資産の大半は国債が占めると説明していた。

 国債購入額は各国のECBへの出資比率に応じて決められており、ドイツが111億ユーロと最も多く、フランス、イタリアが続いた。債務危機で欧州連合などの金融支援を受けているギリシャとキプロスの国債は購入しなかった。ロイター通信によると、民間金融資産を含む全体の購入総額は約610億ユーロで、目標額を上回った。

最新写真特集