スポーツのしおり
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【国際】「ベトナム戦争で兵士、性暴力」 韓国紙初 証言掲載
【ソウル=島崎諭生】韓国の革新系紙・ハンギョレ新聞は二十五日付朝刊で、ベトナム戦争(一九六〇〜七五年)時に韓国兵が現地の女性たちに行ったとされる性暴力について、被害者の証言などを三ページにわたって特集した。韓国紙による被害者の証言掲載は、初めてとしている。 記事は、旧日本軍による従軍慰安婦問題の解決を訴えている韓国挺身隊問題対策協議会が、三月にベトナムで行った調査結果を引用している。 日本政府に元慰安婦への賠償や謝罪を求める中で「韓国政府も、ベトナム戦争時の韓国兵による性暴力について、被害や賠償をするべきだ」との指摘が出て、韓国挺身隊問題対策協議会が二〇一二年から調査を進めていた。 特集紙面では、ベトナム中部のビンディン省に住む六十〜八十代の女性被害者八人が証言。一人ずつ塹壕(ざんごう)に連れて行かれ、性暴力や拷問を受けたなどとしている。韓国政府に謝罪や補償を求める女性もいたという。 ベトナム政府はこれまで公式には韓国政府に謝罪や補償を求めていないが、ハンギョレの記事は、ベトナム政府がいずれ韓国に法的責任や賠償を求める時が来ると分析。「加害(責任)を否定して、われわれの失敗を美化しねじ曲げることは、被害者に対する別の加害になることを、旧日本軍の従軍慰安婦問題から十分に学んだ。韓国社会は、日本とは違う成熟した姿勢で傷を癒やし、加害責任を履行しなければならない」と訴えた。 記事はさらに、ベトナム戦争時にベトナム南部サイゴン(現ホーチミン市)に韓国軍専用の慰安所があったことを示す公文書が米国で見つかった、と日本で報道されたことも紹介。「(慰安婦問題を抱える日本が報道するのは)不届きだが、反ばくするのは難しい」と指摘し、「韓国政府は、運用や管理に韓国軍がどれほど関わっていたか、調査し対策を講じなければならない」としている。 戦時の性犯罪対策の一つして慰安所が設けられた経緯があり、韓国では最近、戦場での性暴力とは法的に異なる従軍慰安婦問題について「日本軍の特異な性犯罪としてではなく、女性への性暴力という世界に共通する人権侵害の視点でとらえるべきだ」との主張が出てきている。論調の微妙な変化も今回の調査・報道の背景にある。 ハンギョレ新聞社発行の週刊誌「ハンギョレ21」は一九九九年に、韓国兵によるベトナムでの住民虐殺事件を取り上げ、本社が退役軍人らによる襲撃を受けている。 PR情報
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