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Remember11に真相はあっても正答はないということを承知の上で以下を記す。
この駄文に書かれている推論や結論などは個人的趣味の範疇での戯言です。
事実は推論の材料としているために主題によっては重複しているものもあります。
機会があればPSP版もプレイしたいです。
忙しい人は、「主題」と「結論」の部分だけに、目を通せばいいのではないかと思います。
この駄文を作成するにあたって「infinity/integral Wiki」さんを参考にさせて頂きました。
本当に有難うございます。
目次
- 1. セルフとは何なのか?
-
事実
- 犬伏の残した言葉を拝借し、『超越的な意志(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名。それは、真に実在した存在だったのか?それが存在することの妥当性と、存在して欲しいと願う強い願望が見せた幻だったのか?やがて悟は、ある計画を立案・遂行することを志す。『セルフ』をこの世界に誘い込む計画、――『ユウキドウ計画』を。 (PSP版 年表)
- 悟は過去に“アイツ”にひどいことをされている。だから呼び出して復讐してやろうと、本作はそういう物語なんです。 (Infinity plus Premium Book)
- 当初は冒頭に、プレイヤーが選んだ選択肢のせいで、悟が妹の沙也香を殺めてしまうシーンを入れようという案がありました。 (Infinity plus Premium Book)
- だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。 (Infinity plus Premium Book)
- そう解釈できるようにはしてあります。“アイツ”=プレイヤーとは限りませんけど、彼らには、僕ら、“上の次元の者”1人1人を判別する手段がないですし。彼らにとっての僕らは、抽象的に言えば神様のようなものです。 (Infinity plus Premium Book)
主題
- セルフとは何なのか?
仮定
- プレイヤーこそがセルフ。
- Remember11の世界における上位世界の存在こそがセルフ。
推論
-
アイツによって操られ、妹の優希堂沙也香を殺めてしまったと優希堂悟自身は思っている。
アイツとセルフは同じものとして考えるが、
そうすると、プレイヤー側には実質的な選択肢が出ていないにも関わらず、
悟は沙也香を殺めてしまったということになる。
(選択肢を入れる案もあったようだが)
それらを踏まえると、セルフ=プレイヤーだとする仮定(1)の可能性は考えにくい。
仮定(2)におけるセルフは、Remember11の世界の上位世界に存在するもの全てがセルフである。
つまり、プレイヤーを含め、制作者たるKID、或いは非プレイヤーの存在もセルフである。
そうすれば、沙也香はセルフ=KIDの都合、または意志によって、
殺されたと悟は考えセルフを恨んでいるというように、現実世界の主観から解釈できる。
また、登場人物が「"上の次元の者"一人一人を、判別する手段がない」とも記述されているので、
Remember11の世界にいる悟からすれば、妹を殺めてしまった行為がプレイヤーによるものか、
KIDによるものか、それ以外なのかを判断する手段が無いのであろう。
そもそも、プレイヤーやKIDや非プレイヤーという発想すら、悟たちには無いと思われます。
発想していたとしても、それを証明するのは、まず不可能なことでしょう。
そのために、悟たちはアイツやセルフといった不明確な言葉でしか、表現できないのだろう。
Remember11の世界と現実世界との関係をまとめてみました。
対比させるために、Ever17の世界と現実世界の関係についても触れています。
| Ever17の世界と現実世界の関係 |
| 下位世界 | | 上位世界 |
| Ever17の世界 | ←(下位世界への干渉)― | 【主観(プレイヤー)】 |
| 【主観】 | ―(上位世界への解釈)→ | n+1次元の世界(第三視点) |
| ※下位世界への干渉には、ゲームという媒体とKIDという解釈者が介在します。 |
| Remember11の世界と現実世界の関係 |
| 下位世界 | | 上位世界 |
| Remember11の世界 | ←(下位世界への干渉)― | 【主観(プレイヤー+KID+α)】 |
| 【主観】 | ―(上位世界への解釈)→ | アイツ=セルフ(超越的な意志) |
| ※下位世界への干渉には、ゲームという媒体とKIDという解釈者が介在します。 |
やや分かりづらい関係図だとは思いますが、
重要なのはEver17において、Ever17の世界の解釈者でしかなかったKIDの存在が、
Remember11では解釈者及び、セルフとしてプレイヤーや非プレイヤーと、
平行上に存在しているということです。
結論
-
悟の言うアイツとはセルフであり、
セルフとはRemember11の世界の上位世界に存在するもののことである。
つまり、セルフとはプレイヤーであり、制作者たるKIDでもあり、或いは非プレイヤーでもある。
そのセルフ(KID)の意志によって(悟のいる世界からでは、KIDはセルフとしてしか認識できない)、
妹である沙也香を殺めてしまったという結論に達し、悟はセルフを恨んでいる。
疑問
-
セルフたるプレイヤーが、悟が沙也香を殺めてしまった世界を観測したために、
それは確定したと考えて恨んでいるのかもしれない。
(推論)
沙也香を殺めたことが、セルフの干渉によるものとしか悟には考えられないため同じことである。
- 2. 犬伏景子が阿波墨私立病院無差別殺傷事件に及んだ動機とは何なのか?
-
事実
- 犬伏景子は逮捕される直前に「セルフはどこ?」と呟いている。 (Remember11 本編)
- だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。 (Infinity plus Premium Book)
主題
- 犬伏景子が阿波墨私立病院無差別殺傷事件に及んだ動機とは何なのか?
仮定
- セルフに操られていた。
- セルフを呼び出そうとしていた。
推論
-
犬伏景子も優希堂悟と同じように、自分でも分からないまま、兇行に及んでしまったのだろうか?
つまり、仮定(1)にあるように、セルフによって操られるがまま動いたのか?
(必ずしも、悟がセルフによって操られていたとは限らないですが)
しかし、犬伏と悟には大きな違いがあります。
悟の場合は妹を手にかけた後、苦悩の末にアイツ=セルフの存在を見出していきますが、
犬伏の場合は、犯行以前にセルフの存在を自覚しているようでもあります。
それは、「セルフはどこ?」という言葉からの推論でしかないですが、
この言葉からは、セルフという存在を予め知っていて、
それを探しているというようにも感じ取れます。
つまり、仮定(2)にあるように、犬伏はセルフの存在を自覚した上で、
セルフを呼び出そうとして犯行に及んだのではないかと思いました。
大量殺人という大惨事を引き起こせば、自分の前にセルフが現れてくれるかもしれないと考え、
このような凄惨な事件を起こしたのではないだろうか。
或いは、企業にそう仕向けられて犯行に及んだのかもしれません。
それを裏付けるような情報は、今のところ思い当たりませんが。
結論
-
犬伏が、阿波墨私立病院無差別殺傷事件に及んだ動機は、
大量殺人という大惨事を引き起こせば、上位世界の存在であるセルフが、
自分を見てくれるのではないかと思い至ったためである。
疑問
- 「セルフはどこ?」という言葉が、セルフの存在を予め知っていて、それを探している意味だとは限らない。
- 犬伏が犯行以前にセルフの存在を自覚していたとは限らず、犯行中に自覚したのかもしれない。
- 何故、大量殺人という大惨事を引き起こせば、セルフが現れてくれると思い至ったのかが不明。
- 犬伏は企業と関わっていたのだろうか?
- 3. 意識を残留させる対象はどのように決定されるのか?
-
事実
- 冬川こころと優希堂悟の生年月日は1990年2月22日と同じであるが、血液型は同じではない(冬川こころはB型、優希堂悟はA型)。 (Remember11 本編)
- 涼陰穂鳥と犬伏景子の生年月日と血液型は同じではない(涼陰穂鳥は1991年10月30日でA型、犬伏景子は1991年4月30日でAB型)。 (Remember11 本編)
- 穂樽日が時空間転移されていた期間は、2011年の7月12日~7月18日の間である(内海カーリーは、18日までに穂樽日の地下施設から立ち去っているため、7日目の人格交換は行われない)。 (Remember11 本編)
- 内海カーリーは2011年8月に双子を出産している。 (Remember11 本編)
- だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。 (Infinity plus Premium Book)
- 犬伏景子は逮捕される直前に「セルフはどこ?」と呟いている。 (Remember11 本編)
主題
- 意識を残留させる対象はどのように決定されるのか?
仮定
- 何らかの条件に該当する対象のみ、意識が残留する。
- 意識を残留させる対象は、時空間転移装置によって自由に設定できる。
推論
-
人格交換が行われた冬川こころと優希堂悟の、
生年月日が一致していたことから、最初は仮定(1)のように考えた。
しかし、同じように人格交換が行われている犬伏景子と涼陰穂鳥の生年月日は一致していない。
別の条件に当てはまるのかと、プロフィールを調べてみても分からなかった。
そもそもにして、胎児の二人はまだ生まれていないにも関わらず人格交換が行われているので、
生年月日が人格交換に関係しているという推論は、全くの見当違いであったと考えた。
そうすると、仮定(2)の可能性が浮上してくる。
仮定(2)であれば、人格交換を行う対象に特別な条件は必要無く、
また、人格交換が行われていた者以外の意識が、残留することなく転移していたことにも説明が付く。
こころと榎本(悟)と胎児α及び、穂鳥と犬伏と胎児ωにだけ、
人格交換現象が発生していたのは、
時空間転移装置の設定によって残留する意識は決定されていたからだと思われる。
結論
-
人格交換現象は、特定の条件を持つ者同士にのみ発生するのではなく、
時空間転移装置の設定によって決定される。
疑問
- 意図的に人格交換の対象を設定したとすると、
何故、こころと榎本(悟)と胎児α及び、穂鳥と犬伏と胎児ωだけ人格交換させる必要があったのか?
(推論)
テラバイトディスクに墜落事故の犠牲者救出計画の準備として、
時空間転移装置を、そう設定するよう記されていたのではないかと考えられる。
テラバイトディスクについての推論は、主題(4)を参照してください。
他の推論を考えるとすれば、セルフを呼び寄せるために、
セルフによって操られていた疑いのある人物、
この場合は悟と犬伏を、それぞれ人格交換の対象にする必要があったのではないだろうか。
- 4. テラバイトディスクの出所元と内容はどのようなものだったのか?
-
事実
- 悟 18便墜落事故のニュースを知る。黛の死を確信する悟。悲しみを覚えると同時に、時空間転移を用いて黛を救出できないかと考え始める。また事故の報道は、悟に興味深い『舞台』を連想させるきっかけとなる。オーストラリア行きを急遽中止。だが、まだ装置は未完成であり、この時点では『計画』の実行は不可能。 (PSP版 年表)
- 悟 手がかりを求め、唯一の生存者ゆにと面会。当時のゆには、ほとんど心神喪失状態でロクな話を聞ける状態ではなかったが、重要な物品を所持していた。所持していたのは、1枚のテラバイトディスク。 (PSP版 年表)
- ゆにからディスクを『譲り受けた』悟は、ディスクの解析を行う。一部に暗号化された情報も含まれていたが、悟は解読に成功する。ディスクには実に様々な情報が――『読み手にしか知り得ない情報』や『読み手の知りたい、あらゆる情報』が収録されていた。 (PSP版 年表)
- 悟 テラバイトディスクの情報を元に時空間転移装置を仕上げ、『計画』の大幅修正を行う。実験場は、オーストラリアではなく日本国内の3点間(朱倉岳・青鷺島・穂樽日)に変更。目的は、データの収集だけでなく、黛ら18便墜落事故の犠牲者の救出。それと……『セルフ』をこの時空内に捕らえ、幽閉すること。 (PSP版 年表)
主題
- テラバイトディスクの出所元と内容はどのようなものだったのか?
仮定
- 未来の優希堂悟が持ち込んだものであり、墜落事故の犠牲者救出計画について書かれていた(或いは、ユウキドウ計画についても書かれていたかもしれない)。
- セルフたるKIDが持ち込んだものであり、墜落事故の犠牲者救出計画について書かれていた。
推論
-
テラバイトディスク(以下、ディスク)の情報を元にして、
時空間転移装置(以下、装置)を仕上げたとあるので、
装置が完成した時代(2011年)の技術力よりも優れた時代に、
このディスクは作成されたものだと思われる。
そうすると、装置を自力で完成させた未来の優希堂悟が、
装置を使用して墜落事故の犠牲者救出計画が記されたディスクを、
持ち込んだという可能性が考えられる(或いはユウキドウ計画についても記されていた)。
そして、そのディスクを墜落事故の唯一の生存者であった楠田ゆにに、
託したのではないだろうか、というのが仮定(1)である。
しかし、過去の時代の人間に計画を委ねなくても、
自分の時代で計画を実行した方が確実であろう。
何か、特別な事情があった可能性もあるが、それについての情報は思い当たらなかったので、
次に仮定(2)について考えてみる。
このディスクは、セルフであるKIDからの贈り物だったのではないだろうか?
勿論、冗句ではなく真面目な推論である。
もし、セルフ(KID)の干渉によって悟が妹の優希堂沙也香を殺してしまったのだとしたら、
セルフ(KID)が自ら作成したディスクを、Remember11の世界の人間に、
渡すという干渉も出来るのではないかと思ったのだ。
何故、KIDはそんな干渉をしたのかと言えば、ゲームを作るためであろう。
Remember11というゲームを作るためにKIDは、アーキタイプなどの作品設定をした上で、
今回の物語の脚本とも言えるディスクを、渡したのではないだろうか。
KIDがディスクに書き記した内容は、墜落事故の犠牲者救出計画だったのではないかと思われる。
この通りに、準備して行動すれば、悟が最も救出したい人物である黛鈴が、
ゆにが最も救出したい人物である冬川こころが、救出できると書かれていたとしたらどうだろう。
二人は、ディスクに書かれていた通り、
墜落事故の犠牲者救出計画の準備を進めるのではないかと思う。
それと、ディスクには暗号化された情報もあったそうだが、
この情報は救助される以前のゆに達に知られてしまっては、困るような情報だったのかもしれない。
後に、救助されたゆにが、2011年の悟にディスクを渡して解読されるが、
その時点で初めて知られてもいい情報だったのではないだろうか。
また、ディスクの作成者が、明記されていたのかどうかは分からないが、
悟はセルフによって書かれたものだと、確信していたためユウキドウ計画を立案・遂行したものと思われる。
結論
-
テラバイトディスクはセルフたるKIDが、Remember11の世界に持ち込んだものであり、
時空間転移装置の完成に必要な情報や、墜落事故の犠牲者救出計画などについて書かれていた。
この情報に基づいて悟たちは、準備を行い計画を実行させた。
テラバイトディスクの作成者が明記されていたのかどうかは不明だが、
悟はセルフによって書かれたものだと、確信していたためユウキドウ計画を立案・遂行した。
疑問
-
何故、悟はテラバイトディスクの作成者がセルフであると、ほぼ確信していたのか?
(推論)
テラバイトディスクの作成者が、明記されていなかったとして考えると、
セルフが書いたとしか考えられないような内容だったのではないだろうか。
結論にあるように、テラバイトディスクには、時空間転移装置の完成に必要な情報に始まり、
墜落事故の犠牲者救出計画の詳細が書かれていたとします。
その計画の詳細には、あらゆるパターンを想定した状況が事細かに書かれ、
セルフにしか分かりえないような情報も含まれていたために、
かねてから考えていた存在、
セルフによって書かれたものだと確信したのではないかと考えました。
-
テラバイトディスクがセルフによるものだと、ほぼ確信していたのなら、
元恋人の黛を救出できるとはいえ、セルフを恨んでいる悟が、
従順にテラバイトディスクの内容に沿って行動していたとは思えない。
(推論)
主題(7)を参照してください。
- 5. 優希堂悟の記憶喪失は計画外の出来事だったのか?
-
事実
- 榎本尚哉は、優希堂悟が記憶を失ってしまったことに困惑しており、時計台にのぼらせるべきではなかったと後悔している。 (Remember11 本編)
- 悟が記憶を失ってしまったこと、並びに、双子の胎児の戯れによって不具合が生じていることを苦々しく思ってはいるが、今更中止することもできず、黙って成り行きを見守っている (Remember11 本編)
- 悟が記憶を失うのは、テラバイトディスクに書かれている可能性のひとつでしかなかった。だから怒っているんです。何でよりによって忘れるパターンなんだ、おかげでこっちが苦労するじゃないかと。 (PSP限定版 Premium Book)
- 彼がこれだけ忙しくしているのは、悟が記憶を失ってしまったから。そのせいで、ゆにが物語の進行役をしなくてはならなくなった。 (PSP限定版 Premium Book)
主題
- 優希堂悟の記憶喪失は計画外の出来事だったのか?
仮定
- 計画では想定されていなかった出来事であり、そのために榎本尚哉も困惑している。
- 計画では優希堂悟が記憶喪失になることも、可能性として存在していた。
推論
-
榎本尚哉にとって、優希堂悟が記憶喪失になったことは、計画外の出来事のように見える。
そのため榎本は、この状況を苦々しく思い困惑しているのだと思われた。
そう考えると、仮定(1)が正しいということになる。
だが、悟が記憶を失うのはテラバイトディスクに書かれている、
可能性の一つでしかなかったと記述されている。
つまり、悟が記憶を失うという状況は、
仮定(2)のように、可能性としては存在していたのだと考えられる。
そのことを、楠田ゆにや榎本は分かっていたと考えられるが、
二人の態度から察するに、悟が記憶を失うというパターンは、
出来れば実現して欲しくなかったようだ。
また、悟の記憶が失われず、悟自身が物語の進行役になるようなパターンも、
書かれていたことが示唆されている。
結論
-
テラバイトディスクには、悟の記憶が失われることも、可能性の一つとして書かれていた。
よって、悟の記憶が失われることは計画の想定内の出来事であったが、
ゆにや榎本の態度から察するに、出来れば実現して欲しくないパターンだった。
疑問
-
榎本にとって、悟が記憶を失うパターンが実現して欲しくなかった理由とは何だろうか?
(推論)
テラバイトディスクに書かれていた他のパターンと比べて、
より榎本に負担のかかる、パターンだったのではないだろうか。
今回の計画の一つとして、ユウキドウ計画がある。
名前からして、悟がユウキドウ計画の中心的人物であったと思われるが、
その悟が記憶喪失に陥ったことは、ユウキドウ計画を遂行していた榎本にとって、
負担になったのではないかと考えられる。
- 6. 優希堂悟と榎本尚哉はなぜ人格交換していたのか?
-
事実
- 2011年7月18日の時点では黒いスーツを着た人物が優希堂悟であり、茶色のカットソーを着た人物が榎本尚哉であった。 (Remember11 本編)
- エンディングにおいて、優希堂悟は黛鈴から「私の知っている……優希堂悟じゃないわ……」と否定される。 (Remember11 本編)
- 悟 テラバイトディスクの情報を元に時空間転移装置を仕上げ、『計画』の大幅修正を行う。実験場は、オーストラリアではなく日本国内の3点間(朱倉岳・青鷺島・穂樽日)に変更。目的は、データの収集だけでなく、黛ら18便墜落事故の犠牲者の救出。それと……『セルフ』をこの時空内に捕らえ、幽閉すること。 (PSP版 年表)
- 悟は過去に“アイツ”にひどいことをされている。だから呼び出して復讐してやろうと、本作はそういう物語なんです。 (Infinity plus Premium Book)
- だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。 (Infinity plus Premium Book)
- 本作のストーリーは、キャラクターたちによる“終わりのない復讐の物語”です。 (Infinity plus Premium Book)
- 悟が記憶を失うのは、テラバイトディスクに書かれている可能性のひとつでしかなかった。だから怒っているんです。何でよりによって忘れるパターンなんだ、おかげでこっちが苦労するじゃないかと。 (PSP限定版 Premium Book)
主題
- 優希堂悟と榎本尚哉はなぜ人格交換していたのか?
仮定
- 墜落事故の犠牲者救出計画の準備として必要だったため。
- セルフをRemember11の世界に幽閉する、ユウキドウ計画の準備として必要だったため。
推論
-
「ユウキドウ計画失敗エンド」における第三地点での会話などから、
本来は優希堂悟(優希堂悟)と榎本尚哉(榎本尚哉)であったのが、
2011年7月18日以降に人格交換を行い、榎本(悟)と悟(榎本)になったようである。
この人格交換が、テラバイトディスクの中で必要な準備として記述されていたのだとすれば、
仮定(1)が正しいように思えるが、この人格交換が、実質どのような影響をもたらしたのかを考えてみた。
思い当たったのは、エンディングにおいて、
黛鈴から「私の知っている……優希堂悟じゃないわ……」と否定されたことである。
とすると、二人の人格交換はエンディングにおいて黛から、
上記の一言を引き出すことが目的だったのだろうか?
黛の否定の言葉によって、Remember11はフィナーレを迎える。
その後、追い討ちをかけるように「物語はまだ終わっていない」といった英文までが表示され、
この幕切れに、自分を含め、困惑したプレイヤーは多かったことと思われる。
主題(4)の結論を踏まえた上での推論であるが、
果たして、これは墜落事故の犠牲者救出計画のフィナーレとして、
KIDが用意した結末だったのだろうか?
確かに、謎を最後まで説明しないまま幕を下ろし、
謎の解明をプレイヤーから引き出そうとした可能性もある。
しかし、もう一つの可能性として、この幕切れこそが悟のセルフに対する復讐であり、
仮定(2)に挙げたユウキドウ計画の成果ではないかとも考えられる。
セルフに対して強い復讐心を抱いていた悟が、
今回の計画においてセルフに何もしていないというのは、考えづらいことです。
記憶を失ったことによって、復讐の計画を失念してしまった可能性もありますが、
テラバイトディスクには、悟が記憶を失うパターンも書かれていたそうなので、
予め、記憶を失ったとしても計画が実行できるように、準備されていたのではないでしょうか。
もし、人格交換を行わずに、榎本(悟)ではなく悟(悟)であったならば、
黛と悟(悟)は、エンディングで再会を果たし、
日が暮れるまでぐるぐるをしていたかもしれません。
(悟がエンディングまでに、生きていられたらの話ですが)
そして、人格交換を共にした冬川こころと榎本(榎本)の二人は、
めでたく、赤受咸青の関係になっていたかもしれません。
これこそが、KIDの望んだ結末だったのではないでしょうか。
しかし、悟と榎本の人格交換が行われていたために、そうはなりませんでした。
そして、あの謎に満ちたフィナーレを迎え、セルフをRemember11の世界に幽閉することが、
ユウキドウ計画における目的の一つだったのではないかと思います。
また、ユウキドウ計画の全容についての推論は、主題(7)に記述します。
結論
-
悟と榎本の人格交換の目的は、エンディングにおいて、
黛から貴方は優希堂悟ではないという言葉を引き出し、謎に満ちたフィナーレとすることで、
セルフをRemember11の世界に幽閉させるためである。
それが、悟のセルフに対する復讐であり、ユウキドウ計画の目的の一つである。
疑問
- 7. ユウキドウ計画とは何だったのか?
-
事実
- ダビデは琴を弾いていた……サウルの手には槍があった……サウルは槍を投げつけて……わたしはダビデを壁にでも…… (Remember11 本編)
- 俺はダビデを突き刺してやる……たとえ再びかわされようと…… (Remember11 本編)
- 優希堂悟が第三地点で殺されるバッドエンドのタイトルは「ユウキドウ計画失敗エンド」であった。 (Remember11 本編)
- それは『彼ら』の企てた計画を最終形に導くための行為。それは『彼ら』が求めた真実へと導く、最後の一手。それは『彼ら』がアイツに出会うために必要な、最終の手段。それが行われたとき――世界は大変貌を遂げる。 (Remember11 本編)
- それが行われたとき――仮初めの世界――『Imaginary』は失われ……世界の架橋――『Symbolic』を経て……真理の世界――『Real』は姿を現す。『第3の眼』の開眼とともに――――。 (Remember11 本編)
- 犬伏の残した言葉を拝借し、『超越的な意志(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名。それは、真に実在した存在だったのか?それが存在することの妥当性と、存在して欲しいと願う強い願望が見せた幻だったのか?やがて悟は、ある計画を立案・遂行することを志す。『セルフ』をこの世界に誘い込む計画、――『ユウキドウ計画』を。 (PSP版 年表)
- 悟 18便墜落事故のニュースを知る。黛の死を確信する悟。悲しみを覚えると同時に、時空間転移を用いて黛を救出できないかと考え始める。また事故の報道は、悟に興味深い『舞台』を連想させるきっかけとなる。オーストラリア行きを急遽中止。だが、まだ装置は未完成であり、この時点では『計画』の実行は不可能。 (PSP版 年表)
- 悟 テラバイトディスクの情報を元に時空間転移装置を仕上げ、『計画』の大幅修正を行う。実験場は、オーストラリアではなく日本国内の3点間(朱倉岳・青鷺島・穂樽日)に変更。目的は、データの収集だけでなく、黛ら18便墜落事故の犠牲者の救出。それと……『セルフ』をこの時空内に捕らえ、幽閉すること。 (PSP版 年表)
- 悟は過去に“アイツ”にひどいことをされている。だから呼び出して復讐してやろうと、本作はそういう物語なんです。 (Infinity plus Premium Book)
- だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。 (Infinity plus Premium Book)
- 本作のストーリーは、キャラクターたちによる“終わりのない復讐の物語”です。 (Infinity plus Premium Book)
- プレイヤーがキャラクターたちの敵になると面白いかなと。プレイヤーって、ゲームのキャラクターたちにとって必ずしも“いい存在”ではないんです。プレイヤーの選択次第で、彼らに悲劇が訪れることもありますし。だから、ひょっとして彼らはプレイヤーを恨んでいる場合だってあるのではないか?その気持ちを物語に落とし込めば、これは新しい。 (Infinity plus Premium Book)
主題
- ユウキドウ計画とは何だったのか?
仮定
- 時空間転移装置によって、優希堂沙也香を殺めてしまった歴史を変える計画。
- セルフへの復讐を果たし、『第3の眼』を開眼することによって優希堂沙也香を救出する計画。
推論
-
まず、ユウキドウ計画とは優希堂悟が、
妹の優希堂沙也香を殺めてしまったことを発端としているので、
墜落事故の犠牲者救出計画(以下、救出計画)とは異なる計画であることが窺えます。
仮定(1)では、時空間転移装置(以下、装置)によって、
沙也香を殺めてしまった歴史を変える計画が、ユウキドウ計画ではないかと挙げています。
前述したように、沙也香の死がユウキドウ計画の発端となっていることから、
沙也香を殺めてしまったという歴史の変更を目的としている可能性は、十分にあると思うからです。
しかし、沙也香を救出してしまうと歴史は大きく変わってしまいます。
悟は沙也香を殺してしまったがためにアイツを恨み、
ユウキドウ計画を立案し、遂には装置を完成させます。
そのため、装置を使って沙也香を救出してしまうと、
未来において、悟が装置を完成させるという事実が存在していない可能性が高く、
時間背理が発生するのではないでしょうか。
このような理由から、装置を使用したとしても、
沙也香を救出することは出来ないものと思われます。
次に仮定(2)を考えてみます。
やはり、沙也香の死が発端となっていることなどから、
ユウキドウ計画の最終目的は、沙也香を殺めてしまった歴史の変更だと考えられます。
また、ユウキドウ計画とは、敵であるセルフをこの世界に誘い込み、
捕らえ、幽閉するための復讐計画とも書かれていました。
このことから、仮定(2)におけるセルフへの復讐とは、
主題(6)の結論にあったように、悟と榎本の人格交換によって、
謎に満ちたフィナーレを迎えることにより、セルフをRemember11の世界に幽閉することが、
ユウキドウ計画の目的であったと考えられます。
また、セルフであるKIDの望んだ結末とは、異なるものだったとも思います。
そもそも、主題(4)の結論にあったように、テラバイトディスク(以下、ディスク)がKIDによって持ち込まれ、
かつ、ディスクの作成者がセルフだと、悟が気が付いているとすれば、
元恋人である黛鈴を救出したいとはいえ、敵であるセルフの指示通り、素直に行動するとは思えません。
そこで、かねてから考えていたセルフへの復讐計画であるユウキドウ計画を、
救出計画と同時に進行させるよう、ユウキドウ計画の大幅修正を行ったのではないでしょうか。
そうすれば、黛を救出できると同時に、
セルフに対して復讐が出来ると、悟は考えていたのではないかと思われます。
『Imaginary』は失われ、『Symbolic』を経て、『Real』は姿を現すという記述もありました。
『Imaginary』とは「それは、真に実在した存在だったのか?」、
「それが存在することの妥当性と、存在して欲しいと願う強い願望が見せた幻だったのか?」と、
想像するだけだったセルフの存在のことを、意味していると思われます。
『Symbolic』とは、本編中のシーンタイトルにあったように、
論理的な推論と実証を意味しているのだとすれば、
ユウキドウ計画の立案と遂行を意味していると考えられます。
そして、『Real』は『第3の眼』の開眼とともに姿を現すとあります。
『第3の眼』とは、Ever17でいうところの、n+1次元高い存在のことでしょう。
その存在の認識、若しくは能力を得て、真理の世界『Real』が現れるという意味であると思いました。
何故、『第3の眼』が開眼するのかを考えると、
セルフというn+1次元高い存在を、Remember11の世界内に幽閉することで、
悟はセルフの認識や能力を得られると思っていたのではないでしょうか。
つまり、こちら側の視点から解釈すれば、
悟はKIDのようにRemember11の世界を自由にできると、考えていたのかもしれません。
この認識や能力を得て、沙也香を救出することが、ユウキドウ計画の最終目的であったと思います。
また、セルフを幽閉し続けることで、沙也香を殺めてしまった時の様な、
セルフの干渉による過ちは二度と起こらないだろうと、そこまで考えていたかもしれません。
そのように推論を進めていくと、「ユウキドウ計画失敗エンド」の意味について、
新しい発見をすることになります。
最初、このタイトルの意味は悟が第三地点で殺されてしまったため、
悟の元いた世界のユウキドウ計画が、失敗したという意味だけかと思っていました。
しかし、ここまでの推論から考えるとユウキドウ計画とは、
簡単に言えば、悟と榎本が人格交換することによって、セルフを幽閉するといった計画のことです。
そうすると、二人の人格交換がセルフに知られてしまったことは、
計画の失敗を意味するのではないかと思いました。
もし、「ユウキドウ計画失敗エンド」がなければ、
二人が人格交換していたことを、知るのは容易ではなかったでしょう。
つまり、悟が殺されたことによる失敗も含め、悟と榎本が人格交換しているのを、
セルフに知られてしまったことが、ユウキドウ計画の失敗ではないかと思いました。
結論
-
ユウキドウ計画とは、敵であるセルフをこの世界に誘い込み、捕らえ、幽閉する復讐計画である。
また、ユウキドウ計画の最終目的は、沙也香を殺めてしまった歴史の変更である。
悟と榎本の人格交換はユウキドウ計画の予定に従って行われ、
セルフであるKIDが望んだ結末とは異なる、謎に満ちたフィナーレを迎えることとなった。
そして、悟はセルフを幽閉することにより、第三視点の認識と能力を得て、
妹の沙也香を殺めてしまった歴史を変えようとしていた。
しかし、「ユウキドウ計画失敗エンド」によって、悟と榎本の人格交換が明らかとなり、計画は失敗した。
疑問
-
「俺はダビデを突き刺してやる……たとえ再びかわされようと……」と悟は呟いているが、
再びと言うことは、以前にダビデを突き刺そうとしたことがあるということか?
(推論)
推論でしかないが、沙也香を殺めてしまう以前のことか、
犬伏が阿波墨私立病院無差別殺傷事件を起こした時ではないかと思われる。
若しくは、旧約聖書においてサウルが、ダビデの命を狙っていたことを言っているのかもしれない。
- あとがき
-
推論に盛り込まなかったことなどをつらつらと。
ダビデの星こと六芒星についても考えてみました。
六芒星は、二つの三角形が重なった形になっています。
この形は、冬川こころと優希堂悟と胎児αで一つの三角形、
涼陰穂鳥と犬伏景子と胎児ωで一つの三角形と見立て、
それを重ねて出来た形を表現しているのかと思いました。
しかし、ユウキドウ計画ではこれを、
「自分に向けて放たれた悪魔を無限ループに封印する」ため、五芒星にする必要がありました。
それが、悟と榎本尚哉の人格交換であったと、(今のところは)考えています。
エノモト計画も存在していたのではないかと、ふと思いました。
HAL18便の墜落事故は、榎本や企業が暗躍していたのではないかと、時々考えます。
あれほど、興味深い舞台が用意できたのは、あの墜落事故が発端ですし、
榎本は腹に一物を抱えているように見えました。
セルフがやったという可能性もありますが。
Remember11における無限ループからの脱出口は、
Remember11の世界の人間である悟と榎本によって塞がれた、というように表現できると思います。
こちら側の視点から解釈すれば、KIDが塞いだことに変わりないのですが。
(加筆 - 2014/06/03)
悟の双子の妹の優希堂沙也香についても、多くの謎が残されています。
(沙也香は、榎本(悟)の妹ではなく、悟(悟)の妹ということになります)
沙也香は、悟の手によって命を失いましたが、
悟自身は、なぜ沙也香を殺めてしまったのかが分かっていません。
悟は、思い悩んだ末、セルフに操られて沙也香を殺めてしまった、という結論に至ります。
そうだとすると、どうしてセルフは沙也香の命を奪う必要があったのだろうか?
(本テキストでは、「何か」や「アイツ」を「セルフ」として捉えています)
考えられるのは、「KIDが、悟の身に危険が及ぶ可能性を排除した」ということです。
物語の冒頭のシーンに、
『「だってわたしは … … ちゃんも――」「殺しちゃうから」』という沙也香の台詞があります。
これを、『「だってわたしはお兄ちゃんも――」「殺しちゃうから」』として解釈すると、
沙也香の存在によって悟の身に危険が及ぶ可能性が出てきます。
悟は、Remember11を作る上で必要不可欠な存在です。
もし、DIDを患っている沙也香に悟が殺されてしまうと、KIDは大いに困ってしまいます。
KIDは、そうなる前に、強引ではありますが悟の手によって、
沙也香の命を奪うことにしたのではないでしょうか。
結果として、悟はユウキドウ計画を立案・遂行することになりますが、
そのような悟の行動はKIDも想定外だったのでしょう。
あるいは、KIDの事情によって沙也香をボツキャラにしたため、
舞台から降りてもらうことにしたという可能性もあるかと思いました。
しかし、沙也香の年齢や誕生日や血液型が、こころや犬伏と似通っているのは、
KIDがミスリードを誘う要素として取り入れたからなのだろうか。
こうして考えてみると、Remember11という作品の背後にあるものは、
特殊な手法で撮影された映画における、役者と監督との関係に例えられることでしょう。
Remember11の世界の人間は全て役者で、Remember11の世界の上位存在(神様)であるKIDが監督です。
監督は、Remember11という作品を世に発表するため、
いつからかは分かりませんが、Remember11の世界の撮影を始めました。
監督は、テラバイトディスクという脚本を役者(楠田ゆに)に渡しました。
Ever17のように感動的な作品にするため、役者に指示を出したのです。
ある日、監督は怒りました。
役者(悟と榎本)が、監督の意に背いた行動をとったからです。
そこで監督は、キツイお仕置きをしました。
役者(悟と榎本)の計略(ユウキドウ計画)によって、
Remember11の結末はめちゃくちゃになってしまいました。
しかし、監督は期日までに作品を完成させなければなりません。
監督が、このRemember11という作品を物語として完成させるためには、
ユウキドウ計画を盛り込むしかありませんでした。
そうして、撮影したフィルムをなんとか形にして発表しましたが、
ユウキドウ計画によってめちゃくちゃになった幕切れに、多くの人々は困惑しました。
このような例えが成立するかと思います。
(また、監督はユウキドウ計画を失敗させるフィルムも、忘れずに盛り込んでおきました)
主題(6)の推論でも少し触れましたが、
KIDが持ち込んだ墜落事故の犠牲者救出計画(以下、救出計画)のフィナーレが、
大団円で終わると仮定して、どのようなものだったのかを考えてみたいと思います。
ユウキドウ計画は実行されることなく、救出計画は実行される。
ユウキドウ計画が実行されないので、悟と榎本の人格交換も行われない。
悟と榎本が争うこともなく、エンディングの時点で二人は生きている。
犬伏の意識は、穂鳥(犬伏)として元の肉体に戻ることなく転移を終え、穂鳥の肉体の中で途絶える。
または、ソフィアのカードリーダーが凍結することもなく、
悟はソフィアの扉を閉めてからサークル外へと出る。
そうして、エンディングにおいても、犬伏をソフィアに軟禁し続け自由な状態にはならない。
このようになれば、こころと榎本(榎本)は赤受咸青の関係。
黛鈴は悟(悟)と再会を果たし、日が暮れるまでぐるぐるをしていたことでしょう。
穂鳥、または、ソフィアに軟禁された犬伏がトラブルを起こすようなこともなく、
Ever17のエンディングのように大団円になったのではないかと想像できます。
しかし、Remember11は、あのようなエンディングを迎えました。
悟と榎本の人格交換によって、黛からは否定され、
犬伏は、世にも恐ろしい微笑を浮かべながら赤子を抱いて、かごめ歌を歌っていました。
この後、犬伏が何をしたのかを主題(2)の結論から考えれば、
赤子を殺してセルフを呼び出したかったのではないかと思います。
Remember11の世界の後日談を知ることは叶いませんが、
悟の計画は悲劇的な最後を迎えたのではないでしょうか。
「ユウキドウ計画失敗エンド」により、結局、セルフを幽閉することは出来ず、
理論上、得られるはずだった第三視点を悟が得ることもなかったことでしょう。
こころと黄泉木聖司と黛の三名が、救出されたことは大きいですが、
榎本は死亡し黛は肉体としての悟と再会することはありません。
そして、榎本が死んでしまったことで、悟の記憶が戻ることは二度と無いか、
多くの時間がかかるものだと思います。
更に、犬伏が赤子を殺してしまうという悲劇が、
あのフィナーレの後に続いていたのかもしれません。
榎本を殺害する直前の悟が、何者かに操られていたかのような描写や、
スフィアの扉のカードリーダーが凍結していたことなどは、
KIDが、神に反抗した報いとばかりに、干渉したとも考えられます。
サウルは神に背いてしまったことで、
神に見捨てられ悲劇的な最期を遂げることになりました。
セルフに反抗した報いとして、悟が前述したような悲劇に直面していたとすれば、
まさに悟はサウルだったのでしょう。
参考文献
- リメンバー11 ―ジ・エイジ・オブ・インフィニティ― パーフェクトガイド(ソフトバンク パブリッシング)
- Remember11 -THE AGE OF INFINITY- ビジュアルファンブック(エンターブレイン)
2009/08/09 - 初稿
2009/08/12 - タイトル名を「Remember11」から「Remember11 点と線」に変更
2009/10/26 - 「6. 優希堂悟と榎本尚哉はなぜ人格交換していたのか?」を修正
2014/01/23 - 「1. セルフとは何なのか?」を一部修正及び、引用元の表記のスタイルを変更
2014/06/03 - タイトル名を「Remember11 点と線」から「Remember11 考察ノート」に変更及び、あとがきに加筆など
2014/06/10 - 「2. 犬伏景子が阿波墨私立病院無差別殺傷事件に及んだ動機とは何なのか?」に事実を追加及び、あとがきを一部修正など
2014/07/05 - タイトル名を「Remember11 考察ノート」から「『Remember11』 考察ノート」に変更
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