さわやか自然百景「小笠原諸島 母島」 2015.04.20


(テーマ音楽)太平洋に浮かぶ小笠原諸島母島。
世界遺産に登録された貴重な自然が残されています。
雲と霧が立ちこめる独特の森。
そこで生き物たちは長い間に独自の進化を遂げてきました。
世界でこの島の周辺にしかいないメグロ。
食べる物を広げ命をつないでいます。
島固有の魚も生き抜いてきました。
絶海の島の森。
母島ならではの生き物の営みを見つめます。
東京都心から南へおよそ1,000キロ。
世界自然遺産小笠原諸島の一つ母島。
大海原に浮かぶ小さな島には外から生き物が入りにくく独特の自然を育んできました。
数千万年前火山活動によって生まれた小笠原諸島。
母島には他の島々より高い400メートル級の山々が連なります。
初夏から冬にかけて山の上に雲がかかった姿が多く見られます。
これには母島の地形が影響しています。
海を渡って来た暖かい風はたっぷりと湿気を含んでいます。
それが切り立った崖に当たると斜面を一気に駆け上ります。
その空気が山の上で冷やされて雲が生まれるのです。
雲は次々に湧き出し森を覆っていきます。
雲に満たされた森。
このような森は「雲霧林」と呼ばれ母島ならではの風景や生き物たちを育んでいます。
霧がコケを潤し続けます。
コケやシダでびっしりと覆われた木の幹。
土の中から水を吸い上げなくても霧の水分が植物を育むのです。
森は湿り気を好むカタツムリの宝庫です。
こちらは…主に地面の近くで落ち葉を食べます。
中にはとても変わった姿のものもいます。
体の割には小さな殻しかありません。
湿気が多いため乾燥から身を守る必要がなくなったと考えられています。
雲霧林でカタツムリはさまざまな形に進化したのです。
木々の姿も独特です。
まるで恐竜時代のような風景。
この背の高い木も実はマルハチというシダ植物です。
葉が落ちたあとの模様が漢字の「八」のように見える事からその名が付きました。
夏になるとかれんな花々が雲霧林を彩ります。
花の大きさは5センチほどです。
母島にしか咲かない貴重な花。
こちらはムニンヒメツバキ。
小笠原の島々でしか見られない花です。
小鳥がやって来ました。
特別天然記念物のメグロ。
世界で母島列島の3つの島にしかいない貴重な鳥です。
大きさは14センチほど。
蜜を吸って花粉まみれです。
意外な場所にも現れます。
それは地面の上。
メグロに近い仲間のメジロには見られない行動です。
捕まえたのはヤモリ。
小さなは虫類もメグロの好物の一つです。
こちらでは木の幹をつついています。
キツツキのように皮をこじあけて…。
幹の中にいた昆虫を捕まえました。
食べ物を巡るライバルのいない母島はメグロの天国。
どこにでも現れあらゆるものを食べて生き抜いてきたのです。
(鳴き声)そのメグロに唯一の敵がいます。
それは同じメグロです。
相手をにらみつけています。
突然飛びかかりました。
小さな島の中で数を増やしてきたメグロ。
食べ物を確保するため縄張りを守る事は生きていく上で欠かせません。
そのため頻繁に縄張り争いが繰り広げられます。
霧に包まれる母島の森。
生き物たちは独特の営みを身につけてきたのです。
春。
母島の近くの海にはクジラが子育てのためにやって来ています。
イルカたちもこの海で子育てをします。
春の海は生き物たちでにぎわいます。
一方湿気が少なく山に雲がかからない日が多くなります。
森は乾燥し生き物たちにとって過酷な季節を迎えています。
いつもは湿っている木の幹も乾いてしまいます。
困っているのはカタツムリ。
木の幹に出来た穴の中でじっとしています。
乾燥から身を守り湿り気が戻るのを待っています。
特にこの春は雨が降らない日が続き川の流れもかれてしまいました。
僅かに残された水たまり。
たくさんのエビ。
ここに避難していました。
魚もいます。
魚では小笠原唯一の固有種です。
川底にいますが…何か食べました。
流れてくる虫などを見つけるとすかさず食いつくヨシノボリ。
狭い場所にたくさん集まるこの時期仲間同士での場所取り争いが激しくなります。
しかもこれから産卵の季節を迎えます。
水の少ない厳しい環境の中ヨシノボリたちは命をつなぐ場所を確保するため必死です。
3月下旬少しずつ気温が上がり始めます。
雲霧林の中で他の植物に先駆けてひっそりと花が咲いていました。
母島のごく限られた場所でしか見る事ができない貴重な花です。
これも花。
雄花にはちょっと変わった仕組みがあります。
小さな袋のようなものがたくさんついている雄花。
しかし雄しべが見当たりません。
突然はじけました。
次々に雄しべが現れます。
花が成熟すると袋の中の雄しべがはじけ花粉が飛び散るのです。
春の強い風。
その力で花粉を運び次の世代へと命をつないでいます。
春の森に仲むつまじいメグロ夫婦の姿がありました。
産卵の時期が近づいています。
木の皮から繊維を引き抜いています。
巣になる材料を集めているのです。
夫婦で力を合わせて丁寧に巣を作っていきます。
もう間もなくこの巣にも新たな命が生まれます。
世界で母島列島だけ。
メグロが受け継いできた命のリレーです。
小笠原諸島母島。
数百万年もの長い間霧の立ちこめる森で育まれた生き物たちの命の営みがありました。
2015/04/20(月) 15:41〜15:55
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「小笠原諸島 母島」[字]

小笠原諸島の母島には、固有種が多く見られる。島の中央に山々が連なるため、普段から雲に包まれ雲霧林ができている。そこで最もよく目にする動物が固有種の鳥メグロだ。

詳細情報
番組内容
小笠原諸島の母島には、固有種が多く見られる。島の中央に山々が連なり、ふだんから雲に包まれ雲霧林ができているためだ。数百万年の間に小笠原の島々は乾燥化し多くの種が絶滅した。そんな中、母島には雲霧林が残され、固有種たちが生き残った。雲霧林で最もよく目にする動物が固有種の鳥メグロ。天敵の少ない島の環境にうまく適応している。林冠でヒヨドリのように花の蜜を吸い、キツツキのように幹を移動して昆虫をとらえる。
出演者
【語り】中村慶子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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