(明日香)「倉田健太29歳」「自分のことを臆病者だという彼が…」
(男性)《何だよ?》
(健太)《順番守ってください》
(明日香)「駅のホームで割り込みをしてきた男を注意してしまったことから全ては始まった」「それ以来彼の家には嫌がらせが続くようになる」「犯人は本当にホームで注意した男なのか?」「それとも家族を狙う他の誰かなのか?」「これは…」
(珪子)《ああー!》
(健太)《何だよ?これ》
(明日香)「ごく平凡な家族とその家族を執拗に追い詰めたストーカーとの…」
(明日香)「戦いの物語」
(木下)ポストに猫とはまたずいぶん悪質ですね。
(太一)ええ。
(珪子)最初は死んでるかと思ったわよね。
(太一)大丈夫だったかな?
(珪子)よかったらどうぞ。
(木下)ああ。
どうも。
(珪子)これコロンビア産の豆なんですけど。
(木下)ああ。
そうですか。
ありがとうございます。
(七菜)ただいま。
(珪子)おかえり。
どうだった?
(七菜)腕にちょっとケガしてるだけだって。
お風呂も入れてもらったから奇麗になったよ。
(珪子)えー?よかったわね。
(木下)この猫ですか?
(七菜)そうなんです。
(珪子)この子こんな柄だったのね。
(太一)アハハ。
おい。
あれ?この猫ゆうべ公園に捨てられてた猫。
(健太)《うわっ。
ああ。
何だ。
親父か》
(太一)なあ?健太。
(健太)ああ。
そうみたいだね。
(七菜)ねえねえ。
この子カワイイからさうちで飼っちゃおうよ。
(珪子)えー?嫌よ。
部屋が毛だらけになるから。
(七菜)いいじゃん。
(珪子)それでなくてもお父さん抜け毛が多いんだからね最近。
(太一)えっ?そうなのか?
(七菜)私もちゃんと掃除手伝うから。
(珪子)えっ?枕とかすごいわよ。
(木下)ちょっと。
ちょっとすいません。
ちょっとよろしいですか?ちょっとよろしいですか?ひとつお聞きしたいんですが。
このような嫌がらせを受けるきっかけについて何か心当たりはありますか?
(木下)いや。
さすがにこれだけ続くと誰かが倉田さんのお宅を狙っているのかもしれないなと思いまして。
あの。
すいません。
これって僕がきっかけかもしれません。
(珪子)どういうこと?健太。
この前駅のホームで順番守らないやつがいたから注意したって言ったろ?
(珪子)うん。
ホントはそいつに家の近くまで追い掛けられたんだ。
(七菜)えー!?いや。
でもさ走りまくって家に着く前にはちゃんとまいたんだよ。
(七菜)ホントに?運動不足でへろへろになって追い付かれたんじゃないの?いや。
逃げ切ったよ。
足はつったけど。
あっ。
あれ。
自転車は?いや。
朝雨が降ってたから。
ああ。
自転車だったらね。
あれ電動だし。
(七菜)電動とか乗ってるから足腰弱って足つるんだよ。
(太一)いや。
もういいから。
でどうなった?で次の日花壇が荒らされてた。
(太一)じゃあそいつが犯人なのか?どうして言わないのよ?だってそのときはまだそいつじゃない可能性だってあったから。
いや。
でも…。
これを見つけて。
(木下)何ですか?この吸い殻は。
昨日の夜家の前にいたやつが残していったんです。
同じたばこをあいつも持ってました。
(珪子)じゃあ家の前にいたのはその人だったの?
(七菜)怖っ。
っていうかしつこっ。
(木下)まあしかし同じ銘柄のたばこを吸っている人がたまたま家の前にいただけかもしれませんしね。
いや。
そうですけど。
傘。
(太一)あの。
ファクスから犯人分かんないですかね?
(木下)ファクス?
(太一)ええ。
あの。
けさ猫を見つけた後に届いたんです。
(木下)これはファクスソフトでパソコンから非通知で送ったようですね。
差出人を特定するのは難しいかもしれません。
(珪子)うん。
(七菜)でも通信記録調べたら分かるんじゃないんですか?
(木下)ああ。
通信会社に個人情報を開示してもらうためには裁判所への申請が必要です。
そこまでやりますか?
(太一)あっ。
そこまで大ごとにするつもりは。
(珪子)そうね。
裁判所となると何かね。
えっ?えっ?でもちょっと怖くない?お母さん昼間一人だしおちおち昼寝もできないわね。
えっ?昼寝してんの?
(珪子)うん。
いや。
サスペンスとか見ながらうつらうつら?
(七菜)それ絶対見てないよね?
(木下)倉田さん。
倉田さん。
倉田さん。
これお預かりしますんで。
後ほど預かり証をお持ちしますんで。
あっ。
それから倉田さんちの周辺は重点的にパトロールを強化します。
では失礼いたします。
(太一)あっ。
どうも。
(一同)ありがとうございました。
(珪子)たびたびすみません。
ホントに。
(太一)あっ。
今日は2つでいいよ。
(珪子)シャケ?
(太一)うん?お母さんに任せるよ。
(珪子)うん。
何かごめん。
俺のせいで。
(珪子)健太が謝ることないわよ。
追い掛けてきたその男が悪いんだから。
やっぱり余計なことには首を突っ込まない方がいいってことだな。
(七菜)でも駅で注意されたぐらいで何度もうちに来て嫌がらせするなんてさ異常だよね?
(太一)うん。
(珪子)よっぽど暇なのかしら?えっ?ニートとか学生とか?いや。
30代後半ぐらいでわりとちゃんとした格好してた。
(珪子)じゃあたまたま家が近かったとか?いや。
そんなことないでしょ。
さすがにもう気が済んだんじゃないか?
(七菜)名無しさんからファクスか。
(珪子)名無しさん?
(七菜)でもよく考えたらわざわざファクス送ってくるなんてふざけてるよね。
(太一)しかしどうやってうちの電話番号分かったんだ?
(七菜)ねえ?そこまで調べるって怖くない?
(珪子)電話帳に載ってるわよ。
(七菜)えっ?
(太一)最近はみんな載せてないんじゃないの?
(珪子)電話会社の人が「どうしますか?」って言うからうちは載せておいてくださいって。
(七菜)えっ?何で?
(珪子)だっていい人そうだったし。
(七菜)うーん。
何?それ。
(珪子)えっ?だって昔はみんな番号載ってたわよね?
(七菜)そんなんだからバレちゃったんだよ。
もう仕方ないよ。
あっ。
い…行かなくちゃ。
(珪子)大丈夫?遅くなっちゃったけど。
(太一)うん。
連絡してあるし。
(珪子)うん。
(太一)あっ。
お母さん。
戸締まりだけはしっかりするんだよ。
(珪子)うん。
(太一)それから何かあったらすぐ警察に電話ね。
(珪子)分かった。
はい。
おかか。
(太一)はいはい。
(珪子)シャケだったっけな?
(太一)うん。
うん。
どっちでもいいよ。
(珪子)いい?
(太一)いってきます。
(珪子)梅も入ってる。
(七菜)いってらっしゃい。
いってらっしゃい。
(珪子)種気を付けて。
今思えばこのとき僕らは目の前で起きていることをもっと深刻に受け止めておくべきだったんだ
そうすればこれから起きる最悪の事態を避けることができたかもしれないのに
あっ。
(真瀬)ホホホ。
これはこれは。
倉田総務部長。
(真瀬)重役出勤ですか?
(太一)いや。
面目ありません。
聞いてますよ。
銀行に戻るかうちに残るかサラリーマン人生を決める大事なときなのにご自宅が嫌がらせを受けてるそうですね?ああ。
あの。
真瀬部長。
どうしてわが家のことを?
(真瀬)フフフ。
色々噂が回ってくるんですよ。
うちは大銀行さんと違って小さな会社ですから。
ハハッ。
くれぐれも気を付けてくださいよ。
(太一)ご心配いただきありがとうございます。
ああっと。
降ります。
ああ。
ごめんごめん。
遅くなりました。
(摂子・若葉)おはようございます。
(太一)おはよう。
(高橋)倉田部長。
もしかしてまた例の嫌がらせですか?
(太一)ああ。
まあね。
(高橋)アハハ。
今度は何されたんですか?
(太一)いや。
それがさ…。
(摂子)あんまり余計なことしゃべらない方がいいですよ。
(摂子)高橋君さっき同期の販促の子に倉田部長のお宅が嫌がらせの被害を受けてることぺらぺらしゃべってましたから。
(高橋)いやその。
世間話でつい。
(高橋)あの。
しゅみません。
(若葉)普通に言え。
(高橋)はい。
(摂子)倉田部長。
ちょっとよろしいですか?
(高橋)えっ?また疑惑の領収書を見つけたんですか?
(摂子)「また」って何?
(高橋)しゅみません。
(高橋・若葉)高橋。
はい。
(太一)まさか真瀬部長のじゃないだろうね?真瀬さんとは円満にやるように社長に言われたばかりだからさ。
(摂子)いいえ。
配送課の平井課長が出してきた領収書です。
(太一)平井さん?彼がどうしたの?接待費って名目で3カ月前から同じ店で毎月8万円分くらいの領収書を出してくるんです。
(太一)別におかしいことじゃないだろう。
同じ店使ったって。
(摂子)はい。
でも配送課の江口君に聞いてみたら平井課長は毎日立ち飲み屋で一杯引っ掛けて帰るのが日課で接待なんて絶対やってないって言うんですよ。
(太一)うん。
まあね配送課自体があんまり接待なんかするような部署じゃないからなぁ。
んで相手は?SDテック。
相模ドリルさんの関連会社でドリルの企画開発をしてるみたいです。
そんなところ何でうちの配送課が接待してるわけ?電話で確認したら確かに平井課長から毎月接待を受けているということでした。
(太一)だったら別に問題ないでしょ。
(摂子)でもお店にも一応確認したんですが平井なんて人は来たことがないって言うんですよ。
(太一)えっ?
(摂子)いつもナカノ電子部品で領収書をもらっていくのは別の人だと。
(太一)うん?あっ。
真瀬さん?でも真瀬さんの領収書をどうして平井課長が会社に提出してるんだ?
(摂子)分かりません。
でも何か裏がありそうですよね?
(太一)取りあえず平井課長に話を聞いてみよう。
(摂子)駄目ですよ。
そんなことしたら真瀬部長に報告されてまたうまいこともみ消されるに決まってますから。
(太一)じゃあどうするつもり?
(摂子)倉田部長。
あの。
一緒にお肉食べませんか?
(太一)うん?
(真瀬)これ今月も頼むな。
どうした?
(平井)大丈夫ですよね?
(真瀬)なあ?平井。
ミタケ興産への発送ミス誰が収めたんだっけ?
(真瀬)お前を課長に推薦したのは誰だったっけか?
(平井)それは全て真瀬部長のおかげです。
(真瀬)分かってんならいいんだよ。
まあこれからも色々頼むぞ。
フッ。
(平井)ハァー。
(中嶋)ああ。
ホントすごいわ。
民子さん。
(民子)そんなことないわ。
コツさえつかめば簡単よ。
(松原)そのコツがつかめないのよね。
もう2年もやってるのに。
(波戸)あのう。
倉田さん。
(珪子)はい。
(波戸)この後お茶とかいかがですか?えっ?どうしたんですか?先生。
(波戸)いや。
ユニークな器で料理を出してる店があるのでよかったら一緒にどうかなって。
(珪子)ああ。
器ですか。
(波戸)きっと今後の創作活動のヒントになると思うんです。
すみません。
今日はちょっと。
(波戸)あっ。
そうですか。
すいません。
(珪子)ああ。
(民子)せっかくのお誘いなんだから行けばいいのに。
(珪子)今日は早く帰らないと。
(メールの着信音)
(珪子)えっ?
(民子)あっ。
ほら。
神様が行けって言ってるのよ。
ああ。
こんにちは。
すいません。
失礼します。
こんにちは。
失礼しま…。
ごめんください。
すいません。
こんにちは。
・
(蟹江)おえー!おおっ。
うーん。
いやー。
後悔。
ザ後悔。
なあ?うん。
誰?こんにちは。
あの。
こちら円タウン出版社さんでよろしいですか?
(蟹江)よろしいよ。
あっ。
すいません。
あのう。
倉田と申しますが。
あのう。
(蟹江)あっ。
ああああああ。
はいはい。
分かった分かった。
はい。
おいで。
こっちおいで。
こっちおいで。
あっ。
はあ。
(蟹江)ああー。
初めまして。
編集長の蟹江です。
あっ。
すいません。
(蟹江)うん。
うん。
あのう。
(蟹江)うん。
あらためまして倉田です。
(蟹江)いや。
さっきも…。
まあいいや。
うん。
えー。
でどんなの作ってんの?へっ?
(蟹江)いや。
デザイナーでしょ?ああ。
はい。
(蟹江)うんうんうん。
(蟹江)何?持ってきてないの?あっ。
いやいやいや。
一応ありますけど。
おおー。
じゃあ見せなせー。
ああ。
はい。
ほーら。
見せなせー。
はい。
早く見せなせー。
はい。
おおおおおおおお。
ふーん。
ほう。
ほほう。
ふーん。
うん?あのう。
ここ出版社ですよね?そうだぜ。
あっ。
すいません。
いやあの。
失礼ですけどどんな雑誌を?うん。
あのね。
(せきばらい)こういったものを作っております。
あっ。
すいません。
うん。
『高円寺スタイル』って。
あれ?あれ?『円スタ』知らないの?『円スタ』って?おいおい。
それぐらい勉強しとけや。
えっ?高円寺のハイパーいけてるタウン誌でしょ。
タウン誌!?あのね。
君ねホントにねそんなね大きな声を出すな!すいません。
あの。
明日香さんもこれを?えっ?何だ。
知り合いか?ああ。
ええ。
まあ。
おっ。
何だよ。
だったらそれ早く言ってくれよ。
もうさ知ってると思うけどさあの子絵がど下手だからさ。
ああ。
(蟹江)ああ。
こういう系もね。
・
(ドアの開く音)
(明日香)おはようございます。
って。
おおー!
(蟹江)おはよう。
もう面接始めちゃってるよ。
面接?
(明日香)面接?
(蟹江)だってこの子ナスカちゃんの紹介だろ?
(明日香)違いますよ。
(蟹江)おう。
貴様。
何勝手に入ってきてんだ?気持ち悪い。
あっ。
いや。
だってさっき。
あの。
(明日香)編集長。
この人家に嫌がらせされてる人です。
(蟹江)そっち…。
おお。
君か。
あの駅のホームで余計なことしちゃったって人な。
雑誌の記者ってタウン誌だったんですか?
(明日香)そうですよ。
それで僕のこと取材しようとしてたんですか?
(明日香)ええ。
いや。
ちょっ。
何なんですか?だって高円寺と僕の事件何にも関係ないじゃないですか?
(明日香)うーん。
フッ。
いや。
もういいです。
帰りますから。
(蟹江)おうおう。
何だよ?急に。
おい。
ちょっと待てよ。
おい。
待ちなせー。
待ちなせー。
返してください。
(蟹江)何を?それ。
(蟹江)何がさ?いやいや。
「何が」じゃない。
それですよ。
おうおう。
これか。
おう。
あっ電源。
あっ。
ちょっと。
あっ。
すいません。
ナスカー!すいません。
すいません。
(蟹江)結構大変だったんだよ。
あそこまで作るの。
すいません。
(明日香)倉田さん。
ここに来たってことはまた何かあったんですよね?犯人捕まえるの手伝ってくれるって言ったから。
(明日香)もちろん協力しますよ。
やめてくださいよ。
取材は。
(明日香)いや。
まさか。
知人として相談してください。
(蟹江)おう。
貴様。
せっかく来たんだから何かしゃべってけ。
そして手は動かせ。
あっはい。
僕のクライアントにいたずら電話されて仕事を首になったり。
(明日香)ふんふん。
家の前に怪しいやつが立ってたり。
(明日香)ふんふんふん。
けさはポストにケガした猫が入れられてました。
どしたんですか?
(明日香)うーん。
もしかして想像していた以上に危険なのかもしれないですね。
えっ?
(明日香)倉田さんちを狙ってる犯人ですよ。
(蟹江)それ面白いじゃん。
はっ?ナスカちゃん。
(明日香)明日香です。
(蟹江)そのねた採用。
がっつり記事にしていいよ。
(明日香)よし。
いやいや。
勝手に決めないでくださいよ。
(蟹江)うん。
ならばこうしよう。
(蟹江)君を専属デザイナーとしてうちで採用する。
もうあの辺のデスク自由に使っていい。
そして家賃光熱費タダ。
タダ?そうよ。
何だったらもうみんなで一緒に住むか?
(・『WeAreNeverEverGettingBackTogether』)
(蟹江)まあいい。
いい条件だろうよ。
どうせろくに仕事してないんだろ。
いや。
失礼なこと言わないでくださいよ。
あなたに何が分かるっていうんですか?
(蟹江)さっきのデザイン見たら分かるよ。
どれもこれも中途半端でどっかで見たようなのばっかり。
クライアントの言いなりになって自分の力で勝負すんの避けてんだろ?そんなやつに大した仕事はきませんよ。
図星?おっしゃるとおりです。
(蟹江)でどうすんの?あのう。
よろしくお願いします。
(蟹江)よし。
じゃあ今夜はお祝いだな。
そして手を動かせ。
あっはい。
・
(ノック)
(蟹江)ああー!・
(小林)失礼します。
面接を受けに来た小林と申します。
こちら円タウン出版社さんですよね?
(蟹江)違いますよ。
(小林)えっ?
(蟹江)違う。
あれ?違う?これ。
あれ?あっ。
ああ。
(蟹江)うん。
まあいいや。
(波戸)そうそう。
この釉薬がまたいいんですよね。
これたぶん自分で作ってるんじゃないかな。
あの。
先生。
(波戸)出来合いのものだとこういう艶はなかなか出せないというか。
波戸先生。
(波戸)はい。
(珪子)私そろそろ家に戻らないと。
(波戸)えっ?もう?
(珪子)娘を一人で置いておくのが心配なので。
(波戸)娘さんまだそんなに小さいんでしたっけ?
(珪子)大学生なんですけど。
まあ色々ありまして。
(波戸)倉田さん。
知ってます?
(波戸)土って触った人間の人柄がそのまま表れるんです。
はあ。
(波戸)倉田さんの作品を見たときに感じました。
繊細な美しさの中にどこか揺るぎない心が通っているって。
えっ?
(波戸)倉田さんなら大丈夫です。
どんな困難にも負けない強い心がありますから。
ああ。
そうですか?
(波戸)でも困ったことがあったら何でも言ってくださいね。
あっ。
(波戸)あっ。
すいません。
(珪子)あっ。
あっいえ。
ありがとうございます。
(万里江)うーん。
カワイイ。
(七菜)でしょ?
(万里江)名前何にしたの?
(七菜)ガス。
(万里江)ガス?
(七菜)ミュージカルの『キャッツ』に出てくる名前。
(万里江)ふーん。
ポストに入れられてつらかったにゃー?ガス。
(七菜)はい。
どうぞ。
(万里江)ありがと。
(七菜)でも名無しさんが辻本君じゃないって分かってちょっとほっとした。
(万里江)ああ。
あっ。
でもさホントにお兄さんが注意したその人が犯人なのかなぁ?
(七菜)うん?
(万里江)私はまだ辻本を疑ってるけどね。
(七菜)えっ?ねえ?あいつ七菜に連絡とかしてきてない?
(七菜)うん。
(万里江)怖いにゃー?ガス。
(太一)個室もないし頻繁に接待で使いたくなるような店には思えないんだけどな。
(摂子)ええ。
(太一)値段だって手ごろだし月2回2人で飲み食いしてそれで8万円っていうのはかなり多いよね?どんだけ食べたってそんなにいきませんよ。
・
(男性)ああ。
お会計。
・
(従業員)はい。
・
(男性)ああ。
ちょっと待って。
分かってるよね?女将さんに渡してくれる?
(従業員)かしこまりました。
(男性)よろしく。
(摂子)ちょっと見てきます。
(太一)うん。
(太一)あっ。
何か分かったかい?
(摂子)五千円札は…。
五千円札払っただけなのに領収書には2万円以上の金額が記入されてました。
(太一)えっ?じゃあ領収書の金額を水増ししてたってこと?
(摂子)ですね。
(太一)うーん。
あっ。
私もね一つ面白いもの見つけたんだ。
(摂子)何ですか?
(太一)あれ見て。
キープボトルの棚の上から2段目。
その右から3番目。
(摂子)やっぱり真瀬部長が。
(太一)でもさ会社に領収書を出してるのは平井課長だろ。
どういうことなのかな?
(摂子)真瀬部長が店から受け取った水増しした領収書を平井課長に回してるんじゃないでしょうか?そして平井課長は会社から精算してもらったお金を真瀬部長に渡している。
(太一)真瀬部長が平井課長を利用して会社の金を不正に着服してるってことか。
(摂子)ええ。
(太一)いや。
でも先方のSDテックは平井課長から接待を受けてると言ってるんだろう?SDテックの親会社の相模ドリルは真瀬部長が開拓した取引先です。
社長とも親しいようですし口裏を合わせてもらってるんじゃないでしょうか?よくそこまで推理するね。
まるで領収書デカだ。
何ですか?それ。
(太一)あっいや。
優秀だってこと。
でどうされるつもりですか?とにかく平井課長に話をしてホントのこと証言してもらうしかないんじゃないかな。
同感です。
私もご一緒します。
(太一)うん。
(摂子)私そろそろ行かないと。
(太一)あっ。
いいよ。
ここは一応上司の僕が。
あの。
(摂子)払います。
領収書デカはお金に細かいので。
お先に失礼します。
(シャッター音)
(太一)ああ。
やっぱりデカだ。
(蟹江)ナスカちゃん。
(明日香)明日香です。
(蟹江)フルーツ食べ過ぎ。
それさ中通り商店街の山田青果店から仕入れてるんさ。
あのおっさんみたいなおばちゃんがやってるとこなんさ。
ここで食べたらお値段10倍になっちゃうんさ。
(明日香)うん。
だって編集長じゃないですか。
この店選んだの。
(蟹江)おうおう。
店員。
(従業員)はい。
(蟹江)シルビアちゃんはまだ?
(従業員)あっ。
すいません。
ちょっと遅れてるみたいで。
あっ。
よかったら他の子つけます?
(女性)カニー。
(蟹江)黙れ。
ぶっとばす。
いや。
いい。
俺はねこう見えて浮気はしないタイプだから。
(従業員)ですよね。
さすが。
来たらすぐつけますんで。
頼むぜ。
店員。
うんうん。
あのう。
これって僕の歓迎会でしたよね?
(蟹江)おい。
貴様。
まだいたか?いや。
だって僕の歓迎会っていう…。
(蟹江)ようこそ。
あしたからよろしく。
お疲れ。
(明日香)ああ。
ごちそうさまでした。
じゃあ帰りましょうか。
倉田さん。
ああ。
はい。
あのう。
今日はわざわざ僕のためにこんな会まで開いて…。
シルビアちゃん。
待ってたぴょん。
座って座って。
膝の上に座って。
すぐに。
膝の上に座って。
ねえ?膝の上に。
ねえ?あっ。
何か飲む?ありがとうございました。
(蟹江)作るよ作るよ。
(摂子)ありがとうございます。
(蟹江)いい。
何飲む?何飲み?ウーロン茶で。
(蟹江)えっ?お酒飲もうよ。
ウーロン茶で。
変わった人ですね。
あの蟹江さんっていう人。
(明日香)うーん。
ものすごくいいかげんだけどねた筋を見極める目とか雑誌作りのセンスとかは結構ちゃんとしてるんですよね。
何者なんですか?
(明日香)さあ。
高円寺で古着屋とかライブハウスとか手広くやってるみたいですけど何者かっていわれても気にしたことなかったんで。
はあ。
(明日香)では私は会社に戻ってもう少し仕事していきますので。
あっ。
そうですか。
じゃあ僕はこれで。
家も心配ですし。
お先に失礼します。
お疲れさまでした。
・
(明日香)倉田さん。
はい。
私たちの手で必ずあの犯人捕まえましょう。
はい。
それとこれは言おうかどうか迷ったのですが。
何ですか?歯に青のりついてますよ。
・
(太一)おーい。
健太。
お…おかえり。
(太一)うん。
うん?何だ?それ。
何も持ってないけど。
その袋だよ。
ああ。
これ母さんに。
うん。
そうか。
(珪子)うわー。
ありがとう。
健太。
(太一)これ花壇にあった花。
(珪子)そう。
ゼラニウム。
出版社と専属契約決まったし記念にと思ってさ。
でも安定した仕事が見つかってホントによかったわね。
うん。
(珪子)このまま七菜も決まっちゃえばいいけど。
(太一)どうなんだ?
(七菜)あのね。
一つだけ四次面接までいってる。
(珪子)何チャン?
(七菜)湾岸テレビ。
(珪子)すごいじゃない。
(太一)すごいすごい。
えっ?七菜がアナウンサーになったらお母さんもっとおしゃれしなくちゃね。
(七菜)何でお母さんがおしゃれすんのよ?
(珪子)アナウンサーの母って。
ほら。
テレビに映ったりするじゃない?
(七菜)関係ない関係ない。
(珪子)ドッキリとか。
(七菜)ないないないない。
(珪子)やだ。
楽しみ。
ねえ?母さん。
今日ちょっとおしゃれなんじゃない?えっ?これ?上も下もニッキュッパよ。
(七菜)安っ。
(珪子)うん。
あの通販いつもの。
(七菜)ああ。
何?えっ?どっか行ったの?
(珪子)えっ?陶芸教室あったけど。
(七菜)あっ。
ねえねえ。
お兄ちゃん。
どこの出版社なの?ああ。
円タウン出版社ってとこ。
へえー。
どこにあんの?高円寺。
(七菜)何ていう雑誌?『円スタ』
(七菜)うーん。
何?それ。
『円スタ』ね。
(七菜)えっ?知ってんの?
(珪子)何か聞いたことある。
エンタメ系でしょ?ねえ?お母さんそれ適当に言ってるでしょ?
(珪子)えー?でももうどこでもいいじゃない。
お仕事もらえるだけでも大したものよ。
うん。
春が来た。
(七菜)春が来た?
(珪子)健太にも七菜にもお母さんにも春が来た。
(珪子)・「ああ私の恋は」・
(鼻歌)・・
(珪子の鼻歌)何やってんだよ?俺。
(メールの着信音)波戸?・
(ドアの開閉音)
(太一)おう。
健太。
おう。
(太一)あっ。
お前追いだきまた43℃にしただろ?ああ。
そうだったかな。
(太一)あれじゃ熱いって。
うん。
おう。
ああ。
ありがとう。
(太一)何か狭いなお前。
っていうかそのシャツ俺んだろ?そうなのか?いや。
出てたから着ちゃった。
いやいや。
どう考えたって親父の趣味じゃないだろうそれ。
えっ?分かんないよんなもん。
全部お母さんに任せてんだから。
フフフ。
もしも母さんいなくなったらどうすんだよ?そんなん。
あっ。
それは困る。
七菜じゃ何にもしてくれそうにないしな。
あっ。
いやいや。
そういう問題じゃなくてさ。
ああー。
あのさ。
母さんとちゃんとやってんのかよ?あっ?何だ?ちゃんとやってるって?あっいや。
そういう意味じゃなくて。
そういう意味って。
あっ。
お前。
いや。
親に向かってそういうこと言っちゃ…。
いや。
いいから。
ホントにもうその話はもういいから。
あっ。
そうだ。
親父。
防犯カメラ買わない?防犯カメラ?家の外に付けとけば名無しさんの正体だって分かるかもしれないだろう?それに毎晩見張りしなくても済むし。
母さんだって七菜だって安心すると思うんだよ。
うーん。
それ悪くないな。
幾らぐらいするんだ?うーん。
分かんないけど。
夜間も撮影できて画質もちゃんとしたやつになったら。
うん。
まあ10万ぐらいはするんじゃないかな?おやすみ。
えっ?親父。
えっ?いや。
何でもない。
おやすみ。
おやすみ。
・
(珪子)健太!ヤベッ。
どしたの?お母さん。
(太一)また花か。
ホントにしつこいな。
(珪子)名無しさんやっぱりゼラニウムが嫌いなのかしら?
(七菜)いや。
それはないと思うけど。
どうする?交番の人また来てもらおっか?
(七菜)えー?何かあの人頼りなさそうだったよね?
(珪子)うん。
でもいい人だったじゃない?一応連絡しておく。
(太一)うん。
そうだね。
(珪子)うん。
あーあ。
ああ。
(太一)これはホントに平井課長が使った経費なんですか?
(平井)そうですけど。
どうしてそんなことを?
(摂子)電話でお店に確認したんですが領収書を渡してるのは平井という人ではなく真瀬という人だと言ってました。
直接お店にも行ったんですがあの店は常連客に水増しした領収書を渡してるようです。
それに真瀬部長のキープボトルがありました。
あの店を使ってたのは真瀬部長ですよね?
(太一)平井さんは真瀬部長から水増しした領収書を渡されそれを接待費として精算し会社から受け取ったお金を真瀬部長に渡してたんじゃありませんか?
(平井)な…何を言ってるのか分かりません。
仕事がありますんで。
(太一)平井さん。
社長に報告します!
(平井)えっ?
(摂子)これは立派な横領事件です。
真瀬部長の領収書を自分の経費として処理していた平井課長もそれなりの処分を覚悟してください。
(平井)そんな。
ちょっと待ってください。
(摂子)ただし真瀬部長に頼まれ仕方なく協力していたというのなら平井課長の処分はそれほど重いものにはならないと思いますよ。
そうですよね?倉田部長。
(太一)あっああ。
うん。
うん。
(摂子)平井さん。
うちの会社のためにもここでしっかり不正をただすべきではありませんか?平井さんご自身のためにもこんなことはもうやめるべきだと私は思います。
分かりました。
社長に本当のことをお話しします。
平井さん。
(太一)ありがとう。
平井さん。
一緒に社長室行きましょう。
(平井)いえ。
私一人で大丈夫です。
倉田部長は報告書をお願いします。
(太一)はい。
分かりました。
(蟹江)うーん。
ますます面白くなってきたねぇ。
いや。
全然面白くないですよ。
(明日香)うん。
また花を抜いたっていうのも気になりますよね。
何で嫌がらせのレベルを戻したんだろう?もうどうしたらいいんですか?僕は。
(明日香)うーん。
お母さまの不倫疑惑は大した問題じゃないですよ。
大した問題ですよ。
(明日香)もういい大人なんだから恋愛くらい自由に。
いい大人だから困ってるんです。
(明日香)そんなことよりも一番の問題は「この写真を倉田さんちのポストに入れたのは誰か?」っていうことですよ。
それは名無しさんが。
名無しさん?あっ。
嫌がらせをしてる犯人のことを家族でそう呼んでるんです。
ありきたりだけどいいかもしれないですね。
頂きます。
うん。
そっか。
えっ?この写真を名無しさんが撮ってたとすると。
(明日香)うん。
気付いちゃいました?狙われてるのは倉田さん一人じゃなくって家族全員だっていうことになるんですよ。
(蟹江)いいー。
いいっひ。
これさちょっとさすごい記事になるかもよ。
ナスカちゃん。
(明日香)明日香です。
いや。
ちょっと待ってくださいよ。
こんな写真のことまで書かれるわけにはいきませんから。
(蟹江)えっ?えっ?そうなの?当たり前じゃないですか。
(蟹江)うむむ。
あっ。
あのう。
それよりここの会社の名刺のデザイン僕にやらせてもらえませんか?
(蟹江)何でよ?ギャラの前借りをさせてほしいんですよ。
(蟹江)おう。
ちょっ待っちくれ。
待っちくれって言っちゃった。
待ってくれ。
えっ?仕事も依頼してないしさ出来上がりも見てないのにさ何でお金払わなきゃいけないの?あのさ。
それゆすりとかたかりのレベルだぜ?お願いします。
どうしても買いたいものがあるんです。
お願いします。
(太一)はい。
すぐにお伺いします。
社長から呼び出しだ。
きましたね。
・
(社員)部長。
ちょっと確認よろしいでしょうか?・
(真瀬)倉庫行ってすぐ戻るから。
・
(社員)分かりました。
何にも知らないで。
(太一)行ってくる。
(摂子)よろしくお願いします。
(太一)失礼します。
社長。
お呼びですか?
(持川)ああ。
倉田さん。
どうぞどうぞ。
お座りください。
平井と話しましたよ。
(太一)そうですか。
ああ。
平井さん勇気を持って語ってくれたんですね?
(持川)ミカドでしたっけ?
(太一)はい。
(持川)その焼き肉屋は平井自身がSDテックさんを接待するために使ってるそうですよ。
はあ?
(持川)真瀬から領収書を回されたことなどないと断言してました。
ホントに平井さんがそう言ったんですか?ええ。
ついさっき目の前で。
(太一)しかし電話で確認したときにはお店の人は平井という人物は一度も来たことがなく真瀬という人間に領収書を渡してるとそう証言しています。
それはお店の人の勘違いのようです。
えっ?
(持川)その店はもともと真瀬が平井に紹介した店で後輩思いの真瀬は自分の名前でボトルを入れて自由に飲んでいいと平井に言ったそうです。
そのため平井は真瀬のボトルを飲んでいた。
店の人も平井のことを真瀬だと勘違いしたのではないかと平井は言ってましたよ。
(太一)いや。
しかし平井課長が使っていたとしてもなぜドリルの企画開発をするSDテックさんを配送課の平井課長が接待するんでしょう?運送会社の選定作業でアドバイスをもらったそうです。
でもこの3カ月に6回もですよ。
やはりふに落ちません。
実はその6回の接待のうち半分は本当はアルバイトさんの慰労会なんだそうです。
配送課には多くのアルバイトさんが働いてます。
平井は彼らのために慰労会をあの焼き肉店で毎月開いていた。
その費用を捻出するための苦肉の策として。
持川社長。
待ってください。
相手がアルバイトだったとしても社内の人間同士の飲食費を税法上経費としては認めるわけにはいきません。
会社に損害を与えることを社長が許していたんでは…。
私だって分かってますよ。
それぐらいのことは。
平井のやっていたことはあなたからすると明らかな不正行為です。
しかし心情的には理解できなくもない。
社長。
(持川)3年前に配送課でリストラがあったんですよ。
アルバイトの数は当時の3分の2になりましたが仕事の量は変わっていない。
作業効率を維持するために平井がどれだけ苦心したことか。
無理をさせているアルバイトさんたちに牛タンの1枚ぐらい食べさせてやりたい。
そう思う気持ちが私には手に取るように分かるのです。
(太一)失礼ですが。
私は気持ちの話ではなく税法上の話を。
(持川)ああ。
すみません。
こんな話大銀行出身の倉田さんには理解していただけませんよね?
(太一)いや。
そういうわけでは。
(持川)ご安心ください。
今後の慰労会については私のポケットマネーでやってもらいますから。
それなら構いませんよね?
(太一)あっ。
はあ。
倉田さん。
うちのような中小企業は人間同士の結び付きで成り立ってんですよ。
数字や規則だけでは割り切れない。
そういった心の通った付き合いっていうのを大切にしたいものですね。
(摂子)完全に話をずらされましたね。
(太一)横領事件を告発したはずなのに人情話にすり替えられちまった。
(摂子)どうせ真瀬部長が平井さんにうまいこと言い訳を吹き込んだに決まってます。
(太一)いや。
そりゃ分かってるけど証拠がない。
・
(真瀬)ホルモンうまかったろ?ホルモン。
・
(平井)ええミノがこりこり…。
・
(真瀬)よし。
じゃあ今日も俺のボトルで飲み行っていいぞ。
(摂子)平井課長!
(平井)はい。
(太一)西沢さん。
(摂子)大丈夫です。
私たちをだましたんですね?
(平井)だましてなんていませんよ。
言ったじゃないですか。
私は社長に本当のこと話しますって。
だったらどうしてこんなことに…。
(平井)その言葉のとおり私は本当のことを話したまでです。
(摂子)いつまでも真瀬部長の言いなりになって悔しくないんですか!?
(真瀬)何だよ。
何だよ。
何だよ。
穏やかじゃないなぁ。
何をもめてんだよ?西沢さん。
社内で探偵ごっこやるのはいいけどあんたもミスばっかりやってると危ないよ。
なあ?なあ?あっ。
そうだ。
平井。
倉田部長に何か言いたいことがあんだろう?ほら。
きちんとお伝えしろよ。
倉田部長。
私に謝ってください。
えっ?
(平井)横領だって私のこと脅かしましたよね!?領収書の件謝ってください!だってそれは…。
(真瀬)倉田部長。
間違えたら謝る。
常識ですよね?それともあれかな?大銀行出身の方は中小企業の課長ごときに頭は下げられないとでもいうのかな?やっぱりなめられてるなうちは!
(社員)ホントですよ!
(真瀬)どうなんだよ?青葉銀行から出向してきた倉田さんよ!私の勘違いでご迷惑をお掛けしました。
申し訳ございませんでした。
平井。
これで気が済んだか?
(平井)は…はい。
(真瀬)よし。
これからはあまり余計な波風立てない方がいいと思いますよ。
倉田部長。
よし。
行くぞ。
おーっとっとっと。
平井。
言いました。
(拍手)
(はなをすする音)・
(明日香)相手に気付かれない場所がいいですよ?うわっ!びっくりした。
えっ?何でここにいるんですか?こんにちは。
手伝いに来ました。
手伝い?カメラを設置したことがバレないように倉田さんが作業してる間一応私が家の周囲を見回りしますよ。
なるほど。
わざわざすいません。
いいえ。
ふーん。
これが嫌がらせ被害を受けてるお宅ですか。
(シャッター音)ホントはただ家が見たかっただけじゃないんですか?いや。
まさか。
はい。
ポーズ。
あっ。
(シャッター音)いや。
いいんですよそんなの。
いいですね。
すてきですよ。
いや。
いいですって。
ホントにやめてくださいよ。
はい。
倉田さん。
スマイル。
いやいや。
もうホントにやめて。
もうやめてください。
(摂子)何で倉田部長が頭を下げるんですか?悪いことしてるの向こうなのに。
(太一)あっ。
そうだね。
西沢さんの指摘は正しかったと思うよ。
どうも私は気が弱くてああいうときはてんで駄目なんだ。
本当に面目ない。
(摂子)そんな。
あの。
私の方こそ詰めが甘くて部長にご迷惑をお掛けしました。
すいませんでした。
(太一)あっいや。
アハッ。
(摂子)失格ですね。
領収書デカ。
君の方がよっぽど管理職に向いてるかもしれない。
(摂子)焼き肉。
(太一)うん?
(摂子)今度はおごってください。
管理職なんですから。
(明日香)いい写真が撮れました。
ありがとうございます。
やっぱり取材だったんじゃないですか。
(明日香)楽しみですね。
名無しさんが映るの。
いや。
楽しみって。
あっ。
七菜。
(明日香)うん?あっ。
妹さんですか?ええ。
あっ。
紹介します。
(明日香)ああー。
七…。
なっ何ですか?
(明日香)いいからいいから。
えっ?何ですか?
(明日香)ほら。
えっ?辻本君。
(七菜)えっ?
(辻本)あっ。
ちょっと。
おうおう。
(明日香)ちょっちょっちょっちょっ。
(辻本)どうだった?
(七菜)えっ?
(辻本)アナウンサー試験。
ああ。
面接の結果待ちだけど。
それがどうしたの?受かってるといいね。
(七菜)ごめん。
もう私のことつけたりしないで。
七菜。
あいつ。
あっ。
ちょっ。
(明日香)すいません。
1本もらえませんか?ありがとうございます。
(明日香)ねえ?火貸してくんない?
(辻本)いや。
俺吸わないから。
(明日香)ふーん。
喫煙者ではありませんでしたね。
(明日香)七菜にはストーカーがいた。
うん。
こうなってくると太一と珪子の周辺も気になってくるな。
うーん。
あの。
僕の家族のこと呼び捨てにするのやめてもらえますか?あっ。
ああ。
失礼。
あっ。
はい。
それじゃまたあした。
お疲れさまです。
(摂子)平井課長を一人で社長室に行かせたのは失敗でしたね。
ああ。
まんまとやられたね。
(摂子)真瀬部長は倉田部長の評価が下がるようにしむけたのかもしれません。
えっ?
(摂子)だってもっと早く言い訳することだってできたはずです。
でもあえて倉田部長に報告書を書かせて社長に提出させた。
それって倉田部長をおとしめるためですよね?
(従業員)お待たせいたしました。
こちらハイボールです。
はい。
ありがとう。
でもなぜ彼は私のこと目の敵にするんだろう?さあ。
でも青葉銀行からの出向者に対しては倉田部長以前の人たちにもずっとあんな感じでした。
じゃあ青葉銀行に恨みがあるってことか。
あっ。
過去に何かあったのかな?誰にでも知られたくない秘密はありますからね。
何だい?それ。
(摂子)いや。
別に。
君にも秘密があるってことか?話してごらんよ。
私が信頼できる上司だと思ったらさ。
(摂子)まだ内緒です!フッ。
はい。
(太一)あっ。
ホントだ。
カメラなんて全然気付かなかったよ。
柱の裏に設置したから。
(太一)お金は?俺が出した。
(太一)幾ら?9万ぐらいかな。
(太一)高いな。
出してくれんの?
(太一)お前が買ったんだろう。
何だよ。
ちょっとぐらい。
(太一)えー?あっ。
七菜。
お父さんの背中もん…。
どうしたんだ?七菜。
七菜。
七菜。
えっ?かわ…代わってよ。
(七菜)ああ。
ごめんごめん。
ああ。
おいでおいで。
ガス。
(珪子)ねえ?見て見てこれ。
すごいでしょう?
(七菜)えー!
(太一)何よ?それ。
(珪子)すしケーキ。
鴨下さんに教えてもらったの。
(七菜)すごい。
(珪子)簡単でおいしいんだって。
(太一)こんなときにケーキって。
(珪子)暗くなってても仕方ないじゃない。
さっ食べましょ。
(太一)あの。
食べてきたからビールだけでいいや。
(珪子)やだ。
メールくれればよかったのに。
(太一)あっ。
やっぱり食べよう。
(珪子)うん。
健太も食べて。
うん。
(珪子)ガスも食べる?
(七菜)あっ。
はい。
(太一)いや。
猫は駄目でしょう。
(七菜)いただきます。
(珪子)サザエさんとこのタマは食べてたよね。
いただきます。
(太一)あれは漫画でしょう。
(珪子)えっ?だってドラえもんだって食べてたもんね。
(太一)いや。
あれは猫っていうか。
(ガスの鳴き声)
(珪子)あっ。
食べたいの?
(七菜)おいしい。
(珪子)おいしい。
やった。
(七菜)うん。
ガス。
おいしいよ。
(珪子)よし。
初めてのおすしだ。
ガス。
(七菜)お兄ちゃん。
大変なの。
起きて。
ねえ?事件事件事件。
何?何?早く来て。
下下下。
今度は車かよ。
(珪子)また名無しさんの仕業かしら?
(七菜)これは警察呼ぶでしょ。
(太一)うん。
そうだね。
(珪子)被害届出せば保険で修理できるかしら?
(太一)いや。
保険料高くなるから実費の方がいいんじゃないかな?
(珪子)ああ。
(太一)あっ。
もうこんな時間だ。
あの。
お母さん悪いけど警察に連絡しといてね。
(珪子)うん。
(太一)いってくる。
(珪子)いってらっしゃい。
気を付けてね。
走って。
急いで。
(七菜)あれ?そういえば防犯カメラあるじゃん。
(珪子)そうだったね。
映ってるかな?
(社員・太一)ああ。
あっ。
(社員)おはようございます。
(太一)おはようございます。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
(太一)おはようございます。
(一同)おはようございます。
部長。
(太一)あっ。
おはようございます。
あっ。
おはよう。
どうしたんだい?高橋君。
(高橋)あのう。
(若葉)高橋。
倉田部長。
お話が。
(太一・高橋)あっ。
(太一)あっ。
どうしたんだい?
(太一)また疑惑の領収書?
(摂子)これが会社のファクスに大量に届いてたそうです。
これは…。
(明日香)で警察は?もちろん映像データは渡しましたよ。
分析するって言ってました。
いいじゃないですか。
私たちの手でじっくり分析すれば。
ねえ?編集長。
(蟹江)うんうん。
そうね。
分かるといいよね。
(明日香)いよいよ名無しさんの正体が分かりますね。
止めてください。
何ですか?これ。
(蟹江)あー?あなたがうちに嫌がらせをしてたんですか?2015/04/20(月) 21:00〜22:09
関西テレビ1
ようこそ、わが家へ #02[字][デ]【混迷する犯人像!作・池井戸潤 主演・相葉雅紀ほか】
「混迷する犯人像と謎の動機」
作・池井戸潤 相葉雅紀 沢尻エリカ 有村架純 佐藤二朗 山口紗弥加 藤井流星 眞島秀和 堀内敬子 竹中直人 南果歩 寺尾聰 ほか
詳細情報
番組内容
ある日、突然、理不尽な悪意にさらされることとなった倉田家。ポストに傷つけられた猫が入れられ、不気味なFAXを自宅に送りつけられた健太(相葉雅紀)は、警察に通報する。やってきた警官に父の太一(寺尾聰)は、家に届いたFAXから犯人を突き止められないか要請。一方、傷ついた猫は治療を受け、七菜(有村架純)の提案から倉田家で飼う事になった。
番組内容2
太一が『ナカノ電子部品』に出社すると、先日、不正を指摘しながら返り討ちにされた営業部長・真瀬博樹(竹中直人)にやゆされる。そんな真瀬の新たな不正の疑惑を、部下の西沢摂子(山口紗弥加)から報告される。今度は接待費の横領だった。
陶芸教室に通う珪子(南果歩)は、講師の波戸清治(眞島秀和)からお茶に誘われる。断ろうとする珪子だが、主婦仲間の下村民子(堀内敬子)の勧めもあり行く事にした。
番組内容3
健太は、ひょんなことから知り合った女性記者・神取明日香(沢尻エリカ)に会うため、勤めている出版社へ。そして健太は明日香に、あれから自宅に起こった出来事を話す。
出演者
相葉雅紀
沢尻エリカ
有村架純
佐藤二朗
山口紗弥加
眞島秀和
堀内敬子
足立梨花
藤井流星(ジャニーズWEST)
高田純次
・
竹中直人
・
近藤芳正
南果歩
寺尾聰
他
スタッフ
【原作】
池井戸潤「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫)
【脚本】
黒岩勉
(『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』『ストロベリーナイト』『謎解きはディナーのあとで』など)
【プロデュース】
羽鳥健一
(『信長協奏曲』『東京にオリンピックを呼んだ男』『高校入試』など)
【演出】
中江功
(『若者たち2014』『海の上の診療所』『Dr.コト—診療所』シリーズなど)
スタッフ2
谷村正樹
(『ラストホープ』『最後から二番目の恋』『全開ガール』など)
【主題歌】
嵐『青空の下、キミのとなり』(ジェイ・ストーム)
【制作】
フジテレビドラマ制作センター
ご案内
ドラマを生で見よう!各ドラマ総額100万円が当たる『DRAMA !S LIVE』!ドラマ放送中にリモコンのdボタンを押してね。第1話と第2話のキーワードを集めるとより豪華なプレゼントに応募できるよ!
対象ドラマ:月9『ようこそ、わが家へ』火10『戦う!書店ガール』水10『心がポキッとね』木10『医師たちの恋愛事情』
詳しくは各ドラマのHPをご覧ください!
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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