高級ブランドがたち並ぶ韓国きっての憧れの街だ
そんなセレブ街の片隅にこんな光景が広がっている
この番組でも2年前に取り上げた韓国版格差社会の象徴と言われるバラック村
現在ではそのほとんどがひとり暮らしの高齢者だ
壁の一部がビニール生地というあばら家。
だがその暮らしさえも危機に瀕していた
バラック街は早朝からものものしい雰囲気に包まれていた
行政が立ち退きを勧告。
激しく抵抗する住民たち
業を煮やした行政側は
そしてついには重機までも
1,000人の住まいはあっけなく撤去された
別の場所に移住させられる人たち。
泣き崩れるしかない厳しい現実
一方アメリカでは広がり続ける格差にいままた怒りが爆発!
更に中国。
高度成長に取り残された人たちがいた
今回のテーマは今世界中で問題になっている格差です。
解説していただくのは池上彰さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さぁ今なぜ格差の問題を取り上げるのかというとですねこの本が世界中で注目を集めているからですね。
ご存じですか?はい。
それなんで…辞書ですか?
(笑い声)分厚いからね。
分厚いから。
でこれがですねなんとさぁそこでこれを説いているのがフランス人の経済学者トマ・ピケティ。
ここで言っていることはですねひと言で言えばこういうことですね。
資本主義というのは…。
ということをデータをもとに明らかにしたということなんですね。
このピケティさんですけどどんな方なんですか?今年1月に日本にやってきましてあちこちで講演会を開いたり取材を受けたり…。
ということでですねまるで売れっ子タレントのような過密スケジュールだったんですね。
私もインタビューしたんですね。
次から次へといろんな人がインタビューするのに疲れてるはずなのに嫌な顔ひとつせずにですね非常に誠実に対応してくれたというところなんですね。
このピケティさんのブームに真っ先に火をつけたのは彼の母国であるフランスではなくアメリカだったんです。
そこでジパング取材班はアメリカに向かいました。
ニューヨークマンハッタンの摩天楼。
そのなかでもひときわ目を引くこの建物。
去年完成した超高級マンション
その室内はいったいどんなものなのか?
すごい。
絵画のような景色を堪能しながら優雅に食事も楽しめる。
更に…
ベッドルームもガラス張り
雲の上で寝ているような気分になるのだろうか
ベッドルームとバスルームを3つずつ備えるこの部屋気になるお値段は…
実はこのエリア高さも価格も今より更に上昇するという
それにしてもいったいどんな人が買っているんだろうか?その資格がありそうな人々が集う場所を見つけた
一見単なる雰囲気のいいバーのようだが…
ここはトップ1%といわれる高額所得者のみが入会を許される
どんな人が会員なのか?
ニューヨーク中のセレブが集う
会員にはスターバックスのCEOや有名スポーツ選手ら400人が名を連ねている
これはいかがです?
このクラブに入るメリットは何なのだろうか?
そんなトップ1%の足もとである異変が起きていた。
1%クラブから車で10分のダウンタウン
25年も続いた街の人気レストランがこの日閉店しようとしていた
カウンターだけの小さなメキシコ料理店。
しかし家賃はひと月86万円。
6年前の2倍にまで高騰してしまった。
もう3ドルほどのトルティーヤではやっていけないのだ
ニューヨークでは今地元に根づいてきた店が家賃の高騰で次々と閉店に追い込まれている
突然高級マンション街にデモ隊が現れた
彼らは道路を封鎖しその怒りをぶつける
更に…。
一部のデモ隊がヘッジファンドのCEOが住む
4年前ニューヨークの金融街を占拠した反格差デモ。
それは今も形を変え続いていた
マンハッタンから車で1時間半。
まだ日も昇らない早朝5時になにやら長い行列ができていた
こちらはなんと
コートがわりに防寒シートを巻きつける人も
こちらのカップルは今年で2回目だという
ようやく開場。
何が始まるのだろうか
先ほどのカップルブライアンさんについて行くと
始まったのは
今年の来場者は実に2,200人。
しかしなぜこんなに多くの人が
アメリカで歯の保険は任意。
この人たちは保険の未加入者なのだ。
月100ドルほどの保険が払えずかといって全額負担となる治療費はなおさら払えない
1%の富裕層。
その一方で歯の治療も受けられない人たち。
アメリカの現実だ
えっアメリカって…わからないけどあんな無料のあれに長蛇の列並ぶくらいのそんなに格差が今広がってるんですか?う〜ん池上さんなんでこんなことになっちゃったんでしょうかね。
はいそうですねそこでちょっとこの模型を使って説明しようと思います。
はい。
皆さんよく結婚式などでご覧になったことがあると思いますけれどもこれシャンパンタワーですね。
でこの注がれるシャンパンをお金だと思っていただきたいと思います。
これほら金色ですからね。
なるほど。
ねっ上のほうにあるこのグラスこれがいわゆるお金持ち富裕層のグラス。
ここにシャンパンが流れていけばやがてこれが溢れてこれが下にこぼれていくだろうと。
中間層にもそのお金が行き渡るだろう。
そしてそこがいっぱいになれば更にいわゆる低所得層にもこうやってお金が流れていくだろうと。
こういう考え方があったんですね。
さぁこの考え方をパックン何ていいますか?トリクルダウンエコノミックス。
はいそのとおりですね。
これを日本語風に言うとトリクルダウンと…。
富裕層がお金が入るとそれがやがて滴り落ちて下までいって全体として豊かになる。
そうですね。
お金持ちのグラスがですね実はどんどん大きくなってきちゃったと。
最悪じゃないですか。
はい。
そうするとこぼれないでこれがどんどんここにたまっていく。
でもうんと注げばそれでもうこぼれるだろうと思うでしょう?実際はですねお金が入ることによってシャンパングラスを更に大きいものに買いかえることができるわけですね。
これが更にどんどん大きなものになっていってしまえば…。
こぼれない。
欲張り!結果的にいつまでたっても滴り落ちないと。
こういうことなんですね。
これはじゃあ今まで思ってた常識とは違ったということなんですね。
そうですね結果的に…。
ということをピケティさんが膨大なデータを分析して明らかにしたということなんですね。
その裏づけの1つがこちらのデータになります。
ご覧いただきたいと思いますがこちらはアメリカのトップ1%の高額所得者それがアメリカ全体の所得のいったい何%を占めているのかというのを表したグラフなんですけれども。
例えばシェア20%の場合1人の高額所得者が全体の2割の富を独占。
99人で残りを分け合わなければならないということです
実はアメリカの場合クズネッツという経済学者がちょうどこの期間を調べたわけですねそうすると…。
これを発表したわけです。
第2次世界大戦後に訪れた
このとき信奉されたのがクズネッツの理論。
資本主義のもとで格差は縮小すると突き進んだのです
分析してみたらその後実はこんなに…。
なるほど。
そうか。
さぁ引き続きアメリカの格差の実態見ていきますけれども今回番組ではガードがかたいアメリカのセレブその私生活に密着することができました。
アメリカテキサス州。
ヒューストンの高級住宅街
道を走っても走っても続く大邸宅。
そんな超富裕層エリアにその人物の家もあった
いまや伝説として語られる
現在はソフトバンクが買収した携帯電話会社の社外取締役を務める
そんなベスーンさん総資産は80億円以上。
部屋のいたるところに骨董品が。
なかでも自慢の品がこれ
1805年アメリカの時計職人によって作られた掛け時計。
美術館に収蔵されるほどの逸品だというがその価値は?
総資産80億円以上のアメリカの富裕層
彼の自慢の19世紀の壁掛け時計。
その価値は?
2年前にはベスーンさんの腕時計だけであのクリスティーズがオークションを開催。
こちらはそのときのカタログ。
いらなくなったロレックスなど50個を出品し…
彼のもう1つのとっておきのコレクションが二重の扉の奥に隠されていた
アメリカ軍の正式な拳銃として1911年から70年以上使われた通称コルト・ガバメント。
これはその製造初日の希少な一点
週末別宅に出かけるというベスーンさん。
車を走らせること2時間すると…
何の始まりなのか?そこに現れたゲートその先に更に道が続く
敷地の中には石油の掘削機が。
自宅でなんと石油が掘られているのだ
この湖もベスーンさんの持ち物だ
大自然がそのまま残された敷地の中には野生のシカやイノシシもいる。
この日は長男とともに狩りの練習だ
ベスーン氏はアメリカで広がる格差をどう見ているんだろうか
アメリカで今最も経済成長が進む都市その1つが西海岸にあるシアトル
シアトルといえばマイクロソフトやアマゾンそしてスターバックスなどが本社を構えることでも知られる。
その街外れに異様な光景が広がっていた
林の中に見えてきたのは…。
ところ狭しと立ち並んだ
その数およそ30。
アウトドアを楽しんでいるというわけではなさそうだ。
住人の1人がその内部を案内してくれた
東海岸からいい職を求めてやってきたエドさん夫妻。
しかし…
荷物はスーツケース2つだけだ
1枚2枚3枚。
この暮らしを家族は知っているんだろうか
ホームレスのテント村しかしそのイメージはこれまでのものとかなり違っていた
やけに陽気なこの男性
ちゃんと仕事を持っているという
こちらのテントは10人が生活しているというが誰もいない。
皆出勤中なのだ。
職がありながら家賃を払えない。
そんな人が増えているのだ
午前9時エドさん夫妻もテント村から出勤
2人の職場は洗車センター
じゃあまたあとで。
ようやく仕事を終えた2人。
今日は給料日だった。
夕食に向かったのはファストフード店
一つのサンドイッチを2人で分け合う暮らし
エドさんの2週間分の給与明細を見せてもらった
1人分の給料は…
2人がここを出る日は訪れるんだろうか
実際に困ってる人はいっぱいいますね。
僕の姉も半年くらい車の中から生活してて通ってることもあって…。
健康があっても仕事があってもまともに暮らせないというのがアメリカの現状ですね。
だってちゃんと働いて職を持ってる人でも家を借りられない生活しかできないってすごくちょっと…ちゃんとしてよってアメリカ政府どうなってんのって思っちゃうけど。
そうですよねVTRのいちばん最後になんでこんなに不公平なんだっておっしゃってた言葉がすごく響きますけれども。
そうですよねこれを経済学者のピケティさんはこう解き明かしたんですよそれがこちらです。
ピケティ理論を代表する不等式です。
不等式って坂下さんどっちが大きいですか?「r」です!はいそうですね。
さすが!これが不等式の開いてるほう…。
rはgよりも大きいということを実証的に示したということなんですね。
例えば家土地不動産そして株社債預貯金こういういわゆる財産ですよね。
そこから得られる利益の伸び率のことなんですね。
これをだからピケティさんは全部資本と名付けたわけです。
国民全員が一生懸命働いた結果の経済成長率の伸び率。
まぁ言ってみれば給料などみんなが一生懸命働いたものということになるわけですね。
このrつまりお金持ちが持っているさまざまな財産これがだいたいどれくらい増えるかといいますとこちら。
18世紀以降年平均で4%から5%の比率で増え続けてきた。
一方こちらはですねみんなが頑張って働いたそれを平均はどれくらいかといいますと。
あれ?1%〜2%くらいだよ。
給料は上がらないんですね。
ずいぶん低いですね。
じゃあ今度は具体的に世界の長者番付を見ましょうか。
こちらですね。
こちらは雑誌『フォーブス』が発表した2015年世界の長者番付という事になっていますけれども1位はマイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツさんでなんと総資産9兆5,000億円。
すごい!ちょっと大きすぎてピンとこないんですけど注目したいのは8位と10位なんですよ。
この人ウォルマートというスーパーマーケットのチェーンの創業者の次男の奥さん。
実は未亡人なんですね。
そして10位はあの化粧品のロレアル創業者の娘さんなんですよ。
ピケティさんによるとこの人は…。
そうなんですね。
特色ある社会主義って掲げているんだけど本当は資本主義じゃないかと言われている中国です。
中国の特別行政区マカオ。
いまやラスベガスを大きく上回る世界一のカジノシティだ。
そこにある団体客がやってきた。
しかし向かったのはカジノではなく
その目的は競走馬の一口馬主になって一攫千金を狙うのだ。
これは中国の投資会社が企画したツアー
招待されたのは
女性たちが身につけていたのはクリスタルをちりばめた腕時計。
そして無造作に置かれたブランドバッグ。
ほとんどの人が会社の経営や不動産投資などで富を築いたという
札束を手に今日はまず競馬を楽しむ。
締め切り直前
人生初の競馬体験
すっかり虜になったようだ
そんな彼女たちが住む街深
その街なかに掲げられているのは中国を経済発展へと導いたリーダー
小平の基本理念は
そんな掛け声に呼応し80年代貧しい内陸部から沿岸部に出稼ぎにやってきたのが農民工と呼ばれる人たち
あれから30年。
彼らは今…
深市内の建築用資材置き場。
資材をトラックに積み込んでいるのは日雇いの労働者たちだ
そこにやってきた1人の男性
すると突然走り出した
資材置き場
1人の男性が走り出した
四川省出身の
今も日々現場を回るがなかなかいい仕事にありつけなくなった。
そんな高齢者がここにはたくさんいる
豊かになれると信じ働き続けて30年。
待ち受けていた厳しい現実
彼らは今裸老族と呼ばれる
何も持っていない農民工という意味だ
自分たちが築いた近代都市深
湯さんの住まいはというと…
建物の間のわずかな透き間を入っていく
更に日の当たらない通路を進むと…
ようやく湯さんの自宅に
自分と同じ道をたどっているという
食事は毎日おかゆ。
そしてキュウリの漬物だ
声を荒げても届かない叫び。
小平の理想はここにはない
豊かになれる者はなればいいじゃないかって。
これが画期的だったんですね。
みんなそこだけ実践したんだけどそれでも社会主義ってまだ言ってますよね。
言ってるんですよね。
もう明らかにむき出しの資本主義ですけどね。
世界の格差の実態見てきましたけれどもそうですよね日本が問題になってるのは…。
池上彰が解説日本の格差問題とは
肝心の日本はどんな状況なんでしょうか?そうですよね。
日本の格差について見ていきましょう。
こちらをご覧ください。
はいこの青い線が日本なんですけれども全国民所得の9.51%と。
まぁアメリカが18%でしたからその半分ということにはなりますね。
確かにアメリカみたいにね大富豪がそこらじゅうにいない気がしますよね?日本の方が敷地内に掘削機とか置いてる人はいないですよね?こちらはですね一世帯当たりの平均所得の推移のグラフになってるんですけれどもこの94年を境にですねどんどんどんどん下がっていっているんですよね。
300万円以下の人の比率なんですけれども32.7%と30%を超える状況なんですね。
そういう人たちが増えてるってことが大きな問題。
やっぱり私の周りでもそんな格差社会の解決法はピケティさんはどうすればいいと提言してるんでしょうか?そうですねピケティさん来日したときにですねこんな提言をしてました。
今注目のピケティ氏。
日本の格差問題について語った
ピケティさんの言葉を聞いてうんうんと思うんですけど具体的にそういう若者を優遇する政策とはなんなんですか?これはですね例えばですけど特に資産家への累進課税。
累進というのは多い人ほど税率を高くしましょうということですよね。
たまたま親がお金持ちだったから自分は努力したわけでもないのにたくさんの財産を持っているそういうそうしたら少子化もちょっと緩和されそうですね。
子供産んでも例えばそういう制度だったりで子育てすごいしやすい環境になって安心して子供が育てられるってなったらいいですよね。
そうですよね。
まずは私たちが格差があるっていうことをそしてそれをどうすればいいのかってことを考える。
ここから始めなければいけないんだろうということですね。
2015/04/20(月) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
未来世紀ジパング【池上彰が解説スペシャル 忍び寄る超・格差社会…日本は?】[字][デ]
米国で人気の34億円アパートvs謎のテント村▽事態急変!韓国の有名貧困村▽中国出稼ぎ第一世代▽トマ・ピケティの「21世紀の資本」が世界中で大ヒットなぜ?
詳細情報
番組内容
「資本主義の下では、格差は拡大する」フランスの経済学者、トマ・ピケティが書いた経済書「21世紀の資本」が世界中でヒット。日本だけでも14万部の発行を記録している。今、世界で広がる格差とは!?アメリカ、中国、韓国の3カ国で驚きの格差の現場を取材!そして日本は…?
池上彰が、忍び寄る超・格差社会を徹底解説する!
出演者
【メーンMC】
SHELLY
【進行役】
秋元玲奈(テレビ東京アナウンサー)
【沸騰ナビゲーター】
池上彰(ジャーナリスト)
【ゲスト】
パックン、坂下千里子、鈴木ちなみ
沸騰ナビゲーター
池上彰(ジャーナリスト)
未来世紀ジパング23回目の登場。1950年 長野県生まれ。1973年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て94年から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役を務める。2005年からフリージャーナリストとして世界各地を取材。2012年4月から東京工業大学リベラルアーツセンター教授。
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