とある商店街の八百屋の2階。
部屋の主はこの人。
生活の中に潜む科学の秘密を日夜探求している。
そんな彼を慕って…。
(理陽)お邪魔しま〜す。
(僕蔵)お〜理陽君。
まあ座れ座れ。
(理陽)失礼します。
僕蔵さんまたそれ?地味な植物好きですよね。
地味!?コケとかシダっていうのはね恐竜なんかが誕生するず〜っと前大昔から生きてんだからすごいんだぞ。
へぇ〜。
例えばコケの仲間が誕生したのは今から4億年くらい前だからね。
4億年前?恐竜が誕生したのが約2億5,000万年くらい前だから確かにだいぶ大昔ですね。
だろう?ウッフフン。
実は僕も植物育ててるんです。
これ。
ほう〜もしかしてこれは…。
(理陽)もやしです。
もやしの種もらったんですよ。
これ育ててどうすんの?そりゃ〜食べますよ収穫して。
収穫?えっえっえっ?じゃあ理陽君収穫までのイメージ言ってみな。
収穫までのイメージ?太陽の光を浴びてそこから芽が成長してグ〜ンと伸びて花が咲いてバババっと!バババっとはならないよ。
(理陽)えっ…。
(実穂)こんにちは。
あ〜実穂ちゃん。
(実穂)あっ理陽君も来てたの?ウフフ。
ねえ実穂ちゃんからもらったもやしの種育てても駄目だって。
えっどうして?今日は僕蔵さんにもあげようと思って来たのに。
これ…ジャン!あ〜確かにもやしの種だね。
(実穂)ほらね。
(理陽)じゃあどうして駄目なの?う〜んもやしを作るには光を当てちゃ駄目なの。
えっでも植物に必要なのは太陽の光でしょ。
確かにそうなんだけど…。
だからどうして太陽の光が植物に必要なのかって事なんだよ。
植物にとって光はとても大事。
なのに…。
もやしが作られている工場にやって来た。
ここでは一日におよそ60万袋のもやしが作られている。
この工場の中では袋詰めの作業だけでなく商品のもやしを育てているというのだ。
工場でもやし?その場所に案内してもらった。
この中でもやしを育てています。
実はこの中は真っ暗なんですよ。
中を見せてもらうと…。
確かに真っ暗。
やはりもやしに光はいらないのか!?今回は特別に照明を当てて撮影させてもらった。
大きな容器に入っているのは発芽したもやしの種。
育て方は至ってシンプル。
この容器に種をそのまま入れ一日に何度か水を与えるだけ。
そしてもやしは出荷直前まで一切光を浴びる事なく真っ暗な中で育てられるのだ。
こうして8日間ほどかけて私たちが食べるもやしとなる。
しかし!もやしが太陽の光を必要とする場合もある。
それはもやしが…もやしの種を土の中に植えた場合で考えてみよう。
もやしの種が土の中で発芽するための条件それは…土の中で芽が伸びている間には太陽の光は必要ない。
しかし芽が土の中から顔を出し更に成長を続けるためには太陽の光が必要になるのだ。
では…それは光合成をするため。
植物は太陽の光を受け止め光合成をする事で…植物が光合成を始めるのは土の中から芽を出し太陽の光を浴びてから。
それは二酸化炭素と水そして光エネルギーで植物の成長や繁殖などに使われる有機物を作るため。
それが光合成だ。
光合成をしながら成長を続けやがて花が咲き実をつける。
この実が再びもやしの種となるのだ。
種が収穫できるようにちゃんと育ててみよう。
いいねぇ。
たくさん光を当ててたくさん光合成させなきゃね。
だね。
まあたくさん光をっていうけどちなみに僕の大好きなこのコケとかシダは日陰でもよく育つんだよ。
(理陽)えっ日陰で大丈夫なの?うん。
こういう仲間を…
(理陽)「陰生植物」?そう。
それに対してヒマワリタンポポなんかは太陽の光をいっぱい浴びたいっていう植物で…へぇ〜じゃあ太陽の光をどれだけ必要とするのかって植物によって違うんだ。
そういう事。
ところでさ光合成って植物のどの部分でやってるか知ってる?どこで?葉っぱとかで?そのとおり!3人がやって来たのは八百屋の地下にある僕蔵さんの実験室。
フフフフ。
はい注目!はい。
これオオカナダモっていうんだけどこの植物の葉をとって顕微鏡で観察してみると分かるよ。
(実穂)オオカナダモ?
(理陽)オオカナダモ…知ってる。
メダカの水槽とかに入ってるよね。
うんうん。
じゃあ理陽君。
はい。
やってみる?やってみます。
まず葉をとって…
(理陽)はい。
上手。
表の方を上に向けて…。
もう一滴。
(理陽)もう一滴?うん。
最後に…
(実穂)おっいいんじゃない。
(理陽)じゃあのせますね。
お〜すごい。
見えた見えた。
見てみる?
(実穂)うん。
どれどれ?
(実穂)あっ見えた。
すごい。
緑色の粒々があるよね。
(実穂)はい。
それ葉緑体っていうんだ。
(実穂)これか葉緑体…。
(理陽)葉緑体聞いた事ある。
う〜ん。
その葉緑体が光をキャッチして光合成をしている訳。
葉緑体の中には更にいろいろな物質が含まれている。
それは光をキャッチする光合成色素という物質。
実際には葉緑体の中にある光合成色素が光合成をしている。
そしてこの光合成色素にはいくつかの種類がある。
実は光合成色素が1種類だけではないという事が光の性質と深く関係しているのだ。
光って何色?光の色?白。
無色透明。
う〜ん。
太陽の光とかもそうなんだけど白い色の光と書いて白色光っていうんだ。
(実穂)へぇ〜。
(理陽)「白色光」。
でも実は白色ではないんだよ。
例えば…。
はいこれCD。
光が当たると…。
(実穂)あっ虹みたい。
(理陽)本当だ。
でもこれってCDが虹色をしている訳ではなくて白色光が虹色の光の集まりだからこんなふうに見える訳。
白色光が虹色の光の集まり?そう!あとねこれもそうなんだよ。
え〜。
よいしょ。
ジャ〜ン!懐かしい!昔よくやった。
(理陽)やったやった。
はい1つずつ取って。
はい。
ありがとうございます。
よし…はい。
じゃあ用意ドン!…っと。
もう始まっちゃったの?
(実穂)おっ…。
あれ?ちょっとしぼんできちゃった。
ちょっと頑張ってお二人さん。
せ〜の!お〜お〜上手上手。
あ〜実穂ちゃん大きいの出来たね。
よしよし。
出来た。
すごい。
ここ持ってきて。
割れちゃった。
はい表面見て。
あっゆっくり回してみて。
虹色見えない?
(理陽)見えてる。
(実穂)あっ見えてる。
これも風船が虹色をしている訳ではなくて白色光が虹色の光の集まりで風船がその光を分解してるから虹色に見える訳。
(実穂)なるほど。
さっきのCDと一緒。
そう白色光をプリズムに通しても虹色になる。
白色光の正体は虹色なのだ。
そんな虹色の光をキャッチしているのが光合成色素。
…などの光合成色素がそれぞれ虹色の光を分担するように光を吸収している。
クロロフィルaは紫から青赤の色を強く吸収する。
クロロフィルbは青そして橙から赤。
カロテンは紫から緑の光を吸収している。
植物は光合成を盛んに行うためさまざまな色の光をできるだけたくさん取り込もうとしている。
そのため葉緑体の中には何種類もの光合成色素が存在しているのだ。
こんなふうに植物は太陽の光を効率的に取り込んでいる。
…にはどんな関係があるのか?泉川実穂は横浜にあるレストランにやって来た。
植物の成長と光の色の関係を調べるためだ。
焼き目がね見えてます。
層になって…。
(実穂)頂きま〜す。
うん。
この付け合わせの野菜うちのレストランで育てたものなんですよ。
(実穂)えっこれ全てですか?
(店員)はいそうです。
お肉に添えられた野菜これが全部このレストランの中で栽培されてるというのだ。
その現場を案内してもらう。
こちらがその装置になります。
あっ…。
うわ〜すご〜い。
この装置太陽の光ではなくLEDの光を使って野菜を栽培している。
その名も…栽培されているのは……など。
季節にかかわらずお店の中で一年中いつでも野菜を育てる事ができる。
次に訪ねたのはLEDを使って野菜を育てる研究をしている今注目の施設。
迎えてくれたのは…
(石田)それではこちらへどうぞ。
(実穂)ありがとうございます。
このようにして菜園の中で野菜を作っています。
お〜すご〜い。
(石田)こちらのコントローラーでですね光のバランスを変える事ができます。
(実穂)このコントローラーで?はい。
実際に今変えてみますね。
変えられるんですね。
今だんだんと青色を強めていっています。
あっ!もう色が徐々に変わってきてますね。
はい。
(実穂)あっ青です。
(石田)はい。
赤青緑の組み合わせを調整する事で光の色を自由に変える事ができる。
でもそれが一体植物の成長とどんな関係があるのか?光の色を変えると植物っていろいろな反応を示すんですね。
例えばその野菜の形であるとかあと食べた時の香りですね。
そういうのが変わります。
一つ例を挙げるとするとレタスというのは赤色を強く当てるだけで葉っぱが長くなったりするんですよ。
へぇ〜!あとバジルに青色を強く当てると肉厚で香りの強いバジルを作る事ができます。
このバジル食べてみて下さい。
はいありがとうございます。
あっすごい。
今あの〜ふわっと…取った時に香りがしました。
バジルの。
では頂きたいと思います。
(石田)はい食べてみて下さい。
うん!すごい肉厚。
すごいシャキシャキしてて…。
かめばかむほどこのバジルの風味が口の中全体に広がってきて…。
植物は光の色に敏感に反応して成長している。
これはその実験。
同じ時期に種をまいたにもかかわらず当てる光の色の違いだけで2か月の間にこんなにも成長に違いが出るのだ。
緑青系の光と比べて赤色系の光では植物の背丈がずっと大きく伸びている事が分かる。
これからのLED菜園の夢っていうのはありますか?LED菜園今ですとレタスとかそういった葉っぱものの野菜が中心で出来ているんですけども今後は…こういった環境で栽培してますから今やはり農業ですと高齢の方がやられていたりとか農業をやられる方の人口が減少してるとかそういった問題があるんですけれども若い人たちが…農業やった事ない人たちがどんどんどんどん農業に参入できるようなそういった環境をつくっていけたらいいなと思ってます。
植物の成長と光の色の関係を巧みに利用したLED菜園。
農業の新しい形に多くの期待が寄せられている。
はいお茶どうぞ。
お〜飲み物欲しかった。
ありがとうございます。
頂きます。
頂きます。
あ〜。
あ〜おいしい。
これ玉露?本当だ。
いつもの味と全然違う。
うん。
甘いしコクがあるよね。
「コク」?うん。
いつもに比べて深みがあるっていうか。
あ〜なるほどね。
うん。
じゃあさ普通のお茶と玉露の違いってどうしてかって知ってる?え〜。
お茶の種類が違うんじゃないの?それもね太陽の光と深〜い関係があるんだよ。
えっ。
へぇ〜。
フフン。
これがいつも飲んでるお茶の葉。
うん普通のお茶の葉だよね。
そして…これが玉露のお茶の葉。
(実穂)お〜。
(理陽)なるほどね。
どちらも同じお茶の木の葉っぱなんだけど育てる時の太陽の光の当て方の調整によって普通のお茶になったり玉露になったりするんだよ。
(理陽)そうなんだ。
(実穂)へぇ〜。
という事は光を調整する事によって…。
味にこんな違いが生まれるって訳か。
僕蔵さん物知り。
ウフフフやだ。
やめろよ。
お代わりするかい?いえもう帰ります。
えっ帰んの?はい。
じゃあまた明日来なよ。
だって明日塾あるでしょう?ああそうだね。
じゃあ塾の前に来なよ。
塾の前に。
いや〜ちょっと遅れちゃうかも…。
じゃ塾のあとに来なよ。
あと図書館行きたいんです。
また来ます。
ありがとうございました。
待ってるからね。
僕は待ってるぞ。
(実穂)お邪魔しました。
お邪魔しました。
行ってらっしゃい。
植物にとって光は光合成をするために必要なもの。
成長や繁殖などに使われる有機物は光合成で作られている。
太陽の光などの白色光は虹色の光の集まり。
その光を吸収しているのが葉緑体の中にある光合成色素だ。
光合成色素にはいくつかの種類があって虹色の光を分担するように吸収している。
光の色と植物の成長は密接に関係している。
光の色の違いで成長する速さや味にも違いが出る。
光と植物の関係を解き明かす事それも私たちの豊かな生活を支えているのだ。
2015/04/23(木) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 科学と人間生活「光を求めている植物」[字]
科学技術の発展は、どのようなところに生かされているのだろう? 私たちの身の回りにある自然や道具を糸口に、科学の世界を楽しく解き明かしていく。
詳細情報
番組内容
私たちの食料源として欠かせない植物。今回は、植物と光の関係を、科学と人間生活の視点から考える。 「光を求めている植物」(1)植物にとっての光の役割 (2)葉緑体と光合成色素 (3)光の色と植物の成長
出演者
【出演】正名僕蔵,三井理陽,泉川実穂,【語り】渡辺真砂子
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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