解説
世界各国で最も高い評価を受ける日本映画の最高傑作。世界の映画監督358人が選ぶ「最も偉大な映画」1位に輝いた(英国映画協会/2012)。メガフォンを撮るのは名匠・小津安二郎。老夫婦を軸に、子どもたち、孫、兄弟、亡くなった息子の嫁といった家族の繋がりと離別を冷静に描く。笠智衆、東山千栄子の老夫婦の穏やかなかけ合いから老いと死を暗示させる表現が見事。昭和のミューズ・原節子の美しさも必見。
物語
成人した子ども達に会いに、広島から上京してきた老夫婦の周吉(笠智衆)ととみ(東山千栄子)。長男の幸一(山村聰)・長女の志げ(杉村春子)との久しぶりの再会に喜ぶ夫婦だが、子どもたちは自分の生活を守るのに手一杯。忙しさのあまり徐々に相手をしなくなる子ども達の態度を、老夫婦は敏感に察知する。2人を心からもてなしたのは、戦死した次男の妻・紀子(原節子)だけだった。
こぼれ話
広島・尾道でロケ撮影をする為、笠智衆、原節子、香川京子ら銀幕俳優が尾道を訪れた。1953年当時に地方ロケは珍しく、また映画黄金期のスタア陣が来るということもあり尾道は熱狂。笠智衆、香川京子が現地入りした駅はホームにまでファンが詰めかけ大混乱し、迷子が続出。翌日に遅れて原節子が現地入りした際も入場券が飛ぶように売れ、混乱を避ける為に一つ先の糸崎駅で下車させるほどの熱狂ぶりだった。