(智恵子)お母さん?
(香織)あのホストの?
(和子)そう。
私がそっくりなんだって。
(香織)じゃああれ?彼は和子さんのことを…。
母親のつもりで付き合ってたんだって。
(智恵子)じゃああのう。
骨まで溶けるようなテキーラみたいなキスは?肩もみよ。
ラブホテルで延々1時間も。
おかげで肩凝り治ったけど。
(香織)甘くとろけるような危険なにおいがぷんぷんする恋は?親孝行の代わり。
「母さん。
心配かけてごめん」だって。
ねえ。
そんなにウケることないでしょ。
こっちは真剣だったんだから。
(智恵子)ごめんごめん…。
(香織)ごめんなさいね。
でもね。
でも私は翔也君に感謝してるの。
だって彼と会うといつも胸がときめいたもの。
あんなこと久しぶりだった。
初恋以来だったわ。
(智恵子)でも高くついたでしょ。
競輪でもうけた分と200万の定期がぱあ。
(香織・智恵子)嘘!?マジ!?それよそれ。
「嘘!?」「マジ!?」って言われてみたかったんだ。
みんなが驚くようなこと。
(香織)それで?どんな気分?最高よ。
(香織)ホント?うん。
(智恵子)負け惜しみじゃなくて?全然。
今度のことで私あのう。
自分の殻を破れたような気がするの。
間違いなく私自分が変われたもの。
(智恵子)確かに和子さん積極的になった。
ねっ。
(香織)うん。
自信満々っていう感じで。
でしょ?やっぱりね自分を変えるのって何かを犠牲にしなくちゃ駄目なのよ。
(香織)犠牲ね。
ねえ?香織さんは?何かこう自分を変えてみたいと思わない?
(香織)思うわよ。
だったら何か犠牲にしなくちゃ。
(香織)そうね。
うん。
(智恵子)で?和子さんは何を犠牲にしたの?
(智恵子)お金?うん。
まあそれもあるけど。
ご主人?離婚届渡したの。
(智恵子・香織)えっ!?
(香織)だって翔也君とは親子関係で終わったんでしょ?何もそんな離婚届なんて出すほどのことじゃ。
そうなんだけど。
でもね何だか話が前後しちゃって先に渡しちゃったのよ。
いやいやいや。
取り返しなさいよ。
まだ間に合うから。
いいの。
何で?だって元の自分に戻っちゃうもん。
戻ればいいでしょう。
嫌よ。
そんなの。
えっ!?何でも計画どおり予定どおりの人生なんてまっぴらよ。
私ね今すごくドキドキしてるの。
「あしたの自分はどうなるだろう?」「来週の自分はどうなるだろう?」って。
今なら私一人で生きていける気がする。
お金も無いし仕事の当てもないけどそれでもやっていける気がするの。
(香織)えーっ?ああ…。
甘いよな。
(香織)えっ?うん。
和子さん。
(香織)甘い?あしたのことが分からないことぐらい怖いことなんてないのにね。
ドキドキしてる余裕なんてないよ。
(香織)どうしたの?ううん。
何でもない。
私はね穏やかに生きたいの。
静かでのどかであしたのことなんて心配しないで生きていきたい。
(香織)そうね。
ねえ?チーちゃん。
うん?ちょっとうち寄っていかない?うん。
いいよ。
うん。
えっ!?あの子来たの?うん。
何しに?宣戦布告。
えっ?主人と愛し合ってるって。
言ったの?あの女。
うん。
それで?伊佐山さんを私に下さいって。
何それ?いきなりどーんときたから私面食らっちゃった。
そりゃ誰だって。
誰だって驚くわよ。
そんなの。
で晃司さんはどうなの?その前の日にカミングアウトしてきたのよ。
電車が止まった夜美咲さんと夜を明かしたって。
もちろん何もなかったって。
もうあの子とは会わない。
そう言ってた。
ったく。
優柔不断なんだから。
で香織さん。
香織さんは何て彼女に言い返したの?あなたにいくかどうかは晃司さんが決めることだって。
あーあ。
優等生やってる。
あのねそういうときはね「何よ!この泥棒猫。
シッシッシッ」って言ってやればいいのよ。
でもね…。
何か私立ち入れない感じがするのよ。
あの子と主人の間に。
どういう意味?主人。
まだ映子さんのこと忘れられないの。
映子さんって?あの子の母親。
あっ。
映子さんとはね35年前にうちのお母さんに別れさせられたのよ。
うわ。
さすが時枝さん。
それでも映子さんはずっと主人のことを思い続けていたみたい。
渡すことができなかった司法試験合格のお守りをね死ぬまであの人大切に持ってたんですって。
いや。
だからってそんなことで遠慮する話じゃないでしょ。
主人のかばんにそのお守り入ってるのよ。
ホント?美咲さんは映子さんの身代わり。
だから私立ち入れないの。
ハハッ。
男は引きずるのよね。
そうやって昔の話を。
ねえ?うん?純ちゃんにはそういうことなかった?どうだろ。
色々あったんじゃない?純ちゃんは忘れちゃうもんね?そういうこと。
えっ?面倒なことはすぐ忘れる。
純ちゃん言ってたじゃない。
人間は忘れることができるから幸せなんだって。
全て何でも覚えてたらつら過ぎるって。
ねっ?うん?うん。
うん。
どうした?うん?ああ。
あっ。
それより森山さんとはどうなった?うーん。
ウガンダ。
行かないの?一緒に。
行きたい。
でもそんな簡単なことじゃない。
簡単よ。
女はね好きな人と一緒にいるのが一番幸せなんだから。
そんな。
そんな簡単な話じゃないでしょ。
難しく考えちゃ駄目。
こういう話は。
私だけのことじゃないのよ。
ああ。
優等生やってる。
あのさどこまで優等生やれば気が済むの?和子さんが言ってたでしょ?自分を変えたいんだったら何かを犠牲にしなくちゃいけないって。
でも結局香織さんはね最後いい子やりたいから駄目なのよね。
だから変われないの自分が。
前に香織さん言ってたよね?「小さいころから自分のことをみんな香織さん香織さんって呼ぶのは何でだろう?」って。
何でだか分かる?香織さん。
いっつもいい子やってるからよ。
何をやっても間違いがない人だから。
だから香織さんって呼ばれるの。
ひどいわよ。
チーちゃんには分からないのよ。
私がどんな思いでこの家と家族を守ってきて…。
分からないわよ。
私にはあなたみたいに守る子供がいないんだから。
そういうこと言ってるんじゃないでしょ。
私…。
香織さんは何にも分かってない。
世の中にはね好きな人とずっと一緒にいられない女もいるの。
・
(時枝)どうしたの?2人とも。
あっ。
お母さん。
お邪魔しました。
(純一)チーちゃん。
うん?
(純一)どうしたの?えっ?ヨガから帰ってきてからずっとぼんやりしてるよ。
そう?何でもない。
気分転換に映画でも見てきたら?映画?チーちゃん。
見たいって言ってた映画今日までだって。
あっそう。
でもいいや。
お店あるし。
お店は俺がいるでしょ。
うん。
俺ね一人で店番したいんだよね。
純ちゃん一人で?大丈夫。
一人でやらせてほしいんだよ。
ねっ。
うん。
病気なんかに負けちゃ駄目だもんね。
そうね。
じゃあお願いしちゃおうかな?
(純一)そうです。
湘南にあります輸入家具屋です。
はい。
えっ?お店の名前ですか?名前は…。
えっと。
あっ。
あっ。
あれ?あっ。
あのう。
ちょっと待っていただけますか?えーと。
何だったっけ?えっ?あれ?あっそうだ。
えっ?何でこんなときに字がちっちゃいんだよ。
あっ。
失礼いたしました。
FASTWATERです。
はい。
えっ?私ですか?私はこの店のオーナーです。
・
(通話の切れる音)
(純一)もしもし?もしもし?・
(ドアの開く音)
(純一)何で切っちゃうんだよ?FASTWATER。
純ちゃん。
あっ。
香織さん。
いらっしゃい。
チーちゃんは?映画を見に行ってるけど。
そう。
何か用?うん。
ちょっとやり合っちゃって。
チーちゃんと。
香織さんが?うん。
誕生パーティー?そう。
チーちゃんの。
この前やったじゃない。
あのときはチーちゃん怒らせちゃって台無しになったでしょ?まあね。
だからやり直すことにしたから。
いつ?あした。
いいよ。
もうやんなくても。
駄目だよ。
もうみんなに連絡しちゃったんだから。
みんなって?伊佐山夫婦にあのう。
ほら。
えーと。
あのう。
ほら。
岩村夫婦?そうそう。
オール俺の手料理でいきますよ。
あしたは。
(吾郎)バースデーパーティー?ええ。
誰の?智恵子さん。
この前やっただろ。
やり直しですって。
好きだよな。
いい年してさ誕生日会もないだろ。
そんなことより俺たちの未来について話し合おう。
なっ?和子?和子。
和子。
和子。
それ。
名前とはんこ早くお願いしますね。
(晃司)あした?うん。
あっそうか。
この前あんなだったからな。
何持っていく?うちはケーキを買っていくことになってます。
そっか。
あっ。
ママ。
美咲さん。
何しに来たの?何か変だよ。
おふくろもママも。
大した話じゃないです。
どんな話したの?あなたを下さいって。
えっ?それだけよ。
はっ?チーちゃん。
うん?ほら来て。
見て見て見て。
うわ。
すごい。
おいしそう。
ほら。
こんがり。
はい。
チーちゃんお願い。
はい。
うわ。
すごい。
おいしそう。
うん。
・
(チャイム)あっ。
俺が出る。
うん。
ありがと。
・
(純一)ああ。
いらっしゃい。
・
(晃司)はい。
こんにちは。
・
(純一)どうぞどうぞどうぞ。
・お邪魔します。
(純一)来たよ。
いらっしゃい。
(晃司)チーちゃん。
おめでとう。
はい。
ありがとうございます。
ごめんね。
やり直しなんて。
(晃司)俺たちも気になってたんだよな。
(純一)ねえ。
ちょっとソファで待ってて。
(晃司)うん。
チーちゃん。
ケーキ。
あっ。
冷蔵庫入れといて。
勝手に開けるね。
うん。
(晃司)はい。
(純一)はい乾杯。
この前はごめんね。
謝るのはこっちの方。
(晃司)あれ?何2人でこそこそやってんの?うん?内緒内緒。
(純一)怪しいな。
内緒内緒。
・
(チャイム)
(純一)んっ!見てこれ。
すごいね純ちゃん。
すごいでしょ。
やっぱりすごい。
(純一)来たよ。
いらっしゃい。
(吾郎)どうも。
智恵子さん。
誕生日おめでとうございます。
ありがとうございます。
(純一)岩村さん。
ほら。
ちょっとソファ座っといて。
はい。
ワイン買ってきました。
ありがとう。
和平条約結んだの?まさか。
(くしゃみ)
(一同)・「ハッピーバースデートゥユー」・「ハッピーバースデートゥユー」・「ハッピーバースデーディア智恵子さん」はいはい。
(一同)・「ハッピーバースデートゥユー」ありがとう。
せーの。
(一同)おめでとう。
チーちゃんおめでとう。
(一同)軟らかい。
おいしい。
おいしいこれ。
(純一)うん。
これねソースが決め手なの。
(晃司)ソース。
どう?チーちゃん。
映画楽しかった?映画はね。
でもそれからずっと不愉快だった。
あら。
どうしたの?あのね私初めてシニア料金で見たの。
(晃司)あの60歳からの?1,100円です。
そう。
初めてだからねどうしていいんだか分かんなくって自分の年齢を証明するものを探したの。
だって免許証ないわけだし。
で保険証を出したの。
(一同)うん。
で切符売り場の男の子がねそしたら「大丈夫っすよ」って言って保険証見ないでシニア料金にしてくれたの。
(純一)よかったじゃない。
よくない。
全然よくない。
(純一)どうして?だって私シニアに見えたってことでしょ?
(純一)あっ。
失礼じゃない?そういうのって。
そうよね。
やっぱ一度は確かめてもらいたいわね。
そう。
むしろ逆を望むわよ。
逆って?だから私が保険証出すでしょ。
したら「ああ。
びっくりした。
シニアになんか見えませんよ」「若いですね」って言われたいじゃない?
(吾郎)そこまで映画館に求めるのは酷なんじゃないでしょうかね?ホストクラブじゃありませんし。
(せきばらい)いや。
あのう。
気持ちの問題ですよ気持ちの。
女性はねっ。
敏感なんです。
そういうとこに。
(吾郎)敏感。
(晃司)まあ気持ちは分かるけどな。
(吾郎)なるほどね。
相変わらず何をメモってるんですか?いや。
前から気になっていたんですけど。
何ですか?
(吾郎)夫婦割引ってあるじゃないですか。
あれって夫婦である証明って何で必要じゃないんでしょうか?
(一同)そうか。
確かに。
(晃司)証明しようがないね。
(吾郎)ですよね。
ああ。
指輪とか。
指輪。
(純一)人の奥さんかもしれないじゃない。
あっ。
じゃあ結婚式の写真だったら完璧じゃない?ちょっと待って。
30年前の写真なんか分からないかもしれないわよ。
そうか。
あっ。
じゃあこういうのはどう?
(一同)うん?チケット売り場でキスしてもらうの。
(智恵子・香織)やだ。
嫌。
(吾郎)夫婦じゃなくてもキスはできますよね?できるわ。
骨まで溶けるようなテキーラみたいなキスよ。
(純一)えっ?あるの?そういうこと。
さあ?
(純一)俺が思うにはそれって2人の間の空気で証明できるんじゃないかな?空気?
(純一)そう。
恋人とは違う。
愛人とも違う。
不倫相手とも違う。
何かこう独特な空気が漂ってるんだよね。
夫婦には。
(晃司)うーん。
確かにそうだよな。
だいたい一目で夫婦か他人か分かるよな。
(吾郎)っていうことは私とこいつの間にも?それはどうだか。
(純一)見えますよ。
どんよりした粘っこい夫婦の空気が。
純ちゃん。
(吾郎)粘っこい。
つまり2人はねっちょりとつながっているということですか。
ないない。
ない。
そういえば伊佐山さんの間にも何となく…。
何かこうきーんと澄み切った空気が。
それって冷えきったってことですか?
(吾郎)いや。
どうでしょう?冷めてるんですか?お宅も。
(晃司)「も」!?「も」って何ですか?純ちゃん。
何か変な空気流れてるよ。
(純一)そうだね。
あの。
あのね。
あのう。
夫婦の間に流れてる空気ってのはねその年代によって違うんだってさ。
年代?
(純一)20代の夫婦の間には愛に満ちあふれた空気が漂ってるの。
30代はお互いが努力し合ってる空気ね。
そんで40代は我慢の空気。
50代は諦めの空気なんだって。
確かに言えてるわね。
じゃあ60代は?60代はね…。
チーちゃん。
うん?ちょっとこっちに来て。
何?
(純一)いいから。
はい。
はい。
参りましょう。
何でしょうかね?はいはい。
はいはい。
(純一)60代の夫婦の間に流れてるのは感謝の空気なんだよね。
感謝?
(純一)俺みたいないいかげんな男を今日まで大切にしてくれたチーちゃんに感謝感謝の気持ち。
そういう空気分かるよね?分かる。
分かります。
分かる。
チーちゃん。
今までありがとうね。
何よ。
自分が主役みたいなこと言っちゃって。
今日は私が主役なんだから。
・
(泣き声)2015/04/24(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
プラチナエイジ #20[字][デ]【恋は幻!?見えない未来】
和子(宮崎美子)は貯金の使い込みが夫にばれ、香織(榊原郁恵)は森山(谷田歩)の意外な誘いに動揺。智恵子(池上季実子)は様子のおかしい夫を心配し、気持ちがふさぐ…
詳細情報
番組内容
香織(榊原郁恵)と智恵子(池上季実子)は、和子(宮崎美子)から翔也(小林豊)とのてん末を聞かされる。翔也は亡くなった母親の面影を和子に見ていただけだった。香織も智恵子も、和子に悪いと思いつつ大爆笑してしまう。
和子と別れると、智恵子が和子の後先考えない行動に対し、批判めいたことを言う。その後、智恵子と香織が話の流れで口論に。智恵子の心に純一(春田純一)の病が重くのしかかっていたのだ。
番組内容2
香織は智恵子に詫びるため、智恵子のお店を訪ねるが、あいにく智恵子は出かけたところだった。話を聞いた純一は、智恵子の誕生日会を改めて開くことを思いつく。
出演者
伊佐山香織:榊原郁恵
速水智恵子:池上季実子
岩村和子:宮崎美子
速水純一:春田純一
岩村吾郎:中本 賢
伊佐山晃司:宅麻 伸
スタッフ
原作・脚本:清水有生
演出:阿部雄一
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
音楽:佐藤舞希子
主題歌:郷ひろみ「100の願い」(ソニー・ミュージックレコーズ)
制作著作:国際放映
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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